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そんな訳の分からない会話をしていて・・・
勝也がお辞儀をしたので私もお辞儀をした。




勝也に腕を引かれ、裏の方に連れていかれる・・・。





「もう、上がる時間だよな?
まかない出来てるから・・・持ってくる。」





そう言われて、休憩室の椅子に座らされた。






そして・・・






少し経ってから、勝也が・・・“シェフ”の勝也が現れ・・・






私の目の前に、お皿を置いてくれた。







それを見て・・・私は、涙が流れた・・・。






沢山、沢山、涙が流れた・・・。






真っ白なお皿の上の料理は・・・



















「樹里ちゃんの、オムライス・・・。」






小学校3年生の時、樹里ちゃんが一口くれたオムライス。
4年生でも5年生でも・・・6年生でも、このオムライスを、私もクリスマスに勝也にお願いしていた。






それと・・・






「私の大好きな、コーンポタージュ・・・」






コーンポタージュを1口飲み・・・






脳が、喜んだ・・・。






綺麗に置かれたスプーンを持ち、樹里ちゃんのオムライスをすくい・・・






大きな口を開け・・・







一口、食べた・・・。







一口食べただけで、






脳が、喜ぶ・・・。






目を閉じながら、





その快感に震えながら喜び・・・






手足をジタバタとさせる・・・。
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