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目をゆっくりと開けると、勝也が嬉そうな顔で私を見ていた。




「美味しいです、“シェフ”。」




「ありがとうございます、莉央さん。」




懐かしいやり取りをして、2人で笑い合った。
勝也は22時までのシフトだったけど、“送っていく”と言ってくれ・・・制服に着替えて待っていた。




嬉かった・・・。




凄い、嬉しかった・・・。





あの毎日が、勝也の中では“少しだけ”だったのかもしれないけど・・・





ちゃんと、覚えていてくれた・・・。





私だけじゃなくて、勝也も・・・





覚えていてくれた・・・。






その事実に、凄い・・・安心した。
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