【R18】”純“と純愛ではない”愛“の始まり

Bu-cha

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そして、今年も運動会が始まった。
年中さんの時はお母さんが来てくれていたのに、お母さんがいない運動会が始まった。


プリンセスになりたい”りい“は髪の毛をお尻まで伸ばしていて。
その髪の毛は何も可愛くないままで、”お山座り“をすると地面についている。


「りい、1番とれよ!!
りいは足はえーじゃん!!
格好良い写真をオジサンに撮って貰えよ!!」


隣のクラスの”じゅん“が”お山座り“をしながら、”りい“のことを振り向きながら言ってきた。
”りい“はプリンセスになるから”格好良い“じゃなくて”可愛い“になりたいのに。


こんなに可愛くない髪の毛だと王子様は見付けてくれないのに。


こんなに砂で汚くなった髪の毛だと、王子様は迎えに来てくれないのに。


「”たしろ“は今年は1番じゃないだろうけど、りいちゃんは1番になれると良いね!」


“りい“の隣に座っていた、年中さんで同じクラスだった女の子がそう言ってきた。
そしたら、周りにいた女の子達も話に入ってきて。


「”じゅん“と同じ順番だからね、”たしろ“!」


「“じゅん”には“たしろ”でも勝てないよ。」


「“じゅん”は何でも1番だからね!!」


年中さんの時は“じゅん”のことを“じゅん”と呼んでいた女の子達が、“じゅん”のことを“タシロ”と読んで、“じゅん”ではない“じゅん”のことをじゅん”と呼んでいた。


“じゅん”と同じクラスの男の子。
”じゅん”は毎日のように、“男のくせに女とばっかり遊んでるし、なのに戦いごっこはめちゃくちゃ強いムカつく男!!”と言っている。


遠くから見たことがあるだけのその男の子のことをチラッと見ると、今日も顔は見えなくて、”お山座り”をしているのにピンッとした背中だけが見えた。
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