23 / 27
2
2-8
しおりを挟む
私の言葉に田代は無言になった。
“それは無理か。”
そう思いながら足を閉じようとしたら、その足を田代が両手で掴んできた。
そして私の足の間にまた身体を入れてきて・・・
ベッドの上に置いていた、にぃにから貰ってきた避妊具をつけ始めた。
それには緊張しながら待っていると、童貞のはずの田代がすぐに避妊具をつけ終えた。
“昔から器用だったもんね・・・。”
そんなどうでもいいことが頭に浮かんだ時、思い出した。
「あの運動会の次の日から、私の髪の毛を田代が結んでくれてたんだよね・・・。
田代のパパから教えて貰った田代が、私が自分で結べるようになるまで毎日・・・。
早起きなんて出来なかった田代が、毎日毎日早起きをしてくれて・・・。」
「懐かしいな、そんなこともあったな。」
楽しそうに笑った田代が、私の身体にゆっくりと覆いかぶさってきた。
「どうして迎えに来てくれなかったの・・・?」
「何が?」
「かけっこで私が転んだ時・・・。」
「いや、迎えに行くどころか俺爆笑してたし。」
「酷い・・・。」
「“転ぶなよ”って言ったのに転ぶとか、マジで爆笑じゃん、コントじゃん。」
そう言って田代が本当に楽しそうに笑うから、私も釣られるように笑った。
そんな私の顔を田代がジッと見下ろしてきて・・・
「キスはアリ?」
そう聞かれ、少しだけ考えた後に頷いた。
嫌な気持ちではなかったから。
全然、全然嫌な気持ちではなかった。
こんなに真面目な顔をして、こんなに興奮した顔の田代の顔がゆっくりと・・・
ゆっくりと、私の顔に降りてきた。
そして・・・
チュッ···と、少しだけ唇を重ねてきて・・・
ソッと離れた。
まだ唇が触れてしまいそうなくらい近くにある田代の顔を見詰めると、田代も私のことを見詰めていて。
そして・・・
そして・・・
「理衣。」
私のことを理衣と・・・、理衣と、久しぶりに呼んだ。
“それは無理か。”
そう思いながら足を閉じようとしたら、その足を田代が両手で掴んできた。
そして私の足の間にまた身体を入れてきて・・・
ベッドの上に置いていた、にぃにから貰ってきた避妊具をつけ始めた。
それには緊張しながら待っていると、童貞のはずの田代がすぐに避妊具をつけ終えた。
“昔から器用だったもんね・・・。”
そんなどうでもいいことが頭に浮かんだ時、思い出した。
「あの運動会の次の日から、私の髪の毛を田代が結んでくれてたんだよね・・・。
田代のパパから教えて貰った田代が、私が自分で結べるようになるまで毎日・・・。
早起きなんて出来なかった田代が、毎日毎日早起きをしてくれて・・・。」
「懐かしいな、そんなこともあったな。」
楽しそうに笑った田代が、私の身体にゆっくりと覆いかぶさってきた。
「どうして迎えに来てくれなかったの・・・?」
「何が?」
「かけっこで私が転んだ時・・・。」
「いや、迎えに行くどころか俺爆笑してたし。」
「酷い・・・。」
「“転ぶなよ”って言ったのに転ぶとか、マジで爆笑じゃん、コントじゃん。」
そう言って田代が本当に楽しそうに笑うから、私も釣られるように笑った。
そんな私の顔を田代がジッと見下ろしてきて・・・
「キスはアリ?」
そう聞かれ、少しだけ考えた後に頷いた。
嫌な気持ちではなかったから。
全然、全然嫌な気持ちではなかった。
こんなに真面目な顔をして、こんなに興奮した顔の田代の顔がゆっくりと・・・
ゆっくりと、私の顔に降りてきた。
そして・・・
チュッ···と、少しだけ唇を重ねてきて・・・
ソッと離れた。
まだ唇が触れてしまいそうなくらい近くにある田代の顔を見詰めると、田代も私のことを見詰めていて。
そして・・・
そして・・・
「理衣。」
私のことを理衣と・・・、理衣と、久しぶりに呼んだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる