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急遽予約を取った会議室、何故か佐伯さんはテーブルの椅子には座らず窓に寄りかかりながら腕を組んだ。
だから私も座らずに佐伯さんから少し離れた所に立ち、片手で手帳を握り締めた。
「で、どうするの?
営業部に戻る?」
面倒そうな口調で佐伯さんが聞いてきて、それに私は笑顔を作り首を横に振った。
「これから人事部長にも言いに行くけど、退職しようと思ってる。」
どこをどう見ても私よりも年下の佐伯さんに私もタメ口で答えると、佐伯さんは組んでいた腕を離し、その両手を大きく叩き笑い始めた。
「ウケる~!!!退職するんだ!?
私がわざわざここまで来た意味!!
月末だし年度末だしかなり忙しかったんですけど~。」
「そうだったんだ・・・。」
「でも退職するんだったらよかった~。
アナタがうちの経理部に出向してきたら、私がアナタの面倒を見ることになってたんだよね。」
「そうだったんだ・・・。」
「新卒の子の面倒ならまだしも、やる気もなければ女だか男なんだかよく分からない人間の世話なんてしたくないから。」
佐伯さんがそんなことを言ってきて、まるで汚い物を見るような目で私のことを見てきた。
「私、アナタみたいな人は本当に大嫌い。」
今まで生きてきて初めて言われた言葉を言われ、それには大きく驚き固まった。
「つまらなそうな顔で生きてる人、私大嫌いなの。
つまらないくせに楽しく生きようと努力しない人も大嫌い。」
何も言えない私に佐伯さんが続ける。
「何で生きてるの?」
そんなことを聞かれて・・・
「何の為に生きてるの?」
そんなよく分からないことをまた聞かれて・・・。
そして・・・
「その命もその身体も、いらないなら私にちょうだいよ。」
“狂気”
そうとしか言いようがない雰囲気で佐伯さんが私の方に歩いてきた。
眩しい夕陽が窓から入り、電気もつけなかった会議室の中で夕陽の光りを背中にした佐伯さんの顔は暗くなる。
「ねぇ、いらないなら私にちょうだい?
私ならもっと上手にその命もその身体も使えるから。」
全身が固まり冷や汗が吹き出てくる。
心臓も身体も自分の物ではなくなるような感覚に陥ってくる。
「私の命は二十歳の時に終わった。
それにこんな身体なんて私はいらないから。」
佐伯さんはゆっくりとジャケットを脱ぎ、信じられないことにワンピースまで脱ぎ始めた。
「なに・・・?」
小さな声をぶつける私に佐伯さんはバカにしたような笑顔を浮かべ・・・。
ワンピースの下に着てきたキャミソールまで脱ぎ、ブラジャーとパンツ姿になった。
“綺麗”としか言いようがない佐伯さんの身体に息を飲み見惚れていると・・・
佐伯さんはゆっくりと私に背中を向け、長い髪の毛をかき上げた。
“ソレ”を見て、私はもっと大きく息を飲んだ。
佐伯さんの背中を見て私は息が出来なくなった。
佐伯さんの背中にはこの会議室の暗い色よりももっと深い黒があったから。
首の後ろから背中、腰に掛け・・・
深い赤黒い色で覆われていた。
さっきまで夕陽に照らされていたはずの佐伯さんの背中は、全て深い赤黒い痣で覆われてしまっていた。
その背中を私に見せ続けたままの佐伯さんが首だけを捻り私の方を振り向いた。
「私にアナタの命と身体をちょうだい?」
狂気の顔でそんなことを言われ・・・
私は、自然と頷いてしまった。
あまりの恐怖に、頷いてしまった。
だから私も座らずに佐伯さんから少し離れた所に立ち、片手で手帳を握り締めた。
「で、どうするの?
営業部に戻る?」
面倒そうな口調で佐伯さんが聞いてきて、それに私は笑顔を作り首を横に振った。
「これから人事部長にも言いに行くけど、退職しようと思ってる。」
どこをどう見ても私よりも年下の佐伯さんに私もタメ口で答えると、佐伯さんは組んでいた腕を離し、その両手を大きく叩き笑い始めた。
「ウケる~!!!退職するんだ!?
私がわざわざここまで来た意味!!
月末だし年度末だしかなり忙しかったんですけど~。」
「そうだったんだ・・・。」
「でも退職するんだったらよかった~。
アナタがうちの経理部に出向してきたら、私がアナタの面倒を見ることになってたんだよね。」
「そうだったんだ・・・。」
「新卒の子の面倒ならまだしも、やる気もなければ女だか男なんだかよく分からない人間の世話なんてしたくないから。」
佐伯さんがそんなことを言ってきて、まるで汚い物を見るような目で私のことを見てきた。
「私、アナタみたいな人は本当に大嫌い。」
今まで生きてきて初めて言われた言葉を言われ、それには大きく驚き固まった。
「つまらなそうな顔で生きてる人、私大嫌いなの。
つまらないくせに楽しく生きようと努力しない人も大嫌い。」
何も言えない私に佐伯さんが続ける。
「何で生きてるの?」
そんなことを聞かれて・・・
「何の為に生きてるの?」
そんなよく分からないことをまた聞かれて・・・。
そして・・・
「その命もその身体も、いらないなら私にちょうだいよ。」
“狂気”
そうとしか言いようがない雰囲気で佐伯さんが私の方に歩いてきた。
眩しい夕陽が窓から入り、電気もつけなかった会議室の中で夕陽の光りを背中にした佐伯さんの顔は暗くなる。
「ねぇ、いらないなら私にちょうだい?
私ならもっと上手にその命もその身体も使えるから。」
全身が固まり冷や汗が吹き出てくる。
心臓も身体も自分の物ではなくなるような感覚に陥ってくる。
「私の命は二十歳の時に終わった。
それにこんな身体なんて私はいらないから。」
佐伯さんはゆっくりとジャケットを脱ぎ、信じられないことにワンピースまで脱ぎ始めた。
「なに・・・?」
小さな声をぶつける私に佐伯さんはバカにしたような笑顔を浮かべ・・・。
ワンピースの下に着てきたキャミソールまで脱ぎ、ブラジャーとパンツ姿になった。
“綺麗”としか言いようがない佐伯さんの身体に息を飲み見惚れていると・・・
佐伯さんはゆっくりと私に背中を向け、長い髪の毛をかき上げた。
“ソレ”を見て、私はもっと大きく息を飲んだ。
佐伯さんの背中を見て私は息が出来なくなった。
佐伯さんの背中にはこの会議室の暗い色よりももっと深い黒があったから。
首の後ろから背中、腰に掛け・・・
深い赤黒い色で覆われていた。
さっきまで夕陽に照らされていたはずの佐伯さんの背中は、全て深い赤黒い痣で覆われてしまっていた。
その背中を私に見せ続けたままの佐伯さんが首だけを捻り私の方を振り向いた。
「私にアナタの命と身体をちょうだい?」
狂気の顔でそんなことを言われ・・・
私は、自然と頷いてしまった。
あまりの恐怖に、頷いてしまった。
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