“純”の純愛ではない“愛”の鍵

Bu-cha

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困った顔で笑っている砂川さんの口から出てきた言葉。



“付き合う女の子としかセックスはしないよ。”



その言葉を頭の中に戻す。



そしたら・・・



もっと砂川さんとエッチがしたくなってきた。



私は砂川さんとエッチがしたい。



凄く凄くエッチがしたい。



“付き合う女の子としかセックスはしないよ。”



その言葉が私の中にもう1度戻ってくる。



砂川さんは“付き合っている女の子”ではなく“付き合う女の子”としかエッチをしないらしい。



それが分かりもっと砂川さんとエッチがしたくなっていた時・・・



砂川さんが1人掛けのソファーの向こう側から私の方に歩いてきた。
それに凄くドキドキとしてしまう。
こんなの、凄く凄くドキドキとしてしまう。



砂川さんのことを見上げていると、砂川さんは手に持っていたスーツのジャケットを私の身体にフワッと戻してきて。



優しい顔で笑いながら私のことを見下ろした。



「俺は園江さんの性欲処理の相手にはなれない。
もうすっかり下半身は縮んだから。」



その言葉を聞き、私は慌てて口を開く。



開こうとした。



でも私よりも早く砂川さんが声を出してきて。



「次は俺の所に戻ってきたらダメだよ。」



ハッキリとした口調でそう言われ、それには焦りながら口にする。



「また私が砂川さんのモノを大きくします。」



「結構です。
俺はそういう欲は全くないから。」



「でもさっきは大きくなってたんですよね?」



「セフレとか俺が知らない世界の話だったからだろうね。
でもご覧の通り今はもう何でもない。
そういう欲は全て消え去った。」



砂川さんの下半身を見てみると確かに普通の感じに見える。



私の視線から逃れるように砂川さんの足は1歩どころか何歩も下がっていき、また1人掛けのソファーの向こう側へと戻った。



それによりどんどん冷たくなっていく身体を砂川さんからまた掛けられたスーツのジャケットの上から抱き締める。



「スーツの皺、気にしなくていいから。
月曜日に返して。」



「私とエッチをしてくれたら返します。」



「それならそのジャケットはもういらない。」



そこまで言われてしまった。



そこまで拒絶されてしまった。



でも・・・



凍えている身体を必死に抱き締めながらもう1度口にする。



「砂川さん、私エッチがしたい。」



必死に笑顔を作る。



私は砂川さんとどうしてもエッチがしたい。



凄く凄く、凄く凄くエッチがしたい。



“付き合う女の子としかセックスはしないよ。”



砂川さんの言葉が私の中にまた戻ってくる。



“私が砂川さんの“付き合う女の子”になりたい”



その言葉は飲み込む。



何度も何度も飲み込む。



私は砂川さんから本当の意味で女の子だと思われていないことを知ってしまったから。
だからその言葉は何の意味も持たない言葉になってしまう。



“出会ってからまだ2回しか会っていないけど、私は砂川さんことが男の人として好きになりました。”



そんな恥ずかしい台詞は飲み込む必要がないくらい、私のこの口から出てくることはない。



私は女ではなく男なのだと思う。



やっぱり、私は普通の女ではなかった。



砂川さんにとっても私は“普通”の女の子ではなかった。



それが分かったけれどもう1度言った私に、砂川さんはまた困った顔で笑った。



「若いけど凄い営業の子だから分かってるよね?
もう引き際だよ?」



「分かっているけど攻めました。
ダメ元で攻めた結果、もしかしたら入るかもしれないから。」



「うん、営業としては悪くないかもね。」



財務部にいる砂川さんが頷き、1人掛けのソファーの向こう側から続ける。



「でもこれは営業でも何でもない。
だから園江さんの提案には全く興味は持てない。」



困った顔でもなく優しい顔でもなく、真面目な顔でそう言われた。



そう“終わり”にされた。



私の生まれて初めての“恋”はたったの2日で終った。



これが“恋”なのだと気付いてからは1分もないような時間だった。



「何で泣いてるの?」



砂川さんから聞かれ自分が泣いていることにも気付いた。



驚いた顔をしている砂川さんの顔から逃げるように両手で自分の顔を隠す。



「園江さんの性欲処理の相手になれなくてごめんね。」



「いつものことなので大丈夫です・・・。
こんなの・・・こんなの慣れているので大丈夫です・・・。」



「俺は園江さんに付き合えなかったけど園江さんは“普通”の女の子だから大丈夫だよ。
俺だけじゃなくて他にも園江さんのことを“普通”の女の子だと認識する男はきっといるよ。」



それには思わず笑ってしまう。



笑ってしまったからかこの両手が顔から離れ、最後に砂川さんにきちんと説明をする。



「砂川さんは私のことを“普通”の女の子だなんて思っていませんよ。
私が身に纏っている物から“普通の女の子”だと認識しているだけで、本当の意味で私のことを“普通”の女の子だと認識しているわけじゃありません。」



そう説明をしてから、泣いた。



普通に泣くどころか号泣をした。



でも必死に謝罪はする。



「砂川さん・・・っオカマは嫌いなのに、すみませんでした・・・っ。
変なことを言ってすみませんでした・・・っ。
気持ち悪いことを言って・・・私、気持ち悪かったですよね・・・っ。」



氷ってしまった身体を自分自身で抱き締める。
砂川さんから抱き締めて貰える未来なんてなかったこの身体を自分自身で必死に抱き締める。



「今日私と会ったことは忘れてください・・・。
私も忘れますから砂川さんも忘れてください・・・。
私は今日砂川さんには会わなかった・・・。
砂川さんに助けて貰わなかった・・・。
砂川さんの家にも来なかった・・・。
砂川さんとは何にもなかった・・・。
何にも・・・何にもなかった・・・。」



自分自身に言い聞かせるように砂川さんにお願いをする。



「忘れてください・・・お願いします・・・。」



号泣しながら必死にお願いをする私に、砂川さんは私の顔をジッと見詰めながら小さくだけど頷いてくれた。









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