118 / 166
8
8-3
しおりを挟む
砂川さんにそう言われてしまったことにはショックを受ける。
でも、それ以上に・・・
「相川さん、笑いたいなら笑って良いですから。」
テーブルに突っ伏してまで笑いを堪えている相川さんにそう声を掛けると、砂川さんはそのままの態勢で爆笑し始めた。
「砂川さん、それはないっすよ・・・!!
そこは“うん”くらい言っておきましょうよ!!」
爆笑しながらもそう言って、爆笑したまま顔を上げた。
「“財務部の砂川さん”といったら、“あの砂川さん”ですよね!」
“そういう人”である砂川さんのことを相川さんまで知っているらしい。
「ここの財閥の分家のオッサンが俺に何度も言ってきたんだよ。
“そんなに文句が言いたいなら財務部にいる砂川くらいの家に生まれて来るんだったな!”って。」
楽しそうな顔で笑う相川さんは砂川さんのことを観察しているような目になった。
「砂川さんもあのオッサン連中に文句を言いまくってたらしいですね!!
大地主の家の息子だとあのオッサン連中のことも黙らせることが出来ましたか!!」
「俺は文句など言っていない。
至極当然のことを言っただけ。」
「うける・・・!!!」
爆笑しながら砂川さんのことを指差し、私に向かって爆笑してきた相川さんのことについて口にする。
「相川さんだって相川薬品の分家の人じゃん。
秘密にしてないで言っちゃえば良かったのに。」
「そうなんですか?相川薬品の・・・。
ですがあそこは世襲制を終わらせ外部の方が代表に就任しましたからね。
ここの財閥の分家の人間達にはそれがバカなことに見えるでしょうし、言ったところで攻撃の材料を増やすだけになりそうですね。」
「え、そうなんですか?
相川さんの報告書に勝手に書いちゃった、すみません。」
「隠してたわけではないから別に良い。
俺は自分自身が相川薬品の家の人間だということを海の向こうに行ってからすっかり忘れてただけ。」
相川さんが楽しそうに笑い続けたままそう言って、私のざる蕎麦に視線を移した。
「純!!交換とまでは言わないから一口だけでも食わせて!!!」
「残りを全部あげますよ。
よかれと思って報告書に相川薬品のことを記載しましたけど、結果的に余計なことになってしまったと思いますので。」
「お前マジで良い奴だよ!!!
色々ありがとな!!!」
砂川さんもいるからか“色々”と濁した相川さんにざる蕎麦を渡し、私も自然と笑い返した。
そんな私に相川さんは優しい笑顔を向けてくれる。
「疲れたらいつでも俺の所に遊びに来いよ。」
「いいんですか?」
「仕事終わりでも土日にフラッとでも、疲れた時はいつでも遊びに来い。
財布とスマホだけあれば良いように俺の家に泊まれる準備をしておいてやるから。」
「彼女さんは大丈夫なんですか?」
「確かに・・・。
俺の彼女、純と会ったらどうなるか・・・。
お前って日本人の女限定で惚れさせるの?」
「さあ、どうでしょう。
相川さんの家に遊びに行った時にそれが分かりますね、凄く楽しみです。」
写真で見せて貰った相川さんの彼女さんは白人の金髪美女。
向こうの大学で一緒だったらしく、日本に戻る相川さんについてきてしまったくらいに相川さんのことが大好きなのだと分かる。
「やっぱり今の発言は取り消す!!
俺がこっちに戻ってきた時にお前に連絡するから!!」
「え~、遊びに行かせてくださいよ!
私って頑張り屋なのでよく疲れちゃうもん。」
「いやいやいや、純は疲れ知らずなはずだって!!
お前ならマジで大丈夫だって!!」
砂川さんから昼ご飯に誘われた時はどうなるかと思ったけれど、相川さんのお陰で楽しい昼休みの時間を過ごすことが出来た。
「純、元気でな。」
「うん、相川さんも。」
出会ってたった数日で友達になれた私達。
相川さんがいなくなってしまうのは“寂しい”と思うのに、それを口に出来るほど私は女の子ではなかった。
でも、それ以上に・・・
「相川さん、笑いたいなら笑って良いですから。」
テーブルに突っ伏してまで笑いを堪えている相川さんにそう声を掛けると、砂川さんはそのままの態勢で爆笑し始めた。
「砂川さん、それはないっすよ・・・!!
そこは“うん”くらい言っておきましょうよ!!」
爆笑しながらもそう言って、爆笑したまま顔を上げた。
「“財務部の砂川さん”といったら、“あの砂川さん”ですよね!」
“そういう人”である砂川さんのことを相川さんまで知っているらしい。
「ここの財閥の分家のオッサンが俺に何度も言ってきたんだよ。
“そんなに文句が言いたいなら財務部にいる砂川くらいの家に生まれて来るんだったな!”って。」
楽しそうな顔で笑う相川さんは砂川さんのことを観察しているような目になった。
「砂川さんもあのオッサン連中に文句を言いまくってたらしいですね!!
大地主の家の息子だとあのオッサン連中のことも黙らせることが出来ましたか!!」
「俺は文句など言っていない。
至極当然のことを言っただけ。」
「うける・・・!!!」
爆笑しながら砂川さんのことを指差し、私に向かって爆笑してきた相川さんのことについて口にする。
「相川さんだって相川薬品の分家の人じゃん。
秘密にしてないで言っちゃえば良かったのに。」
「そうなんですか?相川薬品の・・・。
ですがあそこは世襲制を終わらせ外部の方が代表に就任しましたからね。
ここの財閥の分家の人間達にはそれがバカなことに見えるでしょうし、言ったところで攻撃の材料を増やすだけになりそうですね。」
「え、そうなんですか?
相川さんの報告書に勝手に書いちゃった、すみません。」
「隠してたわけではないから別に良い。
俺は自分自身が相川薬品の家の人間だということを海の向こうに行ってからすっかり忘れてただけ。」
相川さんが楽しそうに笑い続けたままそう言って、私のざる蕎麦に視線を移した。
「純!!交換とまでは言わないから一口だけでも食わせて!!!」
「残りを全部あげますよ。
よかれと思って報告書に相川薬品のことを記載しましたけど、結果的に余計なことになってしまったと思いますので。」
「お前マジで良い奴だよ!!!
色々ありがとな!!!」
砂川さんもいるからか“色々”と濁した相川さんにざる蕎麦を渡し、私も自然と笑い返した。
そんな私に相川さんは優しい笑顔を向けてくれる。
「疲れたらいつでも俺の所に遊びに来いよ。」
「いいんですか?」
「仕事終わりでも土日にフラッとでも、疲れた時はいつでも遊びに来い。
財布とスマホだけあれば良いように俺の家に泊まれる準備をしておいてやるから。」
「彼女さんは大丈夫なんですか?」
「確かに・・・。
俺の彼女、純と会ったらどうなるか・・・。
お前って日本人の女限定で惚れさせるの?」
「さあ、どうでしょう。
相川さんの家に遊びに行った時にそれが分かりますね、凄く楽しみです。」
写真で見せて貰った相川さんの彼女さんは白人の金髪美女。
向こうの大学で一緒だったらしく、日本に戻る相川さんについてきてしまったくらいに相川さんのことが大好きなのだと分かる。
「やっぱり今の発言は取り消す!!
俺がこっちに戻ってきた時にお前に連絡するから!!」
「え~、遊びに行かせてくださいよ!
私って頑張り屋なのでよく疲れちゃうもん。」
「いやいやいや、純は疲れ知らずなはずだって!!
お前ならマジで大丈夫だって!!」
砂川さんから昼ご飯に誘われた時はどうなるかと思ったけれど、相川さんのお陰で楽しい昼休みの時間を過ごすことが出来た。
「純、元気でな。」
「うん、相川さんも。」
出会ってたった数日で友達になれた私達。
相川さんがいなくなってしまうのは“寂しい”と思うのに、それを口に出来るほど私は女の子ではなかった。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる