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そう言われて私は自分の瞼に触れた。



「アイテープしてるんだよね。
鏡・・・あ、鞄を生徒会室に置いたままだ。」



「美術室に何か用だった?」



「他に作業があったから1人で残ってて帰ろうとしてただけ。
そしたら・・・」



また泣けてきて泣きながらキャンバスの中にいるニャンを見て口から自然に声が出てきてしまった。



「ニャンがいたの・・・。
ニャンがいたから・・・走って追い掛けてきたの・・・!!」



号泣しながらキャンバスの中にいるニャンの頭に触れた。
小さな頃は触ろうとすると避けられていたので、大きくなってからは触ろうとしたこともなかった。



「触れる・・・ニャンに触れる・・・!!」



泣きながらそう言ったら・・・



「俺が国光さんの家のネコを描き終わったから見に来いって呼びに行ったのかもな。」



変なことを言ってしまったのに優しい顔でそう言ってくれ、それにまた号泣した。
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