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ニャンの好きな女の子がいなくなってしまったことが重大過ぎて、ニャンからそれを言われたことをすっかり忘れていた。



「そういえばそんなことを言ってたね。
好きな女の子がいなくなって寂しくなってたの?」



「それもあるし、仕事のこともあって・・・。
好きな女の子がいなくなってから俺は絵が描けなくなったから。」



「それは人気画家の須崎先生にとっては一大事だったね。」



「・・・なんかその言い方バカにしてるだろ?」



「してないよ!!
好きな女の子に振り回されてるニャンに結構ビックリしただけ!!
描けなくなるとかよっぽどじゃない?」



「よっぽどだよ!!
マジでめちゃくちゃ好きだったんだよ!!」



ニャンが凄く怒りながら私に言ってきて、私の顔をジッと見詰めてくる。



「この前はカヤにお願いするしかないと思ってセックスして欲しいって言ったけど・・・」



言葉を切り熱を込めた目で私のことを見て・・・



「カヤの顔面というキャンバスに描いたっていう俺の母さんが描いた絵・・・。
今日は母さん本人の絵ではなくてカヤが描いた絵だけど魂が揺さぶられてヤバい。
めちゃくちゃ魂が込められてる。
大人の綺麗な女になろうとしたカヤの魂が信じられないくらい込められてる。」



そう言って右手を私の顔に伸ばしてきて・・・



私の瞼に指先を少しだけ触れた。



「カヤとセックスがしたくて仕方ない。」



そう言われ・・・



「カヤのその顔がめちゃくちゃタイプだからセックスしたい。」 



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