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その言葉に俺は固まり、震えてきた口を必死に動かした。
「デートって・・・?
父さんと母さんが・・・?」
「こっちもそうだったけど、向こうもデート中で!!」
「向こうも・・・?」
「イチャイチャしながら2人でアイスを食べてた!!
良い男を掴まえたよあの子は!!
見た目も良くて勉強も仕事も出来る、そのうえ偉くもある男!!」
「そうなんだ・・・。」
「あの神社の娘がどうした?」
「何でもない。」
俺は父さんに笑い掛け、玄関まで見送った。
玄関の扉が閉まった後もその場から動けなかった。
気付いた時には右手が痛くて、見てみると俺の手の中にはグシャグシャになった名刺が入っていた。
随分と強い力で握り締めていたらしい。
その名刺を少しだけ伸ばしスマホで電話を掛けた。
無機質な音が少し鳴った後に低い男の声が聞こえた。
その声を聞きながらリビングまで歩き、話ながらも壁にいるカヤの顔に近付く。
どんどん近付く・・・。
そして、初めてこのカヤの唇に自分の唇を付けた・・・。
ここにいる・・・。
俺のカヤはここにいる・・・。
俺の大好きなカヤはここにいてくれるからいい・・・。
それでいい・・・。
このステンドグラス世界の中では、カヤに会える。
“明日”もカヤに会える・・・。
だからもうそれでいい・・・。
「デートって・・・?
父さんと母さんが・・・?」
「こっちもそうだったけど、向こうもデート中で!!」
「向こうも・・・?」
「イチャイチャしながら2人でアイスを食べてた!!
良い男を掴まえたよあの子は!!
見た目も良くて勉強も仕事も出来る、そのうえ偉くもある男!!」
「そうなんだ・・・。」
「あの神社の娘がどうした?」
「何でもない。」
俺は父さんに笑い掛け、玄関まで見送った。
玄関の扉が閉まった後もその場から動けなかった。
気付いた時には右手が痛くて、見てみると俺の手の中にはグシャグシャになった名刺が入っていた。
随分と強い力で握り締めていたらしい。
その名刺を少しだけ伸ばしスマホで電話を掛けた。
無機質な音が少し鳴った後に低い男の声が聞こえた。
その声を聞きながらリビングまで歩き、話ながらも壁にいるカヤの顔に近付く。
どんどん近付く・・・。
そして、初めてこのカヤの唇に自分の唇を付けた・・・。
ここにいる・・・。
俺のカヤはここにいる・・・。
俺の大好きなカヤはここにいてくれるからいい・・・。
それでいい・・・。
このステンドグラス世界の中では、カヤに会える。
“明日”もカヤに会える・・・。
だからもうそれでいい・・・。
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