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そう思っていた・・・。
本当にそう思っていたのに・・・。
いつものようにカヤを描いていたら601号室の部屋に新之助が入ってきた。
俺の幼馴染みの中で1番面倒見の良い新之助に母さんが合鍵を渡していたから。
「ビビッた~・・・合鍵を使うなんて初めてだろ。」
「スマホもインターフォンも反応がなかったからな。」
「絵を描いてる時は気付けねーから。
何かあった?」
俺が聞くと新之助が壁にいるカヤをジッと見詰めた。
「この子って本当に誰なんだよ?
夏夜が告ったけどダメだった子?」
新之助は色んなことに深く突っ込んでこない奴なのに、今日はそんなことを初めて聞いてきた。
「その子だな。」
「お前のお母さんになんとなく似てるしな、タイプだったのか。」
それには黙っていると新之助が続けてきた。
「この子と会いたい?」
そう聞かれ、俺は答える。
「会えてる。
今この瞬間にも会えてる。
セックスだって出来てる。」
「セックスも・・・?」
「1回だけ本当にしたセックスでは俺早すぎて全然ダメだったけど、今ではちゃんと満足させられてる。」
「夏夜・・・。」
「うん、妄想・・・。
妄想はタダだからな、それに言わない限りは絶対にバレない。」
そう言ってから新之助を見上げた。
「アイス食べ放題の券は俺が勝ち取って渡した。
俺だってアイスを食べる姿くらい見たことがある。」
目の前のキャンバスの中で嬉しそうにアイスを食べているカヤの姿に視線を戻す。
学校の中でだけど、俺の目の前でカヤはアイスを食べていた。
嬉しそうに、幸せそうに食べていた。
「セックスだってした。
1回だけだけど、俺だってセックスをした。」
「夏夜、少し外に出るぞ。
夏休みに入ってから美術部以外は籠りっきりだろ?
男どもに声を掛けてあるから飲みに行くぞ、着替えろ。」
新之助が無理矢理俺を立たせ、ステンドグラスの世界から引きずり出してきた。
そしたら、会った・・・。
会ってしまった・・・。
外の世界でカヤと会ってしまった・・・。
本当にそう思っていたのに・・・。
いつものようにカヤを描いていたら601号室の部屋に新之助が入ってきた。
俺の幼馴染みの中で1番面倒見の良い新之助に母さんが合鍵を渡していたから。
「ビビッた~・・・合鍵を使うなんて初めてだろ。」
「スマホもインターフォンも反応がなかったからな。」
「絵を描いてる時は気付けねーから。
何かあった?」
俺が聞くと新之助が壁にいるカヤをジッと見詰めた。
「この子って本当に誰なんだよ?
夏夜が告ったけどダメだった子?」
新之助は色んなことに深く突っ込んでこない奴なのに、今日はそんなことを初めて聞いてきた。
「その子だな。」
「お前のお母さんになんとなく似てるしな、タイプだったのか。」
それには黙っていると新之助が続けてきた。
「この子と会いたい?」
そう聞かれ、俺は答える。
「会えてる。
今この瞬間にも会えてる。
セックスだって出来てる。」
「セックスも・・・?」
「1回だけ本当にしたセックスでは俺早すぎて全然ダメだったけど、今ではちゃんと満足させられてる。」
「夏夜・・・。」
「うん、妄想・・・。
妄想はタダだからな、それに言わない限りは絶対にバレない。」
そう言ってから新之助を見上げた。
「アイス食べ放題の券は俺が勝ち取って渡した。
俺だってアイスを食べる姿くらい見たことがある。」
目の前のキャンバスの中で嬉しそうにアイスを食べているカヤの姿に視線を戻す。
学校の中でだけど、俺の目の前でカヤはアイスを食べていた。
嬉しそうに、幸せそうに食べていた。
「セックスだってした。
1回だけだけど、俺だってセックスをした。」
「夏夜、少し外に出るぞ。
夏休みに入ってから美術部以外は籠りっきりだろ?
男どもに声を掛けてあるから飲みに行くぞ、着替えろ。」
新之助が無理矢理俺を立たせ、ステンドグラスの世界から引きずり出してきた。
そしたら、会った・・・。
会ってしまった・・・。
外の世界でカヤと会ってしまった・・・。
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