182 / 193
13
13-11
しおりを挟む
あの“夏の夜”のセックスは、俺を画家にする為なんかじゃなかった。
ただ“カヤ”がしたかったのだと思う、してみたかったのだと思う。
“朝”とは出来ないようだから・・・。
“朝”の代わりに俺としたのだと思う・・・。
『お前・・・その顔とその身体でセックス1回しかしたことねーの・・・?』
電話の向こうにいる父さんの驚いている顔まで見えてきた。
それには小さく笑ってしまう。
『俺がお前なら毎日日替わりで女の子達とやりまくってるぞ!?』
「本当に好きな女の子と覚悟を決めたセックスはどうしたんだよ!?」
『そうだった・・・!!』
「なんだよそれ・・・。
なんなんだよ、それ・・・。
俺は本当に好きな女の子と、ちゃんと覚悟を決めたセックスをしたのに・・・。
向こうは全然違った・・・全然そんなのなかった・・・。」
『もしかしてそれで絵が描けなくなったのか!?
“天使”だと思ってたら“天使”じゃなかったのを知って!!』
「うん・・・。」
『バカだな~、天使なんているわけねーだろ!!
女なんてみんな悪魔だ、悪魔!!』
「確かに悪魔だな・・・!!」
思わず大きく笑いそう言った。
「でも、母さんのことを天使とか言ってるだろ。」
『お母さんは天使だろ!!
お母さんだけは天使なんだよ!!』
「なんだよそれ。」
笑いながら夏の夜の空を見上げた。
真っ黒な空、夜なのに雲1つないのが分かる。
強い風が俺の身体を吹き抜けて、そのお陰か少しだけ心臓の痛みが抜けていったように思う。
『神社で願ってきてやるから安心しろ!!
夏夜がまたセックス出来るように!!』
「そこは絵がまた描けるように願ってこいよ!!」
爆笑しながら突っ込み、俺は父さんに聞きた。
「神社の娘、アイス屋でデートをしてた神社の娘って長女?」
『いや、次女の方!!美鼓ちゃん!!』
“それが長女だよ”
その言葉を飲み込んでいると、父さんが続けた。
『増田財閥の御曹司と付き合ってるんだよ!!
“ゆきのうえ商店街”出身の奴!!
そいつが国光さんの家でお世話になってる!!』
「そうなんだ。
女はみんなそういうのが好きなんだろうな。
俺なんて絵を描いてるだけだし。
それは2回目のセックスも出来ないわけだよ。」
『いつまで過去に囚われてるんだよ!!
そんなんだから2回目のセックスが出来ないんだろ、バーカ!!!』
そんな言葉にはまた爆笑してしまった。
『3回でも4回でも100万回でも頼んでみろよ!!
この世界の全てのことは弱肉強食だからな!!
強い男になれ、夏夜!!
“天使”なんていなくても絵を描けるような強い男になれ!!』
ただ“カヤ”がしたかったのだと思う、してみたかったのだと思う。
“朝”とは出来ないようだから・・・。
“朝”の代わりに俺としたのだと思う・・・。
『お前・・・その顔とその身体でセックス1回しかしたことねーの・・・?』
電話の向こうにいる父さんの驚いている顔まで見えてきた。
それには小さく笑ってしまう。
『俺がお前なら毎日日替わりで女の子達とやりまくってるぞ!?』
「本当に好きな女の子と覚悟を決めたセックスはどうしたんだよ!?」
『そうだった・・・!!』
「なんだよそれ・・・。
なんなんだよ、それ・・・。
俺は本当に好きな女の子と、ちゃんと覚悟を決めたセックスをしたのに・・・。
向こうは全然違った・・・全然そんなのなかった・・・。」
『もしかしてそれで絵が描けなくなったのか!?
“天使”だと思ってたら“天使”じゃなかったのを知って!!』
「うん・・・。」
『バカだな~、天使なんているわけねーだろ!!
女なんてみんな悪魔だ、悪魔!!』
「確かに悪魔だな・・・!!」
思わず大きく笑いそう言った。
「でも、母さんのことを天使とか言ってるだろ。」
『お母さんは天使だろ!!
お母さんだけは天使なんだよ!!』
「なんだよそれ。」
笑いながら夏の夜の空を見上げた。
真っ黒な空、夜なのに雲1つないのが分かる。
強い風が俺の身体を吹き抜けて、そのお陰か少しだけ心臓の痛みが抜けていったように思う。
『神社で願ってきてやるから安心しろ!!
夏夜がまたセックス出来るように!!』
「そこは絵がまた描けるように願ってこいよ!!」
爆笑しながら突っ込み、俺は父さんに聞きた。
「神社の娘、アイス屋でデートをしてた神社の娘って長女?」
『いや、次女の方!!美鼓ちゃん!!』
“それが長女だよ”
その言葉を飲み込んでいると、父さんが続けた。
『増田財閥の御曹司と付き合ってるんだよ!!
“ゆきのうえ商店街”出身の奴!!
そいつが国光さんの家でお世話になってる!!』
「そうなんだ。
女はみんなそういうのが好きなんだろうな。
俺なんて絵を描いてるだけだし。
それは2回目のセックスも出来ないわけだよ。」
『いつまで過去に囚われてるんだよ!!
そんなんだから2回目のセックスが出来ないんだろ、バーカ!!!』
そんな言葉にはまた爆笑してしまった。
『3回でも4回でも100万回でも頼んでみろよ!!
この世界の全てのことは弱肉強食だからな!!
強い男になれ、夏夜!!
“天使”なんていなくても絵を描けるような強い男になれ!!』
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる