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言われてみれば女王様みたいな顔をしている女だった。
でも、優しそうな雰囲気の女で・・・。
瞳がそんなことを言ってしまいどうしようかと思っていたら・・・
瞳が慌てるようにその“女王様”の方に走っていく。
「あの・・・!!
ここは危ないので、すぐに出てください・・・!!」
そんなことを必死に“女王様”に言っていて、男3人でポカンとしていると・・・
女王様だけは笑いながら瞳に言った。
「ここ、危ない雰囲気する?」
「雰囲気ではなくて、本当に危ないです・・・!!
早く・・・早く、出た方がいいです!!」
「何が危ないんだろう?」
“女王様”が優しい声でそう言うと、瞳は少しだけ悩み・・・“女王様”に何かを耳打ちした。
そしたら・・・
“女王様”が笑った。
ただ笑っただけではなく、大笑いをした。
男3人でその様子を見ていると、大笑いする“女王様”をそれでも真剣な顔で見下ろす瞳・・・。
そんな瞳を“女王様”が優しい顔で見上げた後に、またこっちを振り向いた。
「秘書のあなた、私のストーカーだったの?」
そんなことを面白そうな顔で笑いながら、言った。
「本人にそんなことを言ったらダメですよ・・・!!」
瞳が慌てて“女王様”と秘書を交互に見ている。
俺はなんだか面白くなってきた。
久しぶりに・・・面白くなってきた。
「あんた、ストーカーなのかよ。
そんな優しい顔しておっかねーな!!」
俺も瞳に便乗すると秘書が困惑して俺を見てから、また少し考えた後に瞳と“女王様”の方を見た。
「でも・・・それは考えられないしな・・・。」
そんなことを小声で呟き、勉の方を見た。
勉は完全に何も分かっていない顔をして、やっぱり金持ちのボンボンだなと思った。
あの男を殺したら死ぬつもりだけど、それを実行できそうなのはこの良い奴のお陰なので勉にも協力してやることにした。
「あいつ、“アヤメ”と“剛士”を結び付けた女だぞ?」
俺が小さな声で勉と秘書だけに聞こえるように言うと、2人が驚いた顔で俺を見た。
この金持ちボンボン2人に笑いながら言う。
「それもどっちも1回しか会ってない。
カフェのカウンターで、1回だけ。」
「カフェのカウンターで・・・。」
「あんたはカフェに行ってたのかよ?」
秘書に聞くと秘書は首を横に振った。
「仕事であのカフェを毎日少しだけ外から覗いた。
でも、気配は消していたし視線も何気なく見ていただけ。」
「あいつの“瞳”、なんかあるぞ。」
まだ必死に女王様に言っている瞳を笑いながら見る。
カフェにいる時よりは普通の女だけど、秘書の忍者がストーカーだと思うくらい忍者を認識していたことになる。
「あいつに高級珈琲出してやって?」
秘書の忍者にそう言うと、面白そうな顔で頷いた。
勉だけはまだピンっときていない顔をしていて、どうしようもない金持ちのボンボンだと思った。
俺が瞳と女王様の方に歩いていき、瞳の腕を少し引きながらソファーに座らせた。
瞳は少し抵抗していたけど、俺と女王様を交互に見た後に大人しく座った。
「あの男はストーカーじゃなくて、忍者だったらしい。」
「え・・・!!?」
瞳が驚いた声を上げると女王様が笑いを堪えながら頷いている。
「よく忍者も見付けたな。」
「だって、毎日女王様を見ていたし・・・。」
「女王様はカフェの常連だったのか?」
「はい・・・。
昔、何度かヘルプであの店舗に行った時にいて・・・。
よく男の人と勉強をしていて・・・。
1人でも勉強をしていて・・・。
とても、美しい女の人だなと思って・・・。
前の店舗からあの店舗に変えてもらって、それからは毎日のように女王様を見ていました・・・。」
「それ・・・お前の方がストーカーじゃねーか!!」
「・・・私だけじゃないです。
店内にいた多くのお客様は皆さん女王様を見に来ていて。
皆さん微笑ましく見ていたのに、あの男性の目だけは恐くて・・・。」
「忍者の任務中だったからな!!」
俺がそう言うと、瞳はまた驚いた顔をして・・・女王様は笑いを堪えた顔をしていた。
俺達が話していると、秘書の忍者が高級珈琲を4つ持ってきてローテーブルに置いた。
そして、金持ちのボンボンの勉が女王様の隣に座った。
まだピンっときていない顔をしていて、それには少しイライラとした。
「で、お前は女王様のこともあの忍者のことも覚えてたんだよな?」
「はい・・・。」
「いい加減認めろ、こいつ入社させた方がいい。」
「え・・・!!?」
瞳が驚きながら俺を見て、瞬きをした。
こんな時でも処女の顔で瞬きをした。
「でも、新卒も中途も採用担当を新しく入れたしね。
またよく見られる子を入れるのもな。」
「あんた、本当に金持ちのボンボン過ぎだろ。
全然分かってねーな。
働く人にとって何が1番大切かを。
何だと思ってる?」
「働く理由かな・・・。」
そんな答えに大笑いをしてしまった。
金持ちのボンボンの答えを知れて逆に俺も勉強になった。
「お前、あんなに俺を呼び出して話を聞いてたのに何聞いてたんだよ。
“健康”だろ、“健康”!!!
“健康”が働く人にとって1番大切なんだよ!!!」
「健康か・・・。
健康診断は毎年受けさせるようにしているよ。」
「それだけが健康じゃねーだろ?な?」
真剣な顔で俺を見ている女王様に聞いた。
あと、向こうでも真面目な顔をしている忍者にも。
その2人の顔を確認してから勉を見た。
きっと、こいつは強い男なのだと思う。
金持ちで優秀なうえに心まで強い男なのだと思う。
そんな極上中の極上に良い男が将来の社長になる。
この会社はきっともっとデカくなる。
でも、だからこそ分からなくなることもある。
流れにくくなっている血液に。
詰まっている血管に。
どんなに新鮮な血を輸血出来ても、他の血がドロドロでは新鮮な血も巡らなくなる。
良い奴でもある勉に教えてやった。
「身体だけでなく、心の健康も揃って初めて、“健康”って言うんだよ。」
でも、優しそうな雰囲気の女で・・・。
瞳がそんなことを言ってしまいどうしようかと思っていたら・・・
瞳が慌てるようにその“女王様”の方に走っていく。
「あの・・・!!
ここは危ないので、すぐに出てください・・・!!」
そんなことを必死に“女王様”に言っていて、男3人でポカンとしていると・・・
女王様だけは笑いながら瞳に言った。
「ここ、危ない雰囲気する?」
「雰囲気ではなくて、本当に危ないです・・・!!
早く・・・早く、出た方がいいです!!」
「何が危ないんだろう?」
“女王様”が優しい声でそう言うと、瞳は少しだけ悩み・・・“女王様”に何かを耳打ちした。
そしたら・・・
“女王様”が笑った。
ただ笑っただけではなく、大笑いをした。
男3人でその様子を見ていると、大笑いする“女王様”をそれでも真剣な顔で見下ろす瞳・・・。
そんな瞳を“女王様”が優しい顔で見上げた後に、またこっちを振り向いた。
「秘書のあなた、私のストーカーだったの?」
そんなことを面白そうな顔で笑いながら、言った。
「本人にそんなことを言ったらダメですよ・・・!!」
瞳が慌てて“女王様”と秘書を交互に見ている。
俺はなんだか面白くなってきた。
久しぶりに・・・面白くなってきた。
「あんた、ストーカーなのかよ。
そんな優しい顔しておっかねーな!!」
俺も瞳に便乗すると秘書が困惑して俺を見てから、また少し考えた後に瞳と“女王様”の方を見た。
「でも・・・それは考えられないしな・・・。」
そんなことを小声で呟き、勉の方を見た。
勉は完全に何も分かっていない顔をして、やっぱり金持ちのボンボンだなと思った。
あの男を殺したら死ぬつもりだけど、それを実行できそうなのはこの良い奴のお陰なので勉にも協力してやることにした。
「あいつ、“アヤメ”と“剛士”を結び付けた女だぞ?」
俺が小さな声で勉と秘書だけに聞こえるように言うと、2人が驚いた顔で俺を見た。
この金持ちボンボン2人に笑いながら言う。
「それもどっちも1回しか会ってない。
カフェのカウンターで、1回だけ。」
「カフェのカウンターで・・・。」
「あんたはカフェに行ってたのかよ?」
秘書に聞くと秘書は首を横に振った。
「仕事であのカフェを毎日少しだけ外から覗いた。
でも、気配は消していたし視線も何気なく見ていただけ。」
「あいつの“瞳”、なんかあるぞ。」
まだ必死に女王様に言っている瞳を笑いながら見る。
カフェにいる時よりは普通の女だけど、秘書の忍者がストーカーだと思うくらい忍者を認識していたことになる。
「あいつに高級珈琲出してやって?」
秘書の忍者にそう言うと、面白そうな顔で頷いた。
勉だけはまだピンっときていない顔をしていて、どうしようもない金持ちのボンボンだと思った。
俺が瞳と女王様の方に歩いていき、瞳の腕を少し引きながらソファーに座らせた。
瞳は少し抵抗していたけど、俺と女王様を交互に見た後に大人しく座った。
「あの男はストーカーじゃなくて、忍者だったらしい。」
「え・・・!!?」
瞳が驚いた声を上げると女王様が笑いを堪えながら頷いている。
「よく忍者も見付けたな。」
「だって、毎日女王様を見ていたし・・・。」
「女王様はカフェの常連だったのか?」
「はい・・・。
昔、何度かヘルプであの店舗に行った時にいて・・・。
よく男の人と勉強をしていて・・・。
1人でも勉強をしていて・・・。
とても、美しい女の人だなと思って・・・。
前の店舗からあの店舗に変えてもらって、それからは毎日のように女王様を見ていました・・・。」
「それ・・・お前の方がストーカーじゃねーか!!」
「・・・私だけじゃないです。
店内にいた多くのお客様は皆さん女王様を見に来ていて。
皆さん微笑ましく見ていたのに、あの男性の目だけは恐くて・・・。」
「忍者の任務中だったからな!!」
俺がそう言うと、瞳はまた驚いた顔をして・・・女王様は笑いを堪えた顔をしていた。
俺達が話していると、秘書の忍者が高級珈琲を4つ持ってきてローテーブルに置いた。
そして、金持ちのボンボンの勉が女王様の隣に座った。
まだピンっときていない顔をしていて、それには少しイライラとした。
「で、お前は女王様のこともあの忍者のことも覚えてたんだよな?」
「はい・・・。」
「いい加減認めろ、こいつ入社させた方がいい。」
「え・・・!!?」
瞳が驚きながら俺を見て、瞬きをした。
こんな時でも処女の顔で瞬きをした。
「でも、新卒も中途も採用担当を新しく入れたしね。
またよく見られる子を入れるのもな。」
「あんた、本当に金持ちのボンボン過ぎだろ。
全然分かってねーな。
働く人にとって何が1番大切かを。
何だと思ってる?」
「働く理由かな・・・。」
そんな答えに大笑いをしてしまった。
金持ちのボンボンの答えを知れて逆に俺も勉強になった。
「お前、あんなに俺を呼び出して話を聞いてたのに何聞いてたんだよ。
“健康”だろ、“健康”!!!
“健康”が働く人にとって1番大切なんだよ!!!」
「健康か・・・。
健康診断は毎年受けさせるようにしているよ。」
「それだけが健康じゃねーだろ?な?」
真剣な顔で俺を見ている女王様に聞いた。
あと、向こうでも真面目な顔をしている忍者にも。
その2人の顔を確認してから勉を見た。
きっと、こいつは強い男なのだと思う。
金持ちで優秀なうえに心まで強い男なのだと思う。
そんな極上中の極上に良い男が将来の社長になる。
この会社はきっともっとデカくなる。
でも、だからこそ分からなくなることもある。
流れにくくなっている血液に。
詰まっている血管に。
どんなに新鮮な血を輸血出来ても、他の血がドロドロでは新鮮な血も巡らなくなる。
良い奴でもある勉に教えてやった。
「身体だけでなく、心の健康も揃って初めて、“健康”って言うんだよ。」
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