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誰もいなくなった経理部で、わたしは1人数字と向き合う。
時間に追われながらも数字を合わせていくこの作業に、アドレナリンが出てくる。
大変なはずのこの時間は、わたしのすごく好きな時間でもある。




あと、少しで終わる・・・




その時・・・




カタッ────と、





わたしのデスクの端に、ブラックの缶コーヒーが置かれた。





その缶コーヒーを持つ大きな手を辿り、この人を見ていくと・・・





「青田さん・・・」





早退したはずの青田さんが、いた。






そして・・・






わたしを見下ろしながら、思いっきりの笑顔を見せる。






「お疲れ様!」
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