25 / 202
2
2-11
しおりを挟む
両目を両手で覆い、両目をキツく閉じたまま先生に言った。
小さな小さな声で言った。
先生の声は何も聞こえずすごく怖くなったけれど、すぐに声が聞こえてきた。
「じゃあ上のパジャマ着てからズボン脱いで。
素っ裸だと風邪が悪化するから。」
その言葉に小さく息を吐き出し、涙が止まった目を開けてから先生を見ることなく上のパジャマを着た。
スウェットも大きかったけれどパジャマも大きくて。
洗濯洗剤や柔軟剤の良い香りがする大きなパジャマに身を包み、先生の顔をちゃんと見ながらお願いした。
「このパジャマだと薄くて寒いです。」
「そうか・・・スウェットがもうなくてな。
上半身だけでも布団掛けておけよ。」
「それだとやりにくいだろうから。
先生・・・」
先生を見詰めながらお願いをする。
「先生が着ているスウェットを今だけ貸してください。」
先生の上半身を指差しながら言うと、先生は自分が着ているスウェットを見下ろした。
そして先生が口を開こうとしたのを見て、私はパジャマを勢い良く脱いだ。
「お願いします。」
「まあ、いいけど。
加齢臭がとか老人臭いとか悪口言うなよ?」
「言いませんよ。」
「いや、やっぱり言ってもいい。
心の中で思われてるよりは言ってくれた方が良い。」
そんな答えには思わず笑っていると、先生がバッとスウェットの上を脱いだ。
そしたら、見えた。
上半身が裸の先生の姿が・・・。
初めて見る先生のそんな姿が・・・。
完璧な顔面、完璧な髪型、そして筋肉がつき引き締まっている綺麗で完璧な身体が・・・。
そんな姿をしている先生からスウェットを渡され、私はゆっくりとそのスウェットを着た。
そしたらさっきのパジャマよりもずっと良い匂いに包まれた。
洗濯洗剤や柔軟剤や香水とも違う、とても良い香りに包み込まれた。
先生はこんな匂いをしていたらしい。
こんなにも良い香りをしていたらしい。
先生の身体にこんなに近付いたのは今日が初めてだった。
朝に体温計で熱を測った時も病院で寄り掛かっていた時も身体が辛すぎて気付かなかったけれど、先生はこんなに良い香りを出していたらしい。
そして・・・
こんなに熱い身体をしていたらしい。
先生から渡されたスウェットには先生の身体の熱が残されていた。
熱すぎるくらいに残されていた。
だからだと思う・・・。
だから私の身体はさっきよりもこんなにも熱くなっているのだと思う・・・。
「お前、良い匂いするな!!」
私が一瞬だけ着たパジャマのことをそう言ってきて、それには突っ込んでしまう。
「それは洗濯洗剤か柔軟剤でしょ!!」
笑いながらスウェットのズボンを勢い良く脱いだ。
小さな小さな声で言った。
先生の声は何も聞こえずすごく怖くなったけれど、すぐに声が聞こえてきた。
「じゃあ上のパジャマ着てからズボン脱いで。
素っ裸だと風邪が悪化するから。」
その言葉に小さく息を吐き出し、涙が止まった目を開けてから先生を見ることなく上のパジャマを着た。
スウェットも大きかったけれどパジャマも大きくて。
洗濯洗剤や柔軟剤の良い香りがする大きなパジャマに身を包み、先生の顔をちゃんと見ながらお願いした。
「このパジャマだと薄くて寒いです。」
「そうか・・・スウェットがもうなくてな。
上半身だけでも布団掛けておけよ。」
「それだとやりにくいだろうから。
先生・・・」
先生を見詰めながらお願いをする。
「先生が着ているスウェットを今だけ貸してください。」
先生の上半身を指差しながら言うと、先生は自分が着ているスウェットを見下ろした。
そして先生が口を開こうとしたのを見て、私はパジャマを勢い良く脱いだ。
「お願いします。」
「まあ、いいけど。
加齢臭がとか老人臭いとか悪口言うなよ?」
「言いませんよ。」
「いや、やっぱり言ってもいい。
心の中で思われてるよりは言ってくれた方が良い。」
そんな答えには思わず笑っていると、先生がバッとスウェットの上を脱いだ。
そしたら、見えた。
上半身が裸の先生の姿が・・・。
初めて見る先生のそんな姿が・・・。
完璧な顔面、完璧な髪型、そして筋肉がつき引き締まっている綺麗で完璧な身体が・・・。
そんな姿をしている先生からスウェットを渡され、私はゆっくりとそのスウェットを着た。
そしたらさっきのパジャマよりもずっと良い匂いに包まれた。
洗濯洗剤や柔軟剤や香水とも違う、とても良い香りに包み込まれた。
先生はこんな匂いをしていたらしい。
こんなにも良い香りをしていたらしい。
先生の身体にこんなに近付いたのは今日が初めてだった。
朝に体温計で熱を測った時も病院で寄り掛かっていた時も身体が辛すぎて気付かなかったけれど、先生はこんなに良い香りを出していたらしい。
そして・・・
こんなに熱い身体をしていたらしい。
先生から渡されたスウェットには先生の身体の熱が残されていた。
熱すぎるくらいに残されていた。
だからだと思う・・・。
だから私の身体はさっきよりもこんなにも熱くなっているのだと思う・・・。
「お前、良い匂いするな!!」
私が一瞬だけ着たパジャマのことをそう言ってきて、それには突っ込んでしまう。
「それは洗濯洗剤か柔軟剤でしょ!!」
笑いながらスウェットのズボンを勢い良く脱いだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
18
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる