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「面倒臭いとか言うなよ!!
お前の前での俺はそう言われても仕方ない姿だって分かってはいるけど、俺の悪口言うなよ・・・!!」
「分かったよ、うるさ・・・くないから!!
こんな早朝からどうしたの?」
「やっぱり嫌だったから来たんだよ!!
もう遅いのは分かってるしどうしようもないことも分かってるけど、止められずにはいられないから来たんだよ!!
34になったオッサンが、一睡も出来なかったからいつもの寝起きよりも酷い姿のオッサンが・・・!!
朝1番のこの時間に、いてもたってもいられなくなったからこの姿のまま走ってきたんだよ・・・!!」
「うん、その姿の方が朝人っぽくていいよ?」
「・・・俺っぽいって何だよ!?
どうせお前にとって俺はずっとオッサンだよ・・・!!
再会出来てからは少しでもオッサンに見えないようにちゃんとした格好してから会いに来てたのに・・・!!
年の割には若く見えるように・・・!!
年の割には格好良く見えるように・・・!!」
「待って、ちょっと落ち着いてよ。
何が言いたいのかよく分からないから落ち着いてから話してよ。
とりあえず、私のことが好きっていうことなんだよね?」
「・・・うるせーよ!!!」
昨日と同じくまたこう返されてしまった。
それには思わず笑っていると、朝人が怒り続けた顔のまま向かい側に座る私のことを睨んできた。
「明日、土曜だけど何か予定は?」
「ないけど。」
「じゃあ、俺と・・・」
朝人が苦しそうに言葉を出し、それからちゃぶ台に項垂れた。
「俺と・・・デートしない・・・?
デートの練習じゃなくて・・・。
俺が色んな物を食えるようになる為の練習の外食でもなくて・・・。
普通に・・・普通に、俺とデートして・・・。
明日はこの前行けなかった夢の国連れて行くから・・・。
だから気合い入れた格好で・・・俺とだけど、気合い入れた格好で・・・明日、デートして・・・。
外面で行くから・・・俺も外面で行くから・・・。」
朝人がそんなことを言って、ゆっくりと顔を上げた。
そして爽やかな笑顔で・・・外面の笑顔で私に笑い掛けた。
「車だって出すしお金だって出すし、優しい言葉だって出すから。
俺に1日だけで良いから時間くれないかな?
若い女の子とのデートだけど、俺頑張るからさ。
だから明日、可愛い格好で俺とデートしてよ。」
外面の朝人が・・・“先生”が、そう言ってきた。
それには、23歳の誕生日を過ぎた夜のことを思い出す。
先生からネックレスを壊され酷い言葉も出され、散々だった夜の出来事を。
散々な夜だと思っていた。
ずっと、あの日のことを散々な夜だったと思っていた。
だから24歳の誕生日も25歳の誕生日も、先生と外食をしても“あの日”のことを思い出してめちゃくちゃムカついていた。
誕生日の日はいつも以上にムカつきながら先生と接していた。
でも、今になって思うことは・・・
「朝人って、私のことが好きなの?」
もう1度聞いた私に朝人はめちゃくちゃ怒った顔になった。
「そんな分かりきってることを何度も聞いてくんなよ!!
どんな虐めだよ!!!」
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「面倒臭いとか言うなよ!!
お前の前での俺はそう言われても仕方ない姿だって分かってはいるけど、俺の悪口言うなよ・・・!!」
「分かったよ、うるさ・・・くないから!!
こんな早朝からどうしたの?」
「やっぱり嫌だったから来たんだよ!!
もう遅いのは分かってるしどうしようもないことも分かってるけど、止められずにはいられないから来たんだよ!!
34になったオッサンが、一睡も出来なかったからいつもの寝起きよりも酷い姿のオッサンが・・・!!
朝1番のこの時間に、いてもたってもいられなくなったからこの姿のまま走ってきたんだよ・・・!!」
「うん、その姿の方が朝人っぽくていいよ?」
「・・・俺っぽいって何だよ!?
どうせお前にとって俺はずっとオッサンだよ・・・!!
再会出来てからは少しでもオッサンに見えないようにちゃんとした格好してから会いに来てたのに・・・!!
年の割には若く見えるように・・・!!
年の割には格好良く見えるように・・・!!」
「待って、ちょっと落ち着いてよ。
何が言いたいのかよく分からないから落ち着いてから話してよ。
とりあえず、私のことが好きっていうことなんだよね?」
「・・・うるせーよ!!!」
昨日と同じくまたこう返されてしまった。
それには思わず笑っていると、朝人が怒り続けた顔のまま向かい側に座る私のことを睨んできた。
「明日、土曜だけど何か予定は?」
「ないけど。」
「じゃあ、俺と・・・」
朝人が苦しそうに言葉を出し、それからちゃぶ台に項垂れた。
「俺と・・・デートしない・・・?
デートの練習じゃなくて・・・。
俺が色んな物を食えるようになる為の練習の外食でもなくて・・・。
普通に・・・普通に、俺とデートして・・・。
明日はこの前行けなかった夢の国連れて行くから・・・。
だから気合い入れた格好で・・・俺とだけど、気合い入れた格好で・・・明日、デートして・・・。
外面で行くから・・・俺も外面で行くから・・・。」
朝人がそんなことを言って、ゆっくりと顔を上げた。
そして爽やかな笑顔で・・・外面の笑顔で私に笑い掛けた。
「車だって出すしお金だって出すし、優しい言葉だって出すから。
俺に1日だけで良いから時間くれないかな?
若い女の子とのデートだけど、俺頑張るからさ。
だから明日、可愛い格好で俺とデートしてよ。」
外面の朝人が・・・“先生”が、そう言ってきた。
それには、23歳の誕生日を過ぎた夜のことを思い出す。
先生からネックレスを壊され酷い言葉も出され、散々だった夜の出来事を。
散々な夜だと思っていた。
ずっと、あの日のことを散々な夜だったと思っていた。
だから24歳の誕生日も25歳の誕生日も、先生と外食をしても“あの日”のことを思い出してめちゃくちゃムカついていた。
誕生日の日はいつも以上にムカつきながら先生と接していた。
でも、今になって思うことは・・・
「朝人って、私のことが好きなの?」
もう1度聞いた私に朝人はめちゃくちゃ怒った顔になった。
「そんな分かりきってることを何度も聞いてくんなよ!!
どんな虐めだよ!!!」
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