【完】秋の夜長に見る恋の夢

Bu-cha

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それには何て答えていいのか分からなくなる。
やっぱり“ごめんなさい”としか言えないような気がしてしまう。
降参したくなってしまう。



久しぶりに見る眼鏡をしていない、素顔のこの人の顔を見上げる。



「その人と・・・そういうことはした?
そういうことって、そういうことなんだけど・・・。」



「それは・・・答えないとダメですか?」



「したんだ・・・?」



私が聞くとこの人は困ったように笑うだけ。



「最近もしてるの・・・?」



「最近はないですね。」



もう、結婚するから。
私ともう結婚するから。
選ばれてしまったから・・・。
私の相手として選ばれてしまったから・・・。



「私は・・・出来ないね・・・。」



「今は色々な方法がありますから。」



「そうだよね、色々な方法があるからね。」



笑いながらこの人を見上げ、シングルベッドに入った。



そして・・・



冬物の掛け布団に替えたばかりの布団を左手で持ち上げた。



「一緒に寝るだけでいいから。
お願い、一緒に寝て欲しい。」



あと1ヶ月で愛を討ち取るのは難しいかもしれない。



でも、ほんの少しでも掠めることが出来ればいい。



ほんの少しでも・・・。



ほんの少しでも・・・。



この人の“愛”に、掠めることが出来ればいい・・・。



利き手ではない左手で・・・。



指先でも・・・。



小指でも・・・。



爪の先でも・・・。



少しだけでも、掠めることが出来れば・・・。



もう、それだけでも、いい・・・。
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