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知っていた。
そんなの知っていた。
もうとっくに知っていた。
でも、武蔵の口から直接聞くのは想像以上にショックだった。
泣きそうになったまま、言った。
「私はエッチしたことなくて。」
そしたら武蔵が・・・少し悲しそうな顔で小さく笑った。
小さく、小さく笑った。
「そうなんだ。」
「うん・・・。
婚約者と・・・親が決めた相手とだけ、そういうことはするつもりだったから・・・。」
「そうなんだ。」
武蔵が小さく笑った笑顔のまま歩き始めた。
屋敷に向かって1人で歩き出してしまった。
それに慌てて後ろから追いかける。
「武蔵・・・私、私・・・」
私のことなんて見てくれない武蔵の後ろ姿に言う・・・。
恋の色なんてないけど、好きな人がいなくてもそういうことはしていた武蔵に、言う・・・。
「私も・・・エッチしたい・・・。
エッチ、したい・・・。」
女の子達が教えてくれたみたいに可愛くは言えていないかもしれないけど・・・。
そう、伝えた・・・。
最終手段だと思っていたけど・・・。
最終手段の時、私は30歳になってしまっていると思うから・・・。
小学生の妙子ちゃんからのアドバイス通り、23歳・・・“女子校生”でもなく“女子大生”でもなくなった今、使った・・・。
大人の女として見てもらわないといけないから・・・。
まずは、そこからだから・・・。
そう思っていたのに・・・
そう思っていたのに・・・
武蔵は私を振り返ることなく、
私を見てくれることなく、
「そういうこと、外で言うのは止めようね。」
そう、言った・・・。
そんなの知っていた。
もうとっくに知っていた。
でも、武蔵の口から直接聞くのは想像以上にショックだった。
泣きそうになったまま、言った。
「私はエッチしたことなくて。」
そしたら武蔵が・・・少し悲しそうな顔で小さく笑った。
小さく、小さく笑った。
「そうなんだ。」
「うん・・・。
婚約者と・・・親が決めた相手とだけ、そういうことはするつもりだったから・・・。」
「そうなんだ。」
武蔵が小さく笑った笑顔のまま歩き始めた。
屋敷に向かって1人で歩き出してしまった。
それに慌てて後ろから追いかける。
「武蔵・・・私、私・・・」
私のことなんて見てくれない武蔵の後ろ姿に言う・・・。
恋の色なんてないけど、好きな人がいなくてもそういうことはしていた武蔵に、言う・・・。
「私も・・・エッチしたい・・・。
エッチ、したい・・・。」
女の子達が教えてくれたみたいに可愛くは言えていないかもしれないけど・・・。
そう、伝えた・・・。
最終手段だと思っていたけど・・・。
最終手段の時、私は30歳になってしまっていると思うから・・・。
小学生の妙子ちゃんからのアドバイス通り、23歳・・・“女子校生”でもなく“女子大生”でもなくなった今、使った・・・。
大人の女として見てもらわないといけないから・・・。
まずは、そこからだから・・・。
そう思っていたのに・・・
そう思っていたのに・・・
武蔵は私を振り返ることなく、
私を見てくれることなく、
「そういうこと、外で言うのは止めようね。」
そう、言った・・・。
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