【完】秋の夜長に見る恋の夢

Bu-cha

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長い長い廊下を久しぶりに小走りで走った。
玄関にいる武蔵を見て・・・



武蔵を、見て・・・



「武蔵?」



と、声を掛けた・・・。



10年振りに武蔵が眼鏡を外していたから。



「眼鏡外したの?」



「うん、研究以外の勝負の時には眼鏡を外すように父さんから言われたことがあって。
目に宿る力も武器になるから。
今日初めて外したけどね。」



「・・・何の勝負したの?
お父さんから・・・聞いた?」



久しぶりに見た眼鏡をしていない武蔵の顔を見ながら、少しだけ泣きそうになった・・・。



武蔵が、早く帰って来てくれた・・・。



眼鏡を外して、武蔵の目がよく見えるようになった・・・。



そして、私の顔を見てくれている・・・。



18歳の時よりも、20代の時よりも衰えてしまっているけれど、それでも久しぶりに私の顔を見てくれている・・・。



優しい笑顔で、見てくれている・・・。



それに自然と笑い返した・・・。



良かった・・・良かった・・・。
“父親”は「覚悟が足りていない」と言っていたけど、武蔵なりにちゃんと受け入れてくれている・・・。



「うん、聞いたよ。
だからこれから勝負をしたくて、コンタクトにした。」



「これから・・・?」



あとは屋敷にいるだけなのに何の勝負をするのか・・・。
そう思い首を傾げていると・・・



「久しぶりに夜ご飯食べたいな。」



武蔵がそう言ってくれたので、それにも自然と笑い返した。



「唐揚げだよ!」
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