【完】秋の夜長に見る恋の夢

Bu-cha

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そして、4月。
今年も小町の誕生日が来た。



「矢田さん、昼休みに外に行くの珍しいですね!?」



研究室に入った新卒の女の子が元気にそう聞いてきた。



「少し出掛けてくるね、午後のミーティングまでには戻るから。」



それだけ言って大急ぎである場所に向かった。
俺にとっては毎年来ていた場所。
家族で毎年初詣をしていた神社に来た。



今年は会社に行っていたから正月は初詣をしていなかった。
初詣に行く時間も惜しくて。
それよりも俺は薬を創らないといけないから。



新卒で入社をし、既に俺がチーム長として創った新薬はいくつかある。
それでももっと、薬を創らないといけなかったから。



小町の結婚相手として選ばれる為に。



それだけの為に。



小町の為だけに。



俺は、この一刀を小町の為だけに振るう。



そう考えながら随分と遅くなった初詣を終わらせた。



そして・・・



「これください。」



チリン─....と、幸福の音が鳴る。



二十歳の女の子に何をあげていいのか分からなかったけど、以前この桜の鈴を小町が可愛いと言っていたから。
だから、これしか思い付かなくて。



こんな物で小町が喜んでくれるかは分からなかったけど。



でも・・・少しでも喜んでもらえるといいなと・・・。



そう願いながら・・・



会社に戻った。
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