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「大親友じゃなくていいから・・・。
親友でもなくていいから・・・友達、とか・・・。」
「・・・・」
「たまに、ご飯一緒に食べたりするくらいで・・・。」
「・・・・」
「お肉いっぱいのお好み焼き・・・まだやってないし・・・」
「・・・・」
「すき焼きも・・・」
「・・・・」
「私が牛丼屋で牛丼食べる時だけでも、一緒にさ・・・」
“妙”がそう言ってくる・・・。
“妙”がそう言ってきてくれる・・・。
“妙”なのだと思う・・・。
さっき見てしまった時、“的場妙子”にも見えなくて・・・。
たぶんだけど、化粧をしていなかった・・・。
化粧をしていなかったこの子の素顔は、“妙”の面影があったから・・・。
そして、心を曇り空にして俺を見ていて・・・。
今も・・・震える声でそう言ってくれていて・・・。
“妙”なのだと思った・・・。
“的場妙子”はあまりにも動かなくて・・・。
ビッッックリするくらい、動かなくて・・・。
こんなに動いているのは“妙”なのだと思う・・・。
そんな“妙”にまた会えて嬉しくも思うけど・・・
やっぱり、仲直りは出来ない・・・。
「ごめん、無理だ。」
横を向いたまま、またそう答えた。
仲直りは出来ない・・・。
だって、知ってしまったから・・・。
大人になった“この子”とキスをして・・・
抱き締めて・・・
それも、上半身だけだけど裸で抱き合って・・・
“何か”も少しして・・・。
知ってしまったから・・・。
その時の“この子”の心を、見てしまったから・・・。
仲直りは出来ない・・・。
だって、戻れない・・・。
“俺”は戻れない・・・。
“大親友”にも“親友”にも“友達”にも戻れない・・・。
溢れてしまう・・・。
整えるだけで精一杯なのに、溢れてしまう・・・。
少しの刺激で溢れてしまう・・・。
“サメ”が面接に来たと分かっただけで溢れてしまったのに・・・。
こいつが“妙”の好きな相手だと思っただけで溢れてしまったのに・・・。
“妙”がこいつの部屋に入ったのだと思っただけで・・・
“妙”がこいつの裸を見たのだと思っただけで・・・
それだけで、溢れてしまったのに・・・。
きっともう、いくら飲んでも空にはならない・・・。
俺の方のペットボトルはキャップは出来ないから・・・。
それくらいだから・・・。
俺の方のペットボトルは、それくらいだから・・・。
「拳、こっち見て。」
親友でもなくていいから・・・友達、とか・・・。」
「・・・・」
「たまに、ご飯一緒に食べたりするくらいで・・・。」
「・・・・」
「お肉いっぱいのお好み焼き・・・まだやってないし・・・」
「・・・・」
「すき焼きも・・・」
「・・・・」
「私が牛丼屋で牛丼食べる時だけでも、一緒にさ・・・」
“妙”がそう言ってくる・・・。
“妙”がそう言ってきてくれる・・・。
“妙”なのだと思う・・・。
さっき見てしまった時、“的場妙子”にも見えなくて・・・。
たぶんだけど、化粧をしていなかった・・・。
化粧をしていなかったこの子の素顔は、“妙”の面影があったから・・・。
そして、心を曇り空にして俺を見ていて・・・。
今も・・・震える声でそう言ってくれていて・・・。
“妙”なのだと思った・・・。
“的場妙子”はあまりにも動かなくて・・・。
ビッッックリするくらい、動かなくて・・・。
こんなに動いているのは“妙”なのだと思う・・・。
そんな“妙”にまた会えて嬉しくも思うけど・・・
やっぱり、仲直りは出来ない・・・。
「ごめん、無理だ。」
横を向いたまま、またそう答えた。
仲直りは出来ない・・・。
だって、知ってしまったから・・・。
大人になった“この子”とキスをして・・・
抱き締めて・・・
それも、上半身だけだけど裸で抱き合って・・・
“何か”も少しして・・・。
知ってしまったから・・・。
その時の“この子”の心を、見てしまったから・・・。
仲直りは出来ない・・・。
だって、戻れない・・・。
“俺”は戻れない・・・。
“大親友”にも“親友”にも“友達”にも戻れない・・・。
溢れてしまう・・・。
整えるだけで精一杯なのに、溢れてしまう・・・。
少しの刺激で溢れてしまう・・・。
“サメ”が面接に来たと分かっただけで溢れてしまったのに・・・。
こいつが“妙”の好きな相手だと思っただけで溢れてしまったのに・・・。
“妙”がこいつの部屋に入ったのだと思っただけで・・・
“妙”がこいつの裸を見たのだと思っただけで・・・
それだけで、溢れてしまったのに・・・。
きっともう、いくら飲んでも空にはならない・・・。
俺の方のペットボトルはキャップは出来ないから・・・。
それくらいだから・・・。
俺の方のペットボトルは、それくらいだから・・・。
「拳、こっち見て。」
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