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翔子side........
「翔子さん!おはようございます!」
翌日、会社の廊下を歩いていると一夜が爽やかに笑いながら私に挨拶をしてきた。
「おはよ~、昨日はホテルで会ってビックリしたね!!
譲とキスしてる所を見られて恥ずかしいから忘れて!!」
「あんなに動揺してる翔子さん初めて見ましたよ、何があっても動揺しない人なので。
この前の大きな契約、あの時も何も動揺していなかったので。」
この前、“結子”としてクソジジイの孫会の食事会に行った時、あの時に一夜に同行していたのは結子だった。
「向こうからの無茶振りね、内心“ふざけんな”って思ってたよ。」
結子はそんなことを思わないだろうけど、話を聞いたら私は“ふざけんな”と思ったのでそう答えた。
「翔子さんって何でも出来ますよね、出来ないこととか苦手なことってあるんですか?」
「フランス語は苦手!!」
結子の先輩であるあの女、あの女にこの前指摘された時、あれは結子ではなくて私だった。
あの女が結子にネチネチとたまに嫌味を言っていたので、あの日は交換っこをして私が結子を守った。
そうやって生きてきた。
私は結子を守る為に生まれてきたので、そうやって生きてきた。
こんな汚い世界に、あんな汚い家に私と結子は生まれ落ちた。
それも、結子が長女として生まれ落ちてしまった。
私だったらよかったのに。
私が長女だったらよかったのに。
それならあのクソジジイから何を言われても何も思わないのに。
それならどんな相手が結婚相手だとしても何も思わないのに。
「翔子さんは結子さんを守る為だけに生まれてきたんですか?」
「翔子さん!おはようございます!」
翌日、会社の廊下を歩いていると一夜が爽やかに笑いながら私に挨拶をしてきた。
「おはよ~、昨日はホテルで会ってビックリしたね!!
譲とキスしてる所を見られて恥ずかしいから忘れて!!」
「あんなに動揺してる翔子さん初めて見ましたよ、何があっても動揺しない人なので。
この前の大きな契約、あの時も何も動揺していなかったので。」
この前、“結子”としてクソジジイの孫会の食事会に行った時、あの時に一夜に同行していたのは結子だった。
「向こうからの無茶振りね、内心“ふざけんな”って思ってたよ。」
結子はそんなことを思わないだろうけど、話を聞いたら私は“ふざけんな”と思ったのでそう答えた。
「翔子さんって何でも出来ますよね、出来ないこととか苦手なことってあるんですか?」
「フランス語は苦手!!」
結子の先輩であるあの女、あの女にこの前指摘された時、あれは結子ではなくて私だった。
あの女が結子にネチネチとたまに嫌味を言っていたので、あの日は交換っこをして私が結子を守った。
そうやって生きてきた。
私は結子を守る為に生まれてきたので、そうやって生きてきた。
こんな汚い世界に、あんな汚い家に私と結子は生まれ落ちた。
それも、結子が長女として生まれ落ちてしまった。
私だったらよかったのに。
私が長女だったらよかったのに。
それならあのクソジジイから何を言われても何も思わないのに。
それならどんな相手が結婚相手だとしても何も思わないのに。
「翔子さんは結子さんを守る為だけに生まれてきたんですか?」
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