【完】好き好き大好きの嘘

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あと少し・・・結子の、私達の誕生日まであと少し。



絶対にバレるはずはないけれど、絶対にバレてはいけない。



前の婚約者も凄く良い男だと思っていたのに消えてしまった。
もしかしたら、たまに私が結子になっていた時にミスをしていたのかもしれないと心配にはなるけれど・・・



バレるはずはない。



結子と私はこんなにも違うけれど、人は自分の目で見ている物を信じる。
自分の耳で聞いている音を信じる。



人の“心”を見ることが出来る妙子の彼氏が言うには、私と結子は心に同じモノも持っている。



小さな子どもが手を伸ばしているような両手を持っているらしい。



私の心にあるのは結子の両手。
私にワガママを言ったり助けを求めてきた時の両手。



そして、結子の心にあるのは私の両手なのだと思う。
結子にワガママを言ったり守る為に伸ばした両手。



だから妙子の彼氏のように心が見える人にも、結子と私が交換っこしていたとしても絶対に分からない。