【完】好き好き大好きの嘘

Bu-cha

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私のその言葉には部長が少しだけ反応をした。
部長も思い出したらしい。
“ゆきのうえ商店街”がある地域、そこに最初に目を付けたのは高校1年生だった頃の結子。



駅前の土地は永家不動産もいくつか持っていたけれど、それ以外は土地の売買にまだ積極的には動いていない街だった。



そんな街にはあった。
“ゆきのうえ商店街”という普通ではない商店街が。



そこを結子が視察をした。
譲の最強の幼馴染み2人が中心となり何とか続けていた商店街。



そこにはあった。



雪枝のお父さんという存在が。



藤岡ホールディングスの社長とまだ繋がっている雪枝のお父さんの存在が。
いくら元社員だからといって、あの藤岡社長が頻繁に商店街を訪れるのは不可解だった。



それに藤岡社長だけではなく、副社長まで来ていると言っていた。
それだけではなく、スポーツ業界最大手の“KONDO”。
藤岡と近藤が旧知の仲のことは永家だって知っている。
藤岡の副社長と近藤の副社長が2人揃って“ゆきのうえ商店街”にまで来ていることも結子が情報収集をしてきた。



その3人が定期的に買い求めていたのは“駿と雪”が置いてある宝多米店。
譲の最強の幼馴染みのもう1人である駿の家が営んでいる、米屋の店主の拘りが詰まった純米酒。



その店でしか宝多の純米酒を買うことが出来ず、それを試飲する為にも定期的に商店街を訪れていると知った結子。



それだけではないと結子はすぐに気付いた。
あの商店街には他にも何かがあるとすぐに気付き、“駿と雪”という純米酒を1本持ち帰りお父さんに報告をした。



それからお父さんはすぐに動いた。
そしてすぐに“ゆきのうえ商店街”の周りの土地や建物、駅前だけではなく商店街を中心に多くの不動産の売買に動き出した。



だから部長も知っている。
藤岡は子会社である不動産会社との連携が取れていない。
連携が取れていればあの街は既に藤岡の手の中だったはずだから。



少しだけ反応している部長を見詰めながら私はまた口を開く。



「藤岡ホールディングスはほぼ全てのグループ会社の名称に“藤”や“藤岡”を入れています。
でも、藤岡の不動産会社はそのどちらもついていない。
不動産会社のホームページに藤岡の“ふ”の字も入れていない。」



その不動産会社の名前を思い浮かべながら私は少しだけ笑ってしまった。



「「コタ・エステート。」」



その不動産会社の名前を言った時、私の隣に座っていた一夜と声が被った。
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