122 / 395
9
9-8
しおりを挟む
その声の主は、驚くことに増田君に抱き付いた。
キラキラと目を輝かせて抱き付きながら増田君を見上げている。
その顔はとても綺麗で。
顔の作りは勿論、それだけではなくてとても綺麗なモノで。
翔子にも負けないくらい、それくらいに綺麗な女の子で。
そんな綺麗な女の子を見下ろし増田君は固まった。
初めてこんなに固まっている所を見た。
そして・・・
「・・・雪枝?」
と・・・。
聞いた増田君に女の子は輝く笑顔で何度も頷く。
それに増田君もとても嬉しそうな笑顔を見せている。
とてもとても・・・嬉しそうな笑顔を。
「雪枝のお父さん高学歴だもんな!!
このくらいの偏差値でも余裕か!!」
「みんないるよ、商店街の幼馴染み達がここに。
お兄さんお姉さん達も、私達と同じ年の子達も。」
「凄いな・・・。」
「うん、頑張ってる。
ユズがまた商店街に遊びに来てくれる日、その日に商店街がなくなってたら意味ないしね。」
「うん・・・。
今、商店街どうなってる?」
「結構お客さんは来てくれてる。
子ども達を集めたりイベントをしたり、季節の催し物をしたり福引きを豪華にしたり。
メニューの開発もそのお店だけじゃなくて商店街中で力を合わせたり。
それを大人達だけではなくて私達もやってる。
予算も考えながら色んな意見を出し合って、実現出来る範囲で実現させてる。」
「そっか、流石だな!!
後は俺が上の人間になるだけだな!!」
そんな会話を女の子が抱き付きながらしていき、増田君が・・・
増田君が・・・
その女の子の頭の上に優しく手を置いた・・・。
増田君の初恋の女の子の頭の上に・・・。
翔子よりも圧勝して可愛い顔だと答えたという女の子の頭の上に・・・。
増田君の最強の幼馴染みの1人である女の子の頭の上に・・・。
増田君が女の子に抱き付かれながら、女の子の頭の上に手をのせている姿を見て・・・
私は・・・
私は・・・
生まれて初めて、“羨ましい”と思ってしまった・・・。
そんなことを思ったことはなかったのに。
私にはカラフルな夢なんて存在しないから、そんな感情にもならないはずなのに。
初めて、“羨ましい”と思ってしまった。
私もしたい・・・。
私も増田君に抱き付いてみたい・・・。
増田君から頭の上に手をのせてもらいたい・・・。
でも、私には出来ない。
私にはそんなことは出来ない。
この女の子には簡単に出来ることが私には出来ない。
永家結子には出来ない。
生まれて初めて私に“羨ましい”と思わせた女の子。
それくらいの衝撃。
それくらい衝撃的な登場シーン。
「この子が、雪枝・・・。」
.
キラキラと目を輝かせて抱き付きながら増田君を見上げている。
その顔はとても綺麗で。
顔の作りは勿論、それだけではなくてとても綺麗なモノで。
翔子にも負けないくらい、それくらいに綺麗な女の子で。
そんな綺麗な女の子を見下ろし増田君は固まった。
初めてこんなに固まっている所を見た。
そして・・・
「・・・雪枝?」
と・・・。
聞いた増田君に女の子は輝く笑顔で何度も頷く。
それに増田君もとても嬉しそうな笑顔を見せている。
とてもとても・・・嬉しそうな笑顔を。
「雪枝のお父さん高学歴だもんな!!
このくらいの偏差値でも余裕か!!」
「みんないるよ、商店街の幼馴染み達がここに。
お兄さんお姉さん達も、私達と同じ年の子達も。」
「凄いな・・・。」
「うん、頑張ってる。
ユズがまた商店街に遊びに来てくれる日、その日に商店街がなくなってたら意味ないしね。」
「うん・・・。
今、商店街どうなってる?」
「結構お客さんは来てくれてる。
子ども達を集めたりイベントをしたり、季節の催し物をしたり福引きを豪華にしたり。
メニューの開発もそのお店だけじゃなくて商店街中で力を合わせたり。
それを大人達だけではなくて私達もやってる。
予算も考えながら色んな意見を出し合って、実現出来る範囲で実現させてる。」
「そっか、流石だな!!
後は俺が上の人間になるだけだな!!」
そんな会話を女の子が抱き付きながらしていき、増田君が・・・
増田君が・・・
その女の子の頭の上に優しく手を置いた・・・。
増田君の初恋の女の子の頭の上に・・・。
翔子よりも圧勝して可愛い顔だと答えたという女の子の頭の上に・・・。
増田君の最強の幼馴染みの1人である女の子の頭の上に・・・。
増田君が女の子に抱き付かれながら、女の子の頭の上に手をのせている姿を見て・・・
私は・・・
私は・・・
生まれて初めて、“羨ましい”と思ってしまった・・・。
そんなことを思ったことはなかったのに。
私にはカラフルな夢なんて存在しないから、そんな感情にもならないはずなのに。
初めて、“羨ましい”と思ってしまった。
私もしたい・・・。
私も増田君に抱き付いてみたい・・・。
増田君から頭の上に手をのせてもらいたい・・・。
でも、私には出来ない。
私にはそんなことは出来ない。
この女の子には簡単に出来ることが私には出来ない。
永家結子には出来ない。
生まれて初めて私に“羨ましい”と思わせた女の子。
それくらいの衝撃。
それくらい衝撃的な登場シーン。
「この子が、雪枝・・・。」
.
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる