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“KONDO”の副社長が判子を押す直前、近藤社長が俺に「また会いに来てくれて嬉しいよ。」と言ったので、副社長は判子を契約書から離して俺を見てきた。
「まだ偉くなれていなくてお恥ずかしいですが。」
「でも売買の営業部でトップなんでしょ?
惜しかったよね~、やっぱりうちに欲しかったよ。」
近藤社長が本当に残念そうな顔をしながら、隣で黙って座っている法務部長の方を見た。
「キミの奥さんが一次面接だけで通しちゃった子、永家不動産にいっちゃったんだよ。」
「社長面談まで進むとなかなか内定辞退になりませんが、残念でしたね。
でも永家でしたら仕方ありませんね、うちよりもずっと大きいですし。」
法務部長がそう言った時、急に社長室の扉がノックもなく開いた。
それも勢いよく、勢いがありすぎるくらいに。
“KONDO”のウェアを着たツインテール姿のその女の人を今日も見ることが出来、俺は心の中で笑いを堪える。
そしたら、その女の子が翔子さんになっている結子さんをジッと見た。
契約書を交わすこの日、俺の隣にいるのは翔子さんではなくて結子さんだった。
約束をしたのに・・・。
俺の隣で心にドレスを着せると、そう約束をしたのに・・・。
俺では心にもドレスを着せることは出来ないらしい。
今日は孫会という食事会があると言っていた結子さん。
翔子さんはそっちに出ているのだろう。
「不倫したら許さないから。」
ツインテールの女の人が初めてそんなことを法務部長に言うと、法務部長は大きく吹き出した。
それに満足したような顔でツインテールの女の人は去っていき、社長室の中は笑い声に包まれた。
「まだ偉くなれていなくてお恥ずかしいですが。」
「でも売買の営業部でトップなんでしょ?
惜しかったよね~、やっぱりうちに欲しかったよ。」
近藤社長が本当に残念そうな顔をしながら、隣で黙って座っている法務部長の方を見た。
「キミの奥さんが一次面接だけで通しちゃった子、永家不動産にいっちゃったんだよ。」
「社長面談まで進むとなかなか内定辞退になりませんが、残念でしたね。
でも永家でしたら仕方ありませんね、うちよりもずっと大きいですし。」
法務部長がそう言った時、急に社長室の扉がノックもなく開いた。
それも勢いよく、勢いがありすぎるくらいに。
“KONDO”のウェアを着たツインテール姿のその女の人を今日も見ることが出来、俺は心の中で笑いを堪える。
そしたら、その女の子が翔子さんになっている結子さんをジッと見た。
契約書を交わすこの日、俺の隣にいるのは翔子さんではなくて結子さんだった。
約束をしたのに・・・。
俺の隣で心にドレスを着せると、そう約束をしたのに・・・。
俺では心にもドレスを着せることは出来ないらしい。
今日は孫会という食事会があると言っていた結子さん。
翔子さんはそっちに出ているのだろう。
「不倫したら許さないから。」
ツインテールの女の人が初めてそんなことを法務部長に言うと、法務部長は大きく吹き出した。
それに満足したような顔でツインテールの女の人は去っていき、社長室の中は笑い声に包まれた。
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