286 / 395
20
20-1
しおりを挟む
そんなことが日曜日にあった。
俺の前から去る時、“信之君”は怒りの感情を持っていくらか良い顔をしていた。
結子はどこか覚悟を決めた少し強い顔をしていた。
そう思っていたけれど、月曜日に学校に来たのは結子ではなくて翔子だった。
これにはいつもと同様にめちゃくちゃ不安になる。
結子として俺の隣にいるのが結子ではないことが、死ぬほど不安になってくる。
今日は和が“ゆきのうえ商店街”に行っている。
そこで俺の幼馴染み達が卒業後に開く店の準備を手伝ってくれている中、俺は翔子である結子を永家の“家”まで送る。
昨日のことがあったので、結子のその胸に俺への気持ちがちゃんとあるのか物凄く怖くなる。
俺に会いたくないから今日は翔子なのではないかと考えてしまう。
俺の“ゆきのうえ商店街”がその背中にない“結子”に、俺はいつも通りに話していく。
“ゆきのうえ商店街”が見えないのは翔子だからだと自分に言い聞かせながら。
結子の俺への気持ちを置き去りにしたからソレが消えたわけではないと、何度も自分に言い聞かせながら。
月に3度は結子と翔子は入れ替わっているのではないかと思っている。
だから明日になったらきっと結子は結子に戻ると自分に言い聞かせる。
それでも死ぬほど怖くて仕方なかった。
もう二度とあの結子には会えないかもしれないと思うと、死ぬほど怖くなる。
死ぬほど怖くなりながら、俺の半歩後ろを歩く結子に言う。
どこをどう見ても結子にしか見えない“結子”に。
その向こう側に俺の“ゆきのうえ商店街”が広がっていないのは、結子ではなくて翔子だからだと自分に言い聞かせながら。
完璧な情報共有をしているであろうこの2人。
だからきっとこれも結子に伝わると願って、俺は言う。
「俺は1人でも大丈夫。
今日和がいないけど、俺は1人でも大丈夫だから。」
俺の前から去る時、“信之君”は怒りの感情を持っていくらか良い顔をしていた。
結子はどこか覚悟を決めた少し強い顔をしていた。
そう思っていたけれど、月曜日に学校に来たのは結子ではなくて翔子だった。
これにはいつもと同様にめちゃくちゃ不安になる。
結子として俺の隣にいるのが結子ではないことが、死ぬほど不安になってくる。
今日は和が“ゆきのうえ商店街”に行っている。
そこで俺の幼馴染み達が卒業後に開く店の準備を手伝ってくれている中、俺は翔子である結子を永家の“家”まで送る。
昨日のことがあったので、結子のその胸に俺への気持ちがちゃんとあるのか物凄く怖くなる。
俺に会いたくないから今日は翔子なのではないかと考えてしまう。
俺の“ゆきのうえ商店街”がその背中にない“結子”に、俺はいつも通りに話していく。
“ゆきのうえ商店街”が見えないのは翔子だからだと自分に言い聞かせながら。
結子の俺への気持ちを置き去りにしたからソレが消えたわけではないと、何度も自分に言い聞かせながら。
月に3度は結子と翔子は入れ替わっているのではないかと思っている。
だから明日になったらきっと結子は結子に戻ると自分に言い聞かせる。
それでも死ぬほど怖くて仕方なかった。
もう二度とあの結子には会えないかもしれないと思うと、死ぬほど怖くなる。
死ぬほど怖くなりながら、俺の半歩後ろを歩く結子に言う。
どこをどう見ても結子にしか見えない“結子”に。
その向こう側に俺の“ゆきのうえ商店街”が広がっていないのは、結子ではなくて翔子だからだと自分に言い聞かせながら。
完璧な情報共有をしているであろうこの2人。
だからきっとこれも結子に伝わると願って、俺は言う。
「俺は1人でも大丈夫。
今日和がいないけど、俺は1人でも大丈夫だから。」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
10
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる