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結子から受け取った後にデスクに着き“譲”の一升瓶を持ち上げてみた時、そのメモ用紙に気付いた。
そして結子の休み時間中、初めてメッセージを送った。
そして返ってきた返事を見て俺は笑うしかなかった。
宝多米店の純米酒の販売は米屋ではなく、潰れた俺の父さんの店で営んでくれている。
賃料を父さんにわざわざ払ってまで駿のお父さんがそこで販売をしてくれているのだけど、そこは駿の妹の真琴が未来の店主として店頭に出ている。
だから“譲”の一升瓶を買うのに真琴としか会っていないと結子から返信があった。
それなのに“譲”の一升瓶の底にはこのメモ用紙が入っていた。
“ゆきのうえ商店街の麒麟”である雪枝のお父さんからのメモ用紙が。
雪枝の弟だけではなく駿の妹までこういうことが出来るようになっているとは知らなかった。
最後に会った時はまだ幼稚園に通っていた真琴。
それが今ではこんなことが出来るくらいの女の子に育っているらしい。
“今日は増田君へのお土産”
会話の中でそれだけを言った結子に真琴が入れてくれた、“信之君”が消えたこのタイミングでの麒麟からの俺へのメッセージ。
そのメッセージ通り、俺はタイミングを待つことにした。
俺はまだ増田の“家”の上にはいけていないので、竜さんとオババせんぱいがくれた“一夜”で増田の“家”ではなく永家の“家”を物理的にぶっ殺しに行こうとしたけれど、今はタイミングを待つ。
結子にしていることは死ぬほど許せないけれど・・・。
その時に棚に置き直した“一夜”の一升瓶を眺めながら、俺はスマホの向こう側にいる結子に伝える。
このタイミングで初めて俺に“譲”の一升瓶を買って来てくれ、麒麟と俺を結んでくれた結子に。
「誕生日おめでとう、結子。」
5月22日、今日が誕生日である結子にそう伝えた。
今日結婚する予定だった婚約者の“信之君”が消え、そんな中で孫会が開催され最悪な誕生日になったであろう結子に。
“従姉妹ちゃん”ではなく“結子”と呼んで、そう伝えた。
そして結子の休み時間中、初めてメッセージを送った。
そして返ってきた返事を見て俺は笑うしかなかった。
宝多米店の純米酒の販売は米屋ではなく、潰れた俺の父さんの店で営んでくれている。
賃料を父さんにわざわざ払ってまで駿のお父さんがそこで販売をしてくれているのだけど、そこは駿の妹の真琴が未来の店主として店頭に出ている。
だから“譲”の一升瓶を買うのに真琴としか会っていないと結子から返信があった。
それなのに“譲”の一升瓶の底にはこのメモ用紙が入っていた。
“ゆきのうえ商店街の麒麟”である雪枝のお父さんからのメモ用紙が。
雪枝の弟だけではなく駿の妹までこういうことが出来るようになっているとは知らなかった。
最後に会った時はまだ幼稚園に通っていた真琴。
それが今ではこんなことが出来るくらいの女の子に育っているらしい。
“今日は増田君へのお土産”
会話の中でそれだけを言った結子に真琴が入れてくれた、“信之君”が消えたこのタイミングでの麒麟からの俺へのメッセージ。
そのメッセージ通り、俺はタイミングを待つことにした。
俺はまだ増田の“家”の上にはいけていないので、竜さんとオババせんぱいがくれた“一夜”で増田の“家”ではなく永家の“家”を物理的にぶっ殺しに行こうとしたけれど、今はタイミングを待つ。
結子にしていることは死ぬほど許せないけれど・・・。
その時に棚に置き直した“一夜”の一升瓶を眺めながら、俺はスマホの向こう側にいる結子に伝える。
このタイミングで初めて俺に“譲”の一升瓶を買って来てくれ、麒麟と俺を結んでくれた結子に。
「誕生日おめでとう、結子。」
5月22日、今日が誕生日である結子にそう伝えた。
今日結婚する予定だった婚約者の“信之君”が消え、そんな中で孫会が開催され最悪な誕生日になったであろう結子に。
“従姉妹ちゃん”ではなく“結子”と呼んで、そう伝えた。
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