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日曜日
待ち合わせをしていた翔子が俺の前に走って来て「譲!!」と呼んできた。
そして翔子を見て思わず口から声が出てしまった。
「お前ら何してるんだよ?」
「何が?」
「いや、ダブルデートとか。」
少し慌てながらそう誤魔化して笑った。
まさかお見合いなのに2人が入れ替わっているとは思わなかったから。
でもよく考えると相手は翔子の好きな男。
きっとそのことを結子も知っているはずで。
そうでないとここまで完璧に入れ替わることなんて出来ない。
だから結子は乗り気ではないのだと分かり、翔子がこの縁談を無理にでも結ぼうとしているとも分かった。
それが分かりながらも俺に並んで歩いている翔子になっている結子に聞いた。
「従姉妹ちゃんは?」
「先に私の後輩と店に入ってる。」
そう言って連れてこられた店はなんともまあお洒落な店で。
気持ち良さそうなテラス席で結子になっている翔子の隣に座り楽しそうに話している男を遠目に見ると、確かにめちゃくちゃ良さそうな男だった。
そして俺と“翔子”の存在に気付くとサッと椅子から立ち上がり、それはもう爽やかな笑顔で俺のことを見てきた。
昔の“信之君”よりも遥かに良い男なのが分かる。
そんなこの男に俺は軽く笑って言った。
「俺、増田譲。」
俺の名前を聞いて少し考えた様子になったので、それにも軽い感じで頷いた。
増田の人間だと分かったのだろう。
それから結子の婚約者候補で翔子の“後輩”である男はまた爽やかに笑い・・・
「僕は須崎一夜です。」
そう言った・・・。
待ち合わせをしていた翔子が俺の前に走って来て「譲!!」と呼んできた。
そして翔子を見て思わず口から声が出てしまった。
「お前ら何してるんだよ?」
「何が?」
「いや、ダブルデートとか。」
少し慌てながらそう誤魔化して笑った。
まさかお見合いなのに2人が入れ替わっているとは思わなかったから。
でもよく考えると相手は翔子の好きな男。
きっとそのことを結子も知っているはずで。
そうでないとここまで完璧に入れ替わることなんて出来ない。
だから結子は乗り気ではないのだと分かり、翔子がこの縁談を無理にでも結ぼうとしているとも分かった。
それが分かりながらも俺に並んで歩いている翔子になっている結子に聞いた。
「従姉妹ちゃんは?」
「先に私の後輩と店に入ってる。」
そう言って連れてこられた店はなんともまあお洒落な店で。
気持ち良さそうなテラス席で結子になっている翔子の隣に座り楽しそうに話している男を遠目に見ると、確かにめちゃくちゃ良さそうな男だった。
そして俺と“翔子”の存在に気付くとサッと椅子から立ち上がり、それはもう爽やかな笑顔で俺のことを見てきた。
昔の“信之君”よりも遥かに良い男なのが分かる。
そんなこの男に俺は軽く笑って言った。
「俺、増田譲。」
俺の名前を聞いて少し考えた様子になったので、それにも軽い感じで頷いた。
増田の人間だと分かったのだろう。
それから結子の婚約者候補で翔子の“後輩”である男はまた爽やかに笑い・・・
「僕は須崎一夜です。」
そう言った・・・。
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