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『俺の家で一緒に住むこと』
それを条件に、夏生のお願いを聞いた。
もう俺には何の希望も残されていないから。
夏生を“可愛い女の子”にするために応援するしか、俺が夏生の傍にいられる理由はないから。




仕事が終わり、女性の下着売場に向かう。




「そちらは長めですが、こちらに短い物もありますよ?」




と、店員さんに話し掛けられる。





「これでいいです。」





白いシルク生地の、キャミソールのナイトドレスを3枚購入した。




家に帰ると、夏生が泊まりに来た時用の部屋には段ボールがいくつか入っていて、リビングはテレビがついたまま。
ソファーに気持ち良さそうに寝ている夏生は、バスケの練習着を着ている。





その可愛い寝顔をしばらく眺めながら、昨日の夏生との会話を思い出す。
どんな理由でも、今は夏生と一緒にいられる。
それが、どんな理由だったとしても・・・
俺は少しでも、1日でも長く、夏生と一緒にいたい・・・。





「お~い!こんな所で寝ちゃダメだろ~!!」




「シュー・・・」




「こんなところに寝てたら、風邪引くよ?
冷房もガンガンだし・・・。
格好も・・・」




眠そうに起き上がった夏生の練習着が、胸の所で大きく膨らみ、その先はピンッと突き出ている。




「いつも言ってるけど、ブラジャーちゃんとしなって。」





昨日までだったら、そんな可愛くてエッチな夏生の部分を見られることも、
いつか、そこに触れられるかもしれない期待もあった。




何もなくなった俺には、可愛くてエッチな夏生の部分を見ることは拷問のようで。





「こんな私の胸なんて、友里(ゆり)の胸に比べたら何もないのと同じでしょ!」



「ねーちゃんは確かに大きいけど、夏生だって結構あるんだし、そんな格好でいちゃダメだろ!」





夏生に、自分のシンプルな羽織物を渡す。




「女の子なんだから・・・。」




「え?」




「夏生は、これから“可愛い女の子”になるんだろ?
だったら、そんな格好してちゃダメだろ。」





俺にも見せちゃダメだよ。
そこは、好きな男の人にしか見せちゃダメなんだよ。
夏生の“彼氏”になる人にしか、見せちゃダメなんだよ・・・。





夏生は素直に羽織物を受け取り、羽織った。
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