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夏生のクレジットカードを取り上げ、財布に戻した。
「あの時のお金、返そうとしても・・・、
夏生は絶対に受け取ってくれなかったから。」
「でも、あの時のって言っても・・・、この下着1セットくらいの値段だよ?」
「夏生。お金だけじゃないから。
俺は、夏生から、お金だけでは返せないくらい、大切なモノを、沢山貰ってるから。」
女の子の格好を初めて見られ、受け入れてくれた。
居場所のない俺に、夏生の家を居場所にしてくれた。
女の子の服屋に初めて連れていってくれて、服を買ってくれた。
俺の家に一緒に行き、家族に打ち明けるキッカケを作ってくれた。
俺が俺らしくいられるよう、“おまじない”をかけてくれた。
将来が決まらない俺に、“夏生を守るため”という理由を与えてくれ、芸能界に入る決心をつけさせてくれた。
そして・・・
抱き締めて合って、俺の男の部分に触れて、優しく触れるだけのキスをして、
“お嫁さんに”と“大好き”と、何度も言ってくれた。
そこに意味なんて全くなかったけど。
特別な何かなんてなかったけど。
俺は、確かに幸せだった・・・。
男でも女でもないような、こんな俺が、心から幸せになれる瞬間だった・・・。
大好きだよ、夏生・・・。
自分のクレジットカードを店員さんに再度差し出す。
「お返しなんだ。
今度は、俺が応援する番。」
夏生に笑いかける。
「俺に、応援させてよ。」
男でも女でもないような、こんな俺が、唯一出来ることだから。
夏生は嬉しそうに笑い、素直に、頷いた。
「あの時のお金、返そうとしても・・・、
夏生は絶対に受け取ってくれなかったから。」
「でも、あの時のって言っても・・・、この下着1セットくらいの値段だよ?」
「夏生。お金だけじゃないから。
俺は、夏生から、お金だけでは返せないくらい、大切なモノを、沢山貰ってるから。」
女の子の格好を初めて見られ、受け入れてくれた。
居場所のない俺に、夏生の家を居場所にしてくれた。
女の子の服屋に初めて連れていってくれて、服を買ってくれた。
俺の家に一緒に行き、家族に打ち明けるキッカケを作ってくれた。
俺が俺らしくいられるよう、“おまじない”をかけてくれた。
将来が決まらない俺に、“夏生を守るため”という理由を与えてくれ、芸能界に入る決心をつけさせてくれた。
そして・・・
抱き締めて合って、俺の男の部分に触れて、優しく触れるだけのキスをして、
“お嫁さんに”と“大好き”と、何度も言ってくれた。
そこに意味なんて全くなかったけど。
特別な何かなんてなかったけど。
俺は、確かに幸せだった・・・。
男でも女でもないような、こんな俺が、心から幸せになれる瞬間だった・・・。
大好きだよ、夏生・・・。
自分のクレジットカードを店員さんに再度差し出す。
「お返しなんだ。
今度は、俺が応援する番。」
夏生に笑いかける。
「俺に、応援させてよ。」
男でも女でもないような、こんな俺が、唯一出来ることだから。
夏生は嬉しそうに笑い、素直に、頷いた。
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