91 / 206
4
4-15
しおりを挟む
「二葉!!飯!!!」
オーケストラの音楽を聞きながらゲームをしていると、仁に呼ばれた。
ダイニングテーブルに行くと料理が並べられている。
私はそれを見た後、キッチンに行き大きなお皿を1枚持って来た。
それを持って戻った私に、お母さんも仁も笑っている。
「行儀悪いのは分かってる、ごめん。」
「早く食ってゲームしたいんだろ?」
「うん・・・。」
椅子に座り、その大きなお皿に並んだ料理を次々に入れていく。
白米、麻婆豆腐、サラダ、シュウマイ。
それをスプーンでグチャグチャにして、飲むように食べていく。
「お父さんもこうやって食べるのよね。」
「俺、おじさんとあんまり会ったことねーからな。」
「お仕事、忙しいから。」
「寂しいなら寂しいって言えよ。
おばさんのこと大好きなんだから、おじさん大喜びするって。
言えばいくらか気持ち楽になるだろ?」
「寂しくないよ?
二葉もいるし、仁ちゃんだってよくきてくれるし。」
「俺らとはまた違うんだろ?
俺にはよく分からねーけど。」
お母さんと仁が、またこういう会話をする。
仁にはお母さんが“寂しい”と思っているように見えるらしい。
私には全然そう見えなくて・・・。
でも、仁がそう言うならそうなんだと思う。
私は、お父さんがいなくて寂しいと思ったことがない。
「ごちそうさまでした!!」
食器を全て重ねて、キッチンのシンクに置いた。
そして、またゲームをする。
お父さんが作ったゲームを、する。
お父さんの会社が作ったゲームを。
お父さんが代表取締役をしている会社のゲームを。
忙しくて全然会えないお父さん。
でも、私は全然寂しくない。
お父さんが作ったゲームの中で、私は生きているから。
リアルでは、お母さんと仁と“はじめさん”だけしか話せる人がいない。
たまに仁の友達や彼女が話してくれるけど、私には友達がいない。
お父さんにも会えないけど、それでも私は寂しくない。
お父さんが作ったゲームの中、私は生きている。
お父さんが作ったゲームの中では、私は何にでもなれる。
だから、寂しくはなかった。
オーケストラの音楽を聞きながらゲームをしていると、仁に呼ばれた。
ダイニングテーブルに行くと料理が並べられている。
私はそれを見た後、キッチンに行き大きなお皿を1枚持って来た。
それを持って戻った私に、お母さんも仁も笑っている。
「行儀悪いのは分かってる、ごめん。」
「早く食ってゲームしたいんだろ?」
「うん・・・。」
椅子に座り、その大きなお皿に並んだ料理を次々に入れていく。
白米、麻婆豆腐、サラダ、シュウマイ。
それをスプーンでグチャグチャにして、飲むように食べていく。
「お父さんもこうやって食べるのよね。」
「俺、おじさんとあんまり会ったことねーからな。」
「お仕事、忙しいから。」
「寂しいなら寂しいって言えよ。
おばさんのこと大好きなんだから、おじさん大喜びするって。
言えばいくらか気持ち楽になるだろ?」
「寂しくないよ?
二葉もいるし、仁ちゃんだってよくきてくれるし。」
「俺らとはまた違うんだろ?
俺にはよく分からねーけど。」
お母さんと仁が、またこういう会話をする。
仁にはお母さんが“寂しい”と思っているように見えるらしい。
私には全然そう見えなくて・・・。
でも、仁がそう言うならそうなんだと思う。
私は、お父さんがいなくて寂しいと思ったことがない。
「ごちそうさまでした!!」
食器を全て重ねて、キッチンのシンクに置いた。
そして、またゲームをする。
お父さんが作ったゲームを、する。
お父さんの会社が作ったゲームを。
お父さんが代表取締役をしている会社のゲームを。
忙しくて全然会えないお父さん。
でも、私は全然寂しくない。
お父さんが作ったゲームの中で、私は生きているから。
リアルでは、お母さんと仁と“はじめさん”だけしか話せる人がいない。
たまに仁の友達や彼女が話してくれるけど、私には友達がいない。
お父さんにも会えないけど、それでも私は寂しくない。
お父さんが作ったゲームの中、私は生きている。
お父さんが作ったゲームの中では、私は何にでもなれる。
だから、寂しくはなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
23
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる