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固まっている仁の下で、私は両手を上に伸ばす。



「ラスボス倒した!!!
ラスボス、攻略出来た!!」



「なんだよ、それ?」



「今のは絶対に私が倒した!!」




不思議そうな顔をしているラスボスの目の前に、両手で“ちょうだい”のポーズをする。




「仁、指輪ちょうだい?」



「指輪・・・?」



「モンスターを倒したら、金をゲット出来るでしょ?
ラスボスを倒したら、指輪をゲット出来るの!!
そしたら、ちゃんと夫婦になれるの!!」




私がそう言うと、仁が驚き・・・大声で大笑いをした。




「“ちゃんとした夫婦”って、そういうことか!!」



「まだ指輪してないから。
女の先輩から聞いたの、ちゃんと夫婦になる方法。」



「指輪な~・・・怖くて・・・。
指輪渡すとか、恐ろし過ぎてもうしたくないと思ってた!!」




仁がベッドから立ち上がり、寝室にあった棚の引き出しから長細い箱を取り出した。





「結婚指輪は一緒に買いに行くぞ!
それまで、それつけとけ!!」





そう言って、長細い箱を私に渡してくる。





指輪の箱にしては長細い・・・。






首を傾げながら箱の蓋を開けると・・・






大きなダイヤがついた指輪が・・・。






大きなダイヤがついた指輪が・・・







白いクマのボールペン、そのクマの顔にはめられていて・・・






白いクマのボールペンの隣には、茶色いクマのボールペンが並べて入れられていた・・・。






「ありがとう・・・仁・・・。」







指輪を、手に入れた・・・。








私は、指輪を手に入れた・・・。








ちゃんと夫婦になるための指輪を、手に入れた・・・。
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