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翌日 内定者懇親会
会社にある大きな会場で、内定者による立食パーティーのような会が開かれていた。
リクルートスーツでなく私服で参加だったので、わたしは少し綺麗目なワンピースを着て参加した。
会場に入るとすぐに、1人の女の子が話し掛けてくれた。
「わたしのこと、覚えてるかな?」
わたしもすぐに気付く。
「あ!最終面接で話し掛けてくれた?」
「そうそう!やっぱり内定貰えてたんだね、絶対この子は貰えるだろうな~って思ってた。」
小柄でボーイッシュな洋服を着た女の子が、ニカッと元気な顔で笑い掛けてくれた。
お互い自己紹介をして、この会社の選考の時のエピソードや、お互いの大学の話など楽しくお喋りできた。
少し経ってから懇親会がスタートし、他の内定者の女の子達ともみんなで盛り上がった。
みんな凄く良い子達で、連絡先も交換し入社する日が楽しみになる。
「わたし、飲み物取ってくるね。」
お酒はもう飲めなさそうなので、ソフトドリンクを取りに来た。
「きみ、早川さんでしょ?」
いきなり話し掛けられ、声の方を振り返る。
「俺、藤澤っていうの。
今日は参加する予定なかったのに、営業トップだから強制的に参加になってさ。」
爽やかに笑いながら、藤澤さんは「ウーロン茶?」と聞いてくれ、わたしは頷く。
「早川さんで、当たり?」
と、また聞かれ、わたしは慌てて頷き自己紹介をする。
「それ、“小さく見せるブラ”してるの?」
と、わたしの胸を指差しながら聞いてきた。
凄く恥ずかくて、思わず下を向く。
でも、ランジェリー業界だしな、と思い・・・
顔を上げ、藤澤さんを見る。
「“小さく見せるブラ”してるの分かりますか?」
と聞くと、藤澤さんは少し驚いた顔をしてから、笑った。
「前から見た時のシルエットが、ちょっと横に広がるよね?」
「そうなんです。
横にどうしても広がっていくだけなので、その分シルエットは横が広がっている状態になります。」
「着け心地はどうなの?」
「正直、谷間はよく肌荒れします、夏だけじゃなくて冬でも。」
「そりゃあそうか~・・・。」
藤澤さんは少し考えた後、「企画部の奴に言っておくわ。」と言って・・・
「早川さん、今彼氏は?」
と、聞かれた。
こういうのって・・・今の時代セクハラ・・・?
とも思ったけど、藤澤さんは全然厭らしい雰囲気がなくて・・・。
そういうのって相手によるんだな~とある意味勉強になった。
「好きな人がいます。
大好きで大好きで仕方なくて。」
そう言って笑うと、藤澤さんは頷きながら爽やかに笑った。
「これ、俺の名刺。
個人の連絡先も書いておくから。」
そう言って、名刺の裏にサッと連絡先を書いてくれた。
「入社してから困ったこと・・・主に異性関係で何か困ったことあったら俺に連絡していいから。
人事部の子ですげー頼りになる子いて、俺から直接話持っていけるから。」
そんなことを言ってくれ、わたしに名刺を渡してくれた。
「ありがとうございます。」
素直に受け取ると、藤澤さんはまた爽やかに笑って去っていった。
そして、内定者の男子達の集まりに混ざっていった。
会社にある大きな会場で、内定者による立食パーティーのような会が開かれていた。
リクルートスーツでなく私服で参加だったので、わたしは少し綺麗目なワンピースを着て参加した。
会場に入るとすぐに、1人の女の子が話し掛けてくれた。
「わたしのこと、覚えてるかな?」
わたしもすぐに気付く。
「あ!最終面接で話し掛けてくれた?」
「そうそう!やっぱり内定貰えてたんだね、絶対この子は貰えるだろうな~って思ってた。」
小柄でボーイッシュな洋服を着た女の子が、ニカッと元気な顔で笑い掛けてくれた。
お互い自己紹介をして、この会社の選考の時のエピソードや、お互いの大学の話など楽しくお喋りできた。
少し経ってから懇親会がスタートし、他の内定者の女の子達ともみんなで盛り上がった。
みんな凄く良い子達で、連絡先も交換し入社する日が楽しみになる。
「わたし、飲み物取ってくるね。」
お酒はもう飲めなさそうなので、ソフトドリンクを取りに来た。
「きみ、早川さんでしょ?」
いきなり話し掛けられ、声の方を振り返る。
「俺、藤澤っていうの。
今日は参加する予定なかったのに、営業トップだから強制的に参加になってさ。」
爽やかに笑いながら、藤澤さんは「ウーロン茶?」と聞いてくれ、わたしは頷く。
「早川さんで、当たり?」
と、また聞かれ、わたしは慌てて頷き自己紹介をする。
「それ、“小さく見せるブラ”してるの?」
と、わたしの胸を指差しながら聞いてきた。
凄く恥ずかくて、思わず下を向く。
でも、ランジェリー業界だしな、と思い・・・
顔を上げ、藤澤さんを見る。
「“小さく見せるブラ”してるの分かりますか?」
と聞くと、藤澤さんは少し驚いた顔をしてから、笑った。
「前から見た時のシルエットが、ちょっと横に広がるよね?」
「そうなんです。
横にどうしても広がっていくだけなので、その分シルエットは横が広がっている状態になります。」
「着け心地はどうなの?」
「正直、谷間はよく肌荒れします、夏だけじゃなくて冬でも。」
「そりゃあそうか~・・・。」
藤澤さんは少し考えた後、「企画部の奴に言っておくわ。」と言って・・・
「早川さん、今彼氏は?」
と、聞かれた。
こういうのって・・・今の時代セクハラ・・・?
とも思ったけど、藤澤さんは全然厭らしい雰囲気がなくて・・・。
そういうのって相手によるんだな~とある意味勉強になった。
「好きな人がいます。
大好きで大好きで仕方なくて。」
そう言って笑うと、藤澤さんは頷きながら爽やかに笑った。
「これ、俺の名刺。
個人の連絡先も書いておくから。」
そう言って、名刺の裏にサッと連絡先を書いてくれた。
「入社してから困ったこと・・・主に異性関係で何か困ったことあったら俺に連絡していいから。
人事部の子ですげー頼りになる子いて、俺から直接話持っていけるから。」
そんなことを言ってくれ、わたしに名刺を渡してくれた。
「ありがとうございます。」
素直に受け取ると、藤澤さんはまた爽やかに笑って去っていった。
そして、内定者の男子達の集まりに混ざっていった。
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