【完】お兄ちゃんは私を甘く戴く

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「強みを教えて下さい。」



柳川さんが紹介してくれた企業、加賀製薬の面接室・・・
やけに爽やかで格好良い男性と、りーちゃんと良い勝負になりそうなくらい可愛い顔をした女性が面接官をしている会社。



男性の面接官からそう聞かれ、僕は喋る。



「僕の強みは、設定したゴールに向かい追い求めることが出来ることです・・・。」



柳川さんからのレベルアップにより、“喋る”と“聞く”の力をレベルアップした僕が、喋る。



「職務経歴書にも記載しましたが、僕は建築会社でのアルバイトの他に動画配信の仕事をしていました・・・。」



職務経歴書を見ることなく、男性の面接官も女性の面接官も僕のことを凝視してくる。



「“妹”が登録しているチャンネル、“可愛くて美味しいまり姉”の動画配信を、約半年で美容系ランキングの上位に入るよう分析し戦略を立てました・・・。
今では登録者数100万人を超えるチャンネルになっています・・・。」



「まり姉の動画、君がそんなことしてたんだ？」



男性の面接官が驚いた顔でそんなことを言ってきて・・・。
男性なのにお姉ちゃんの動画を知っていることに少し驚く・・・。



男性の面接官が僕の顔ではなくて胸辺りを凝視し続け、そんな面接官に頷いた。



「経理や財務、従業員は2名ですが労務もやっております・・・。
御社では経理の募集での応募をしましたが・・・」



言葉を切った後に2人を見詰め返す・・・。



「将来的には、経営に携われるような人材になりたいと考えております・・・。」



そう、顔を上げて言った・・・。



そんな僕のことを、1度も視線を逸らすことなく2人の面接官は凝視していた・・・。



2人で同じような顔をして笑いながら・・・。