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その甘ったるい声に振り向くと、そこには女と男がいた。
女は明るい茶色の髪の毛、真っ青で豪華過ぎるドレスを着ていて、そこからは大きな胸が半分以上見えているように見える。



「乳首が見えちゃうんじゃない?
胸が大きいのも大変だよね。」



自分のスカスカになってしまった胸を両手でおさえながら言うと、女の隣に立っていた金色の髪の毛をした男が楽しそうに笑って吹き出した。



「ナンフリーク殿下!!大丈夫ですか!?」



女が大袈裟に心配しながら身体というか胸を男に押し付け、背中を擦っている。



「うん、大丈夫・・・っごめんなさい、凄く面白くて。」



初めて会ったこの男、悪いモノには見えないこの男がナンフリーク殿下。
我慢出来ていない笑い声を出し続けながら、やんわり自分の身体を女の身体から逃がそうとしている。



「初めましてですよね、ナンフリーク・エントルシアです。
僕の方は遠目で見掛けたり噂話は沢山聞いているので初めてな気がしませんけど。」



「初めまして。
カルティーヌと申します。
ステル皇太子殿下と先日結婚をし、カルティーヌ・マフィオスからカルティーヌ・エントルシア・ルルになりました。」



「王族の者だけが付けられるもう1つの名を付けたのですね。
ですがそれを呼ぶということは良好な親しい関係であるという証にもなるので、僕に教えてくれるのはまだ早いかもしれませんね。」



「いえ、早くはありませんよ。
これから良好な親しい関係になるのですから。」



私の言葉にナンフリークは少しだけ驚いた顔をしたけれど、すぐに嬉しそうな顔で笑った。
悪いモノではないのは分かる。
でも、王の器がないのも分かる。
この男ならステル殿下の方がずっと王の器があると分かってしまう。



「じゃあ、私もルルって呼びます!
ナンフリーク殿下とは昨晩も愛を育みましたので、そろそろ私達も婚約することになるかと思います!」



大きな胸がユサユサと揺れながらそう話してきて、私は胸を見ながらナンフリーク殿下に聞く。



「胸が大きな女が好きなの?」



「いえ、そういうわけではないのですが・・・。」



「この女が1番迷香薬が効きやすかった?」
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