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私から目を逸らしながら不貞腐れた顔で小さく呟いたステル殿下。
いつもは感じない歳の差が今は感じられた。
月明かりの光りの中、美しい顔で不貞腐れているステル殿下に言う。
「王宮での会話は鵜呑みにしない方がいいよ?」
私の言葉にステル殿下がパッと私の方を向いてきた。
少しだけ期待しているその顔に笑顔で伝える。
「本当の話だけどね!!
本当の話も王宮でされてるのが確認出来た!!」
私が大笑いしながら続けると、ステル殿下は苦しそうに顔を歪めながらまた私から目を逸らした。
「今さらそんなことで落ち込んでるの?
ステル殿下と結婚なんてしたくなかったと思ってることは分かってたでしょ?
私がインソルドで結婚式を挙げてきた話を知ってたくらいだし。」
「そうだが・・・カルティーヌは俺と結婚なんてしたくなかったとハッキリと聞いたら・・・っ」
「誰から聞いたの?ナンフリーク殿下?」
「いや、女から。
青いドレスを着ていた。」
「あ、胸の大きな女?」
「そこまでは見ていない。
茶色の髪の色をした女。
・・・だが、言われてみれば胸が大きかったかもしれない。
俺の腕に絡まりながら耳元でそう囁いてきた。
だから俺の正室か側室にして欲しいと。
俺のことをずっと好きだったと言って。」
「あの女、ナンフリーク殿下の妃候補だよ?
ナンフリーク殿下は女を迷香薬で惑わせてるみたい。
たぶんナンフリーク殿下は貴族の女達と毎夜戯れてはいないと思う。
女達に都合の良いモノを見せているだけで。」
「そうか・・・あの女からした匂いは確かに迷香薬だった、微かにだったが。
ナンフリーク殿下が毎夜別の女と性行為に溺れているという噂には違和感があった。
カルベルから聞いた時は思わず何度も確認し、その後もカルベルに夜の調査に行かせたくらいに。」
「カルベルと知り合いなの?
コック見習いの?」
「そうだな、そのカルベルだ。
カルティーヌも知り合ったか?」
「うん、王宮の端の方にある古い扉の向こう側で会った。
男と女が隠れて会うっていう場所で。」
「俺もそこでたまにカルベルと話していた。」
「じゃあ、あそこで会ってたのはカルベルとなの?」
「いや、カルベルとはそのついでに。」
「・・・そう。」
やっぱりあそこで女と会っていたらしい。
さっきまでは私に対して物凄く不貞腐れていたはずのステル殿下。
私にモヤモヤしている気持ちを伝えたからかスッキリとした顔はしている。
「私は胸が小さくなっちゃったし、あの女を正室にでも側室にでも迎えていいよ?」
いつもは感じない歳の差が今は感じられた。
月明かりの光りの中、美しい顔で不貞腐れているステル殿下に言う。
「王宮での会話は鵜呑みにしない方がいいよ?」
私の言葉にステル殿下がパッと私の方を向いてきた。
少しだけ期待しているその顔に笑顔で伝える。
「本当の話だけどね!!
本当の話も王宮でされてるのが確認出来た!!」
私が大笑いしながら続けると、ステル殿下は苦しそうに顔を歪めながらまた私から目を逸らした。
「今さらそんなことで落ち込んでるの?
ステル殿下と結婚なんてしたくなかったと思ってることは分かってたでしょ?
私がインソルドで結婚式を挙げてきた話を知ってたくらいだし。」
「そうだが・・・カルティーヌは俺と結婚なんてしたくなかったとハッキリと聞いたら・・・っ」
「誰から聞いたの?ナンフリーク殿下?」
「いや、女から。
青いドレスを着ていた。」
「あ、胸の大きな女?」
「そこまでは見ていない。
茶色の髪の色をした女。
・・・だが、言われてみれば胸が大きかったかもしれない。
俺の腕に絡まりながら耳元でそう囁いてきた。
だから俺の正室か側室にして欲しいと。
俺のことをずっと好きだったと言って。」
「あの女、ナンフリーク殿下の妃候補だよ?
ナンフリーク殿下は女を迷香薬で惑わせてるみたい。
たぶんナンフリーク殿下は貴族の女達と毎夜戯れてはいないと思う。
女達に都合の良いモノを見せているだけで。」
「そうか・・・あの女からした匂いは確かに迷香薬だった、微かにだったが。
ナンフリーク殿下が毎夜別の女と性行為に溺れているという噂には違和感があった。
カルベルから聞いた時は思わず何度も確認し、その後もカルベルに夜の調査に行かせたくらいに。」
「カルベルと知り合いなの?
コック見習いの?」
「そうだな、そのカルベルだ。
カルティーヌも知り合ったか?」
「うん、王宮の端の方にある古い扉の向こう側で会った。
男と女が隠れて会うっていう場所で。」
「俺もそこでたまにカルベルと話していた。」
「じゃあ、あそこで会ってたのはカルベルとなの?」
「いや、カルベルとはそのついでに。」
「・・・そう。」
やっぱりあそこで女と会っていたらしい。
さっきまでは私に対して物凄く不貞腐れていたはずのステル殿下。
私にモヤモヤしている気持ちを伝えたからかスッキリとした顔はしている。
「私は胸が小さくなっちゃったし、あの女を正室にでも側室にでも迎えていいよ?」
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