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大きな声で泣き続けている第2皇子よりも大きな声で叫びながら走り・・・
すぐ真後ろに大きな“何か”の気配を感じながら、俺は第2皇子をその場に置き・・・
腰に差してあった剣を抜いた。
そしてその剣を持ったまま勢いよく振り返り、大きな声で叫びながら切り付けた。
間髪入れずに深く差し込み、その剣を下に思いっきり下ろし素早く抜き・・・
もう1体を・・・
もう1体を倒そうとしたのに、さっきまで視界に入っていたもう1体がいない。
咄嗟に辺りを見渡したら、いた。
いた・・・。
俺ではなく、ひび割れた地面に寝かされ泣き続けている第2皇子に襲い掛かろうとしている。
太くて長い腕、鋭い爪が伸びているその腕を第2皇子に振り下ろした。
振り下ろした、その瞬間・・・
「・・・ギャ・・・っっ」
お父様がどこから現れたのか一瞬で姿を見せ、魔獣を瞬間的に倒した。
白い霧の中、返り血を浴びたお父様が赤く染まっている。
そんなお父様を見ながら俺は慌てて第2皇子の元へと走ると・・・
第2皇子は血塗れだった・・・。
血塗れのまま泣いている・・・。
「どこか怪我したのかな・・・!?」
「魔獣の血だろ。」
お父様の冷たい声が聞こえ、その後・・・
「・・・・・・・っっっ」
頬を思いっきり叩かれた。
それでも第2皇子を抱き締め続けたまま足を踏ん張ると、お父様が俺を見下ろしながら深く頷いた。
「俺の指示は何だった?」
「逃げろ。」
「そうだ、戦えなんて一言も言っていない。」
「はい。」
「逃げても追い付かれていた場合はどうするのが最善だった?」
「第2皇子をこの胸に抱き締めたまま、俺が代わりに殺られて時間を稼ぐ方法が最善でした。」
「そうだな、それが最善だった。
命の重さに変わりはないはずだが、変わる場合がただ1つだけある。」
「国王陛下の命。」
「そうだ、その命だけは何よりも重い。
自分の命だと思って守り続けろ。
戦うよりも守り続けろ。
その命はお前の命1つよりもいずれ多くの命を救える命になる。」
「はい。」
口の中から血の味がする中返事をすると、俺の頭をお父様が力強く撫でてきた。
「父親としては、さっきのお前の判断は懸命な判断だったと褒めておく。
初めての実戦、それも初めて見る魔獣をよく倒せたな。」
優しく笑うお父様に笑い返していた時・・・
「グース・・・?
お前、何でグースを連れて子どもや赤子まで連れて“死の森”に・・・?」
足が1本失くなりながらも剣を杖のようにして歩き、濁った灰色の熊のような魔獣を連れている男が聞いてきた。
すぐ真後ろに大きな“何か”の気配を感じながら、俺は第2皇子をその場に置き・・・
腰に差してあった剣を抜いた。
そしてその剣を持ったまま勢いよく振り返り、大きな声で叫びながら切り付けた。
間髪入れずに深く差し込み、その剣を下に思いっきり下ろし素早く抜き・・・
もう1体を・・・
もう1体を倒そうとしたのに、さっきまで視界に入っていたもう1体がいない。
咄嗟に辺りを見渡したら、いた。
いた・・・。
俺ではなく、ひび割れた地面に寝かされ泣き続けている第2皇子に襲い掛かろうとしている。
太くて長い腕、鋭い爪が伸びているその腕を第2皇子に振り下ろした。
振り下ろした、その瞬間・・・
「・・・ギャ・・・っっ」
お父様がどこから現れたのか一瞬で姿を見せ、魔獣を瞬間的に倒した。
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そんなお父様を見ながら俺は慌てて第2皇子の元へと走ると・・・
第2皇子は血塗れだった・・・。
血塗れのまま泣いている・・・。
「どこか怪我したのかな・・・!?」
「魔獣の血だろ。」
お父様の冷たい声が聞こえ、その後・・・
「・・・・・・・っっっ」
頬を思いっきり叩かれた。
それでも第2皇子を抱き締め続けたまま足を踏ん張ると、お父様が俺を見下ろしながら深く頷いた。
「俺の指示は何だった?」
「逃げろ。」
「そうだ、戦えなんて一言も言っていない。」
「はい。」
「逃げても追い付かれていた場合はどうするのが最善だった?」
「第2皇子をこの胸に抱き締めたまま、俺が代わりに殺られて時間を稼ぐ方法が最善でした。」
「そうだな、それが最善だった。
命の重さに変わりはないはずだが、変わる場合がただ1つだけある。」
「国王陛下の命。」
「そうだ、その命だけは何よりも重い。
自分の命だと思って守り続けろ。
戦うよりも守り続けろ。
その命はお前の命1つよりもいずれ多くの命を救える命になる。」
「はい。」
口の中から血の味がする中返事をすると、俺の頭をお父様が力強く撫でてきた。
「父親としては、さっきのお前の判断は懸命な判断だったと褒めておく。
初めての実戦、それも初めて見る魔獣をよく倒せたな。」
優しく笑うお父様に笑い返していた時・・・
「グース・・・?
お前、何でグースを連れて子どもや赤子まで連れて“死の森”に・・・?」
足が1本失くなりながらも剣を杖のようにして歩き、濁った灰色の熊のような魔獣を連れている男が聞いてきた。
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