【完】死神にウェディングドレスを

Bu-cha

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10月・・・。



「お兄ちゃんのバカ!!!
・・・アホ!!!」



理子がギャン泣きしながら俺のことを睨み付けてくる。
そんな理子に俺は口を開く。



「じいちゃんとばあちゃんがいるだろ!!
“お母さんお母さん”言ってるんじゃねーよ!!」



じいちゃんは仕事でいない。
桃子はまだ中学から帰っていない。



ばあちゃんがオロオロとしながら何かを言っているけど、理子も俺にも耳には入らない。



「それに、桃子だって“お母さん”じゃねーだろ!!
桃子に“お母さん”やらせるなよ!!」



「だって、桃子は“お母さん”になれるんだもん・・・!!
桃子は理子の“お母さん”になれるんだもん!!」



そんな意味の分からないことを理子が今日も叫ぶ。



「こんな家出ていく!!!
“お母さん”と暮らしてた家にいく!!」



「大人になってからなって、じいちゃんから言われてるだろ!!
大人になるまで大人しく待ってろ!!」



「その前に食べられる!!!
妖怪に食べられる!!!」



「何度言えば分かるんだよ!?
じいちゃんとばあちゃんは妖怪じゃねーから!!!」



幼稚園の年中の理子がそんなガキみいなことをまだ言っている。



「妖怪だよ・・・!!!
2人は妖怪なんだよ・・・!!!
だって、理子のことは全然分かってくれない・・・!!!
ちょっとも分かってくれない・・・!!!
お父さんとお母さんのことも妖怪が殺して食べちゃったんだよ・・・!!」



「お前のことなんて誰が分かるかよ!!
いつも意味不明なこと言いやがって!!!」



「何で分かってくれないの!?
何でお兄ちゃんも分かってくれないの!?
理子はここに行きたいの!!
ここで暮らしたいの・・・!!!!!」



理子がそう言って、写真が貼られているアルバムを開き指差した。



そこには、父親と母親が楽しそうに笑いながら・・・



小さな頃の俺と写っている写真が・・・。



そして、理子がまたアルバムをめくり・・・



「“お母さん”に会いたい・・・!!
理子、“お母さん”に会いたいよ~・・・!!!!」



事故で死ぬ直前に撮った写真・・・。
母親と俺と理子、そして良樹と桃子・・・。



その全員で、社宅といわれていたマンションの部屋で笑顔で写っている写真が・・・。



「ここに住みたい・・・!!
理子、ここに住みたいの・・・!!
こんな家じゃなくて、“お母さん”がいた家に・・・住みたい・・・!!!」
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