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「こんなに食べられないって・・・。」
牛丼を大盛でよそい、ダイニングテーブルについた母ちゃんの前に置くと母ちゃんがそう言った。
「そんなこと言ってねーで食えって!!
食欲はあるんだよな!?」
「食欲はあるし、いつも夜ご飯はちゃんと食べてるじゃん。」
「そうだけど、マジで大丈夫かよ・・・?
今年の会社の健康診断、問題なかったんだよな?」
「うん、オールA。
まだ23歳だしね、お母さん。」
「その検査、若いと色んな検査してくれねーんだろ?
この前渡から聞いた!!
追加でちゃんと色々検査しておけよ。」
俺が今日もそう言うと、母ちゃんは何でもない顔で笑う。
「うん。」
「・・・やるつもりねーだろ!?」
「・・・そうなったらそうなったらで、お母さんはもういいから。
もう・・・それでも、いいのかなって。」
母ちゃんがそんなことを言い出したから、俺は口を大きく開けた。
「着るんだろ、ウェディングドレス。」
そう言った俺に、母ちゃんはゆっくりと俺を見てきた。
「ウェディングドレスを着て、幸せになるんだろ?」
何も言わない母ちゃんに、俺は笑う。
「母ちゃんのウェディングドレス姿、俺楽しみにしてるからな。
ウェディングドレス姿で1番幸せそうな顔で笑う母ちゃんを、俺楽しみにしてるんだよ。
だから、その前にあっけなく死んだりするなよ?」
そう言って、笑う。
また、自分を殺してでも笑う。
何度も何度も何度も、俺は俺を殺した。
いつからか嫌でも自覚をした、この人への想い。
そんな想いを持ってしまった俺を、俺は何度も何度も何度も殺した。
母ちゃんに幸せになって貰う為に。
俺と理子の“お母さん”としてだけではなくて・・・
ちゃんと・・・
ちゃんと・・・
“桃子”としての人生で、
幸せになって貰う為に・・・。
呆然とした顔で俺を見詰めてくる母ちゃんに、俺は笑う。
「死神に、ウェディングドレスを。」
何度だって、俺は俺を殺してみせる。
起き上がれるから・・・。
俺だって、起き上がれるから・・・。
妙子のように、俺だって起き上がれるくらい強い精神を持っているから・・・。
学んだから・・・。
妙子を見て、学んだから・・・。
不滅の精神を、俺は妙子から学んだから・・・。
何度だって死んで・・・
それでも、また起き上がってみせる・・・。
「俺が、死神の“桃子”にウェディングドレスを着せてやるから。
絶対に、着せてやるから。
“お母さんのウェディングドレス”を、着せてやるから。」
そう言った俺に、母ちゃんは静かに泣いていた。
泣きながら、牛丼を静かに食べ続けていた・・・。
牛丼を大盛でよそい、ダイニングテーブルについた母ちゃんの前に置くと母ちゃんがそう言った。
「そんなこと言ってねーで食えって!!
食欲はあるんだよな!?」
「食欲はあるし、いつも夜ご飯はちゃんと食べてるじゃん。」
「そうだけど、マジで大丈夫かよ・・・?
今年の会社の健康診断、問題なかったんだよな?」
「うん、オールA。
まだ23歳だしね、お母さん。」
「その検査、若いと色んな検査してくれねーんだろ?
この前渡から聞いた!!
追加でちゃんと色々検査しておけよ。」
俺が今日もそう言うと、母ちゃんは何でもない顔で笑う。
「うん。」
「・・・やるつもりねーだろ!?」
「・・・そうなったらそうなったらで、お母さんはもういいから。
もう・・・それでも、いいのかなって。」
母ちゃんがそんなことを言い出したから、俺は口を大きく開けた。
「着るんだろ、ウェディングドレス。」
そう言った俺に、母ちゃんはゆっくりと俺を見てきた。
「ウェディングドレスを着て、幸せになるんだろ?」
何も言わない母ちゃんに、俺は笑う。
「母ちゃんのウェディングドレス姿、俺楽しみにしてるからな。
ウェディングドレス姿で1番幸せそうな顔で笑う母ちゃんを、俺楽しみにしてるんだよ。
だから、その前にあっけなく死んだりするなよ?」
そう言って、笑う。
また、自分を殺してでも笑う。
何度も何度も何度も、俺は俺を殺した。
いつからか嫌でも自覚をした、この人への想い。
そんな想いを持ってしまった俺を、俺は何度も何度も何度も殺した。
母ちゃんに幸せになって貰う為に。
俺と理子の“お母さん”としてだけではなくて・・・
ちゃんと・・・
ちゃんと・・・
“桃子”としての人生で、
幸せになって貰う為に・・・。
呆然とした顔で俺を見詰めてくる母ちゃんに、俺は笑う。
「死神に、ウェディングドレスを。」
何度だって、俺は俺を殺してみせる。
起き上がれるから・・・。
俺だって、起き上がれるから・・・。
妙子のように、俺だって起き上がれるくらい強い精神を持っているから・・・。
学んだから・・・。
妙子を見て、学んだから・・・。
不滅の精神を、俺は妙子から学んだから・・・。
何度だって死んで・・・
それでも、また起き上がってみせる・・・。
「俺が、死神の“桃子”にウェディングドレスを着せてやるから。
絶対に、着せてやるから。
“お母さんのウェディングドレス”を、着せてやるから。」
そう言った俺に、母ちゃんは静かに泣いていた。
泣きながら、牛丼を静かに食べ続けていた・・・。
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