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「も"も"こ"ーーーーーーっっ」



黄金の光に包まれる光一を見上げていたら、 そんな声が聞こえてきて・・・。



「あ、こら理子・・・!!」



知らない男の人が理子の名前を呼び、慌てながらギャン泣きしている理子を追い掛けてきた・・・。



理子は真っ赤な顔で口を大きく明けながら、両手を広げて勢い良く私に飛び込んできた・・・。



いや、飛び込もうとして・・・やめた。



「ち"!!ち"!!ち"~~~!!!
しんじゃう~!!ももこもしんじゃう~!!!
い"や"~~~~!!!!」



と、ギャン泣きしている・・・。
私が中学に入る前に理菜さん達が住む社宅へと引っ越してきた私とお父さん。
理子と普通には仲良くはなれたけど、こんな風になるまでは仲良くなれていなくて・・・。
そう、思っていて・・・。



でも・・・



理子が私の血を見ながらギャン泣きし、私の汚いであろう顔面をマジマジと見詰めながら・・・



抱き付いてきた・・・。



抱き付いてきた・・・。



初めて、私に抱き付いてきた・・・。



小さな手で必死に私にしがみつき、泣いている・・・。



その温かすぎる身体を、私もソッと抱き締める・・・。



「い"や"~~~!!!
ももこまでいなくなったら、いや~!!!
ももこまでしんだら、いや~!!!」



理子のその言葉を聞いて・・・。
その叫びを聞いて・・・。



理子の背中を、優しくポンポンッと叩く・・・。
いつも理菜さんがやっていたように、優しく叩く・・・。



そんな私と理子の姿を、理子を追ってきた男の人は優しい顔で見下ろしていた。
そんな渡とまた再会するのは、もう少し後の出来事・・・。



私と理子の姿を、光一はやっぱり面倒そうな顔をしながらも見下ろして・・・。



口をゆっくりと開いた。



私のことを見て、開いた。



「帰るぞ、桃子。」



そう言って私の血塗れの腕を右手で掴んできた光一の顔には、赤い光りが・・・。



このグチャグチャの部屋の外・・・。
その現実世界では、太陽が黄金の光りから赤く染まる夕陽に変わったのだとそれで分かった・・・。



真っ赤に染まった光一の顔を見て思うことは1つで・・・。



夕陽の赤ではなくて、いつか私に恋をして赤く染まってくれればいいのになと・・・。



8歳も年下の悪ガキに、クソガキに、“破壊神”に・・・



クソババアで死神の私は夢見てしまった・・・。



光一だけが知っている私の姿・・・



そんな私に、ウェディングドレスを・・・。



死神に、ウェディングドレスを・・・。
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