【完】死神にウェディングドレスを

Bu-cha

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「・・・オッ!」



そんな声が聞こえてきたかと思ったら、板東社長の隣には須崎社長が座っていて・・・。
私を見た瞬間、勢い良く立ち上がって鬼の形相で近付いてきた。



「誰にやられた!?
次は、誰にやられた!!!??」



そんな怒鳴り声を久しぶりに聞いて、私は両手で耳を塞ぎながら笑った。
普段は気の良いおじさまなのに、たまに須崎社長はこうなる。
こうなって、戦う。



でも、その目には愛がある。
厳しくも激しい、愛がある。



「さっき三好が出ていって話し声も聞こえたしな、三好か!?
あいつ・・・こんな風には泣かせちゃダメだろ・・・でも、あいつ・・・。
ああぁぁあ!!佐竹だな!!!??
佐竹だろ!!!!佐竹しかいない!!!
だから俺は嫌だったんだよ!!!
だから俺だけは必死に止めたんだよ!!!
もう決定事項だったけど、それでも天野とかいうガキに止めたんだよ!!!
あいつはこういう奴なんだよ!!!
佐竹はな!!!そういう奴なんだよ!!!」



久しぶりの怒鳴り声に、私は笑いながら両手で耳を塞ぎ続ける。
久しぶりに見た・・・。
久しぶりに、須崎社長のこの姿を見た。



そして・・・



須崎社長の向こう側で、椅子から立ち上がりこっちも鬼の形相でいる板東社長。
でも、それは・・・私にではなく、須崎社長を見ながら。



それには苦笑いをしながら口を開く。



「佐竹部長ではありません。
佐竹部長とは・・・その、むしろ何も話していないくらいに、私とは何もありません。」



私がそう言うと、須崎社長は物凄く安心した顔になった。
私とは何もなかった佐竹部長。
でも、光一からさっき聞いた話では、何度も小言を言われていたらしい。



“黒住さんを口説くなら、ちゃんと女性関係を綺麗にしてからにしてください”
そう、何度も言ってきたらしい。



光一は軽く流していたら、昨日言われたそう。
“年下の可愛い彼女とは、別れたんですか?”と・・・。
あの日の私の歓迎会に勿論いた佐竹部長が、そう言ってくれたらしい。



私とは何も接点のなかった佐竹部長がそこまでしてくれていたと知り、嬉しい気持ちになっていると・・・



「まだそんなメイクしてるから舐められるんだよ、桃子ちゃん。」



と・・・。



須崎社長が、私を“桃子ちゃん”と呼んだ。
何故か、“桃子ちゃん”と呼んできて・・・



「確かに、入社してくる時にメイクで“武装”するようには言ったけどさ~。
中学校を卒業したばっかりの子だったし。
何故か子どもも2人いるとか言ってたしね~?
だから、必要以上に余計なことを言われたりされないように、ダサい格好をしてそんな子には見えないような武装をしなとは言ったけどさ~。」



須崎社長が困ったように笑い、私を見る。



「折角可愛くて美人なんだから、誰にも何も言わせないくらいの武装をしな?
今度は、そういう武装をさ~。」
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