その恋、チロが全力で応援します。

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それには複雑な気持ちになりながら光り輝く指輪を見下ろしていると・・・



守が箱から指輪を抜き取った。



「チロが俺の所からいなくなってから、コレをもっと早く渡せば良かったと死ぬほど後悔しまくってた。」



”嬉しい"ではなくやっぱり複雑な気持ちになりながらその指輪を見下ろしていると、守が指輪を少し回転させ指輪の内側を見せてきた。



「もっと早く・・・、チロが高校1年だった頃とまでは言わねーけど、チロが二十歳くらいの時には渡しておけば良かった。」



指輪の内側には”Mamoru to chihiro"と刻印されている・・・。



「この指輪を買った時にはめちゃくちゃ最低なことを考えながら買ったけど、チロが消えて200回くらい後悔しながら死んでる時にチロの居場所が分かって、もう1度俺のことを好きになって貰えるように頑張りまくって、これを受け取って貰えるまで死ぬ気で頑張ろうと決意してこの刻印は刻んだ。」



守の片手がまた私の腰に回ってきて、守に軽く抱かれながら2人の名前が刻まれた指輪を見下ろす。



自然と流れてきた涙をそのままに・・・。



「全然頑張れてなかったよ・・・？
電話でも普通に諦めそうになってたし、さっきだって架空の相手を下げる発言をしてただけで私への気持ちとかよく分からなかった・・・。」



思わず笑顔になってしまっている顔はそのままに文句を言うと、守が私のことを片手でギュッと抱き締め・・・



「こんなに遅くなるまで気付けなくて本当にごめん・・・。
俺のエースは昔からチロだけだったのに、それに気付くのにこんなに時間が掛かってこんなにチロのことを利用して傷付けまくった・・・。」



謝罪の言葉は口にした守に、私の方から聞く。



「こんな顔なのに、私のことを女として好きになってくれたの・・・？」