その恋、チロが全力で応援します。

Bu-cha

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「チロが消えた・・・っ。
実家からいなくなったっ、青兄チロから何か報告受けてる・・・っ?」



走りながら青兄に電話を掛ける。



『チロからの報告は全部お前が受けてるだろ。
俺の所になんてここ何年も”明けましておめでとうございます"とも連絡こねーよ。』



「それは俺が毎年止めてる!!
チロが青兄に連絡するとか俺無理だし!!」



『セフレなのに嫉妬するタイプなんだよな、お前。』



「だから・・・!!!
チロのことをセフレとか言うなって!!!
今度チロにソレ言ったら俺会社辞めるからな!?」



『はいはい、チロ本人にはもう言わねーよ。
まあチロも26だし一人暮らしくらいするだろ。
住所は?
俺の会社の社員だし、把握しておく必要があるから。』



「住所が分かってたらこんなに探し始めてねーから!!
それに住所が分かっても青兄には言わねーよ!!
掃除屋担当の人事に報告しておく!!」



『いや、俺社長だぞ?
チロが絡むと俺の扱い毎回酷くね?』



「23の大人が高1のチロを口説いたとかマジでドン引きだったし、あれから青兄とチロの組み合わせは心の底から無理になった!!!」



そう言い切った後、チロと2人でよく行く居酒屋の扉を開けた。



そして店内を見渡し、「また来ます!」と大将に言って扉を閉めた。



「おばさんが住所を絶対に教えてくれなかった・・・っっ。
最寄り駅も答えてくれなかった・・・っっ。
電話も出ねーしメッセージも既読にならない!!
青兄、どうすれば良いと思う!?」



『ガキの家出でもなく26の一人暮らしだろ?
チロのことになると心配しすぎだろ。
そのうち向こうから連絡くるだろ。』



「そのうちっていつだよ・・・!?
”落ち着いたら"って、何だよ・・・!?
何をどう落ち着かせるつもりだよ・・・!?」



『うるせーな、叫ぶなよ、耳が死ぬだろうが。』



「死んでるのは俺だよ・・・っっ」



フッと立ち止まり、コートのポケットに入れていた指輪の箱を握り締めた。



「何処に行ったんだよ・・・。」



『マ◯コがなくなったからって大袈裟な奴だな。
これを機に彼女とセックスしてみろよ。
お互いにマ◯コもチ◯コもあるからちゃんとした彼女も彼氏も作れねーんだろ?』



「青兄、もう切る。
こういう系の話には青兄のアドバイスは何も参考になんねー・・・。」



『はあ!?お前、俺はワンスターのしゃちょ・・・・・っ』



青兄が叫んでいる途中で電話を切った。
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