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第七話
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成瀬と保田の二人と別れ、家に帰る途中スマホの呼び出し音が鳴った。
ミヨからだ。
『どうしたサトル?何の用だ?』
「ホンッッット…ミヨって肝心な時に連絡つかないよな。」
『なんだその言い草は!時間がある時にって書いてたのはサトルじゃないか!』
「そりゃそーだけどさ、こっちもお前に報告しなきゃなんないこととか、色々あり過ぎて大変なんだぞ。」
『…なぁサトル…お前は本当に私の事を何だと思ってるんだ?何度も言うが私は神だぞ神!もっと敬えよ!』
「はいはいそーでした。神様でしたねぇ。じゃその偉ーい神様にご報告です。」
『また馬鹿にした喋り方しおって…。』
「エリーの居た世界でとんでもないモノ見つけちゃったんだけどなぁ。コレは報告しなくてもいーのかなぁ?」
『だぁーもう面倒くさいヤツだなぁ。サッサと言えよ。』
あんまり揶揄ってると話聞いてくれなくなりそうだな。
「じゃ改めて。単刀直入に言いますよ。エリーの居た世界って、異世界なんかじゃなくて本当は未来の地球なんじゃないのか?」
『何を根拠に?』
「向こうでとある部屋を見つけちゃったんだよね…。」
あの部屋のことをミヨに事細かに話した。
『ほう。ではその部屋の主人がハジメと言う名だというんだな?そして、お前たちの居る時代の人間だと…。』
「そう考える方が自然だろ?で、やっぱり未来の地球な訳?」
『うーん。 確かにエリーの居た世界は未来の地球と言えば未来の地球だが、必ずしもお前たちの居る時間軸の延長線上にあるとは限らないぞ。』
「どう言うこと??」
『所謂パラレルワールドと言うことだ。そのハジメと言う奴の部屋は、ムートリアとか言う封印されてた城の地下にあったんだろ?では少なくとも1500年以上昔に召喚なりなんなりの事象があった事になる。そのハジメと言う奴が、そこでいったい何をしていたのかは知らんがな。』
「そうなんだよな、そこはオレも気になってた処ではある。それに時間の進み方が違うのも気になるんだけど…。」
『うーん…しかしだな、私の知る限りでは、お前の居る世界とエリーの居た世界は別の物として存在している訳だ…。二つの世界の類似点や何故一方的にゲートが開くのかに関しても、隣り合ったパラレルワールドだからこそ起こりうる現象だと思うんだが?』
「だったら、あそこは何なんだ?」
『そう結論を急ぐなよ。異世界と言っても色々な種類があるんだ。例えばお前たちの好きなファンタジー色満載の世界も異世界だし、お前たちの居る世界と何ら変わらない異世界も存在する訳だが…。』
「それは分かるけどさ、確かに未来の地球って言われてもどう進化したら、あんなモンスターが生まれるのか分からないし、文明の進化の過程も想像がつかないし…って言うかむしろ退化してる感じだし…。さっぱりわかんねぇ。」
『まぁお前の頭じゃな…(笑)』
「悪かったな、どーせ学は無いですよ…。」
『まぁ、私の見解では別の世界だと思うぞ。』
スルーかよ…。
『可能性があるとすればお前たちの居る世界のいつかの時代の何処かのタイミングで分岐したパラレルワールドって考えるのが一番無理が無いかな?』
「パラレルワールドねぇ。いかにもって感じの解答だな。」
『なに?』
「だってさ、この手の話って結局パラレルワールドって言ってれば成り立つ的な?言い訳みたいな?」
『なにが言いたい?』
「神様なのに正確な答えは出せないんだなぁって….。」
ちょっと意地悪い言い方だったかな?
『…私にも解らない事くらいあるぞ。前にも言ったと思うが、私は神の一人ではあるが、この場所の番人だ。専門外のことなど知っておく必要も無いんだよ。』
あ、開き直った。
『それに、そんなに真実を知りたいか?まぁお前が未来の事を知ったとして、万に一つも無いだろうが、それがキッカケでタイムパラドックスが起きないとも限らないだろ?知らなくていい物は知らなくていいんだよ。』
まぁ確かになぁ、未来の事を知ったとしても、俺には何も出来ないしなぁ。
「でもさ、気になるじゃん?このハジメってヤツ。それに、ほらエリーの居た街が滅んだ奇病の原因ってドラゴンの呪い的なものだった訳だけど、ホントにそれだけなのか?もし違ってたら、それを食い止める手段とか考えなくて良いのか?そこにヒントって言うか手掛かりみたいなモノがあったりとか…。」
『あのな…サトル…お前は神か?無闇によその世界の事象に関与するのはご法度だろ?ただでさえお前たちは、向こうの世界に関わってるんだから…。』
「でもさぁ…。」
『でもさぁじゃない!どこの世界にも自然の摂理ってモノがあるんだ。あんまり首を突っ込むのは感心しないぞ…本当にお前は…。』
その後、家に帰り着いてもミヨの説教は続き気づくと22時を回ってた。
そう言えば、晩飯も食ってないな。
冷蔵庫を開けて、何か食べ物が無いか探してみたが、ろくな物が無い。
あー、くそっ帰りにコンビニでも寄れば良かったな。
ミヨには、ああ言われたがやっぱり気になる。
とりあえず明日またムートリアに行って分かった事は伝えてこよう。
ミヨからだ。
『どうしたサトル?何の用だ?』
「ホンッッット…ミヨって肝心な時に連絡つかないよな。」
『なんだその言い草は!時間がある時にって書いてたのはサトルじゃないか!』
「そりゃそーだけどさ、こっちもお前に報告しなきゃなんないこととか、色々あり過ぎて大変なんだぞ。」
『…なぁサトル…お前は本当に私の事を何だと思ってるんだ?何度も言うが私は神だぞ神!もっと敬えよ!』
「はいはいそーでした。神様でしたねぇ。じゃその偉ーい神様にご報告です。」
『また馬鹿にした喋り方しおって…。』
「エリーの居た世界でとんでもないモノ見つけちゃったんだけどなぁ。コレは報告しなくてもいーのかなぁ?」
『だぁーもう面倒くさいヤツだなぁ。サッサと言えよ。』
あんまり揶揄ってると話聞いてくれなくなりそうだな。
「じゃ改めて。単刀直入に言いますよ。エリーの居た世界って、異世界なんかじゃなくて本当は未来の地球なんじゃないのか?」
『何を根拠に?』
「向こうでとある部屋を見つけちゃったんだよね…。」
あの部屋のことをミヨに事細かに話した。
『ほう。ではその部屋の主人がハジメと言う名だというんだな?そして、お前たちの居る時代の人間だと…。』
「そう考える方が自然だろ?で、やっぱり未来の地球な訳?」
『うーん。 確かにエリーの居た世界は未来の地球と言えば未来の地球だが、必ずしもお前たちの居る時間軸の延長線上にあるとは限らないぞ。』
「どう言うこと??」
『所謂パラレルワールドと言うことだ。そのハジメと言う奴の部屋は、ムートリアとか言う封印されてた城の地下にあったんだろ?では少なくとも1500年以上昔に召喚なりなんなりの事象があった事になる。そのハジメと言う奴が、そこでいったい何をしていたのかは知らんがな。』
「そうなんだよな、そこはオレも気になってた処ではある。それに時間の進み方が違うのも気になるんだけど…。」
『うーん…しかしだな、私の知る限りでは、お前の居る世界とエリーの居た世界は別の物として存在している訳だ…。二つの世界の類似点や何故一方的にゲートが開くのかに関しても、隣り合ったパラレルワールドだからこそ起こりうる現象だと思うんだが?』
「だったら、あそこは何なんだ?」
『そう結論を急ぐなよ。異世界と言っても色々な種類があるんだ。例えばお前たちの好きなファンタジー色満載の世界も異世界だし、お前たちの居る世界と何ら変わらない異世界も存在する訳だが…。』
「それは分かるけどさ、確かに未来の地球って言われてもどう進化したら、あんなモンスターが生まれるのか分からないし、文明の進化の過程も想像がつかないし…って言うかむしろ退化してる感じだし…。さっぱりわかんねぇ。」
『まぁお前の頭じゃな…(笑)』
「悪かったな、どーせ学は無いですよ…。」
『まぁ、私の見解では別の世界だと思うぞ。』
スルーかよ…。
『可能性があるとすればお前たちの居る世界のいつかの時代の何処かのタイミングで分岐したパラレルワールドって考えるのが一番無理が無いかな?』
「パラレルワールドねぇ。いかにもって感じの解答だな。」
『なに?』
「だってさ、この手の話って結局パラレルワールドって言ってれば成り立つ的な?言い訳みたいな?」
『なにが言いたい?』
「神様なのに正確な答えは出せないんだなぁって….。」
ちょっと意地悪い言い方だったかな?
『…私にも解らない事くらいあるぞ。前にも言ったと思うが、私は神の一人ではあるが、この場所の番人だ。専門外のことなど知っておく必要も無いんだよ。』
あ、開き直った。
『それに、そんなに真実を知りたいか?まぁお前が未来の事を知ったとして、万に一つも無いだろうが、それがキッカケでタイムパラドックスが起きないとも限らないだろ?知らなくていい物は知らなくていいんだよ。』
まぁ確かになぁ、未来の事を知ったとしても、俺には何も出来ないしなぁ。
「でもさ、気になるじゃん?このハジメってヤツ。それに、ほらエリーの居た街が滅んだ奇病の原因ってドラゴンの呪い的なものだった訳だけど、ホントにそれだけなのか?もし違ってたら、それを食い止める手段とか考えなくて良いのか?そこにヒントって言うか手掛かりみたいなモノがあったりとか…。」
『あのな…サトル…お前は神か?無闇によその世界の事象に関与するのはご法度だろ?ただでさえお前たちは、向こうの世界に関わってるんだから…。』
「でもさぁ…。」
『でもさぁじゃない!どこの世界にも自然の摂理ってモノがあるんだ。あんまり首を突っ込むのは感心しないぞ…本当にお前は…。』
その後、家に帰り着いてもミヨの説教は続き気づくと22時を回ってた。
そう言えば、晩飯も食ってないな。
冷蔵庫を開けて、何か食べ物が無いか探してみたが、ろくな物が無い。
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ミヨには、ああ言われたがやっぱり気になる。
とりあえず明日またムートリアに行って分かった事は伝えてこよう。
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