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第1章 ◆ はじまりと出会いと
1. はじまり
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こんにちは。
私の名前はクリス。
ええと、どこにでもいる普通の女の子、七歳です。
好きな食べ物は、甘酸っぱいジャムたっぷりのチェリーパイ。最近はママレードケーキもお気に入りです。
嫌いなのは、お魚料理です。特に焼き魚。でも、好きになれるように頑張って食べています!
家族は、私を入れて五人です。
魔法がとっても強くて村の自警団団長のお父さん。
笑顔が素敵で裁縫が得意なお母さん。
背が高くて剣が上手な十歳違いのお兄ちゃん。
物静かで頭のいい六歳違いのお兄ちゃん。
お父さんとお母さんはとても仲良しで、年の離れたお兄ちゃん達も、私の自慢です。
……。
………。
えーと、自己紹介をしている場合じゃないんでした。
「だーかーら!これは俺の!」
「ちがうよっ、あたしのだよ!」
今、私の目の前でケンカが起きています。
どうしてこうなったのか、それはちょっと前に時間を戻します。
私は今日、上のお兄ちゃんと一緒に街へ、お母さんの誕生日のためのお花を買いに来ていました。
お花を選んで花束にしてもらっている間、お店の外のベンチに座って、道を通る人達を眺めていました。
そこで、男の子と女の子の喧嘩が目の前で起きてしまったのです。
ぼんやりその様子を見ていたら、男の子と目が合いました。
「そこのおまえ、見てただろ!?」
「…っへ!?」
急に声をかけられてびっくりです。
そんな私の様子に気づかない男の子は、私にきれいな石を見せてくれました。
淡い水色の石。でもよく見ると、見る角度によって色が七色に見えます。
「この石、ここに落ちてたんだ。きれいだから持って帰ろうとしたら、こいつが邪魔してきたんだ!」
「この石は、あたしが最初に見つけたの!だから、あたしのだよ!」
「何言ってんだ!俺が最初に見つけたんだ!」
うーん?ずっとここに座ってたけど、そんな石、落ちてたっけ?
……。
という流れがあって、今に至ります。
二人は、わーわーと大きな声で言い合っていて、お互いに引きません。
この石をどっちが先に見つけたのかでケンカしているみたいです。
どうしよう。
私よりもちょっと年上に見える男の子と女の子の前では、小さくなるしかありません。
助けをもらおうと、お店の中のお兄ちゃんを見つめますが、花束を作っている店員さんの横で、店長のおじさんと話をしています。
まだ花束は完成していないみたいです。
わあああんっ、お兄ちゃん、早く帰ってきてっ。
「おまえ、さっきからぼーっと見てただろ!?どっちが先に見つけたかわかるだろ!」
「え、ええっ?」
急にそんなことを言われても、わからないよ!
確かにずっと道を歩く人達を眺めてたけど、そんな細かいところまで見てないです。
石だって、ここに落ちていたことすら気づかなかったんです。
だって、本当にぼーっとしてたんだから。
「あたしが先よね!?」
「俺が先だ!」
迫ってくる2人に、思わず体が引いてしまいました。
男の子も女の子も、相手に石をあげたくないみたいです。
「わ、わかんないけど…えと…」
視線をそらしながら、一生懸命考えます。
だって、ケンカはよくないです。
でも二人はこの石でケンカをしています。
男の子が持つ石を見つめながら、頑張って考えて、ひらめきました!
「それじゃあ、半分こはどうかな?」
「えっ!?」
「ええっ!?」
きれいな石は、手のひらサイズで、大きめです。
二人ともほしいなら半分こにすればいい。
おいしいケーキも半分こにすれば、自分も相手も幸せ!それとおんなじです。
これはいい考えです!
「やだ!こいつにあげたくねぇ!」
「あたしもこんな奴にあげたくない!」
えええ。困りました。
どうしよう、とオロオロしていると、
「じゃあ、私がもらうわ」
いきなり違う声が割り込んできました。
びっくりして声の方に向くと、長い黒髪のきれいなお姉さんが。
ケンカしていた二人も、私と同じようにお姉さんを見つめます。
急に現れた知らない人に、私たちは声を出せませんでした。
はっと、一番に気が付いた男の子は、持っていた石を後ろに隠しました。
「な、なんで知らない姉ちゃんにあげなきゃいけないんだよ!関係ないだろ!?」
「そ、そうよ!あたしたちの問題よ!」
「んー、そうだけど」
お姉さんは、男の子と女の子の顔を見ながら言いました。
「だって、さっきから喧嘩を見ていたけど、あなたたちは相手にその石をあげたくないんでしょう?だから、全然関係ない私がもらえば問題解決じゃないの。あなたたちが本当に欲しいなら、そこのお嬢さんが言うように半分こでも納得できると思うんだけど?それとも、そのままの石、まるごと欲しいのかしら?」
「……」
「……」
にっこりと笑うお姉さん。
ケンカをしていた二人は、また黙ってしまいました。
私はお姉さんの言葉に、とてもとてもびっくりしました。
だって、その言葉が本当だと思ったから。
二人のケンカを思い出せば、二人とも石のことなんかどうでもよかったことに気が付いたからです。
最初は偶然見つけた石がきれいだったから欲しかった。
でも、ケンカをしているうちに、「ただ、これを相手にあげたくない」という気持ちになっていたんですね。
そこまで欲しくないものでも、他人に「取られる」と思ってしまうと、あげたくなくなる。
あげるくらいなら、自分のものにする。
でも相手だって、あげたくないと思っているから取り合いになる。
そうやって、どんどん意地になってしまう。
そういえば、下のお兄ちゃんが…
「人は誰しも、大なり小なり利得と優位になりたいという欲があります。それが意地になってしまうと、なかなか止めるのは難しいです。クリスはそんな意地悪になってはいけませんよ」
…と言っていました。
むむむ。あの時は意味がわからなくて軽く返事をしたけど、今でも難しいです。
一気に熱が冷めた二人は、きれいな石を見て、お互いを見つめ合いました。
「俺、欲しくなくなった。おまえが欲しいなら、やるよ」
「あたしも。もういいよ。石一つでケンカなんて、小さい子どもみたいだね」
二人はちょっと気まずそうにしてたけど、すぐに笑いあって、お姉さんにきれいな石を差し出しました。
「姉ちゃんにやる」
「そう。じゃあ、遠慮なくもらうわね」
男の子の手からお姉さんの手へきれいな石が移ると、男の子と女の子は、それぞれ帰っていきました。
ほっとしながらそれを見送る私にお姉さんは微笑んでくれました。
さっきから思っていたけど、お姉さんは本当にきれいな人です。
長いサラサラの黒髪もそうですが、色違いの赤と紫の目も宝石みたいできれいです。
じーっとお姉さんを見つめていると、くすくすと笑われてしまいました。
「この目が珍しい?」
「ううんっ、とってもきれいで、びっくりしたの」
「ふふ、ありがとう。そんな風に言われたのは初めてよ。私はアンジェ。あなたのお名前は?」
「クリスです」
「そう、クリス…いい名前ね。さっきの喧嘩も、よく頑張ったわね」
褒められてしまいました。
私は何もできませんでしたが、そう言われるとうれしいです。
照れ隠しに下を向けば、アンジェさんの顔が見えません。
だから、この後降ってきた言葉に固まってしまいました。
「…あなた○▽◆◎□●なのね」
「え?」
今、よくわからない言葉が聞こえました。
本当によくわからなくて、聞き取れませんでした。
アンジェさんは、私の顔を上げさせると、きれいな石を私の手に乗せました。
「これ、クリスにあげる」
「えっ!?これはお姉さんがもらった石だよ」
「ふふ、いいのよ。私があなたにあげたいの。受け取って?」
「あ、ありがとうございます」
きれいな微笑みにドキドキしながら、もらった石を両手で転がします。
光にかざしてみれば、キラキラと七色の光が降ってきて、本当にきれいです!
アンジェさんがそんな私の様子を見ながら何かをつぶやいたその時、お店から花束を持ったお兄ちゃんが出てきました。
「クリス、ごめんな。遅くなったよ。一人で待てて偉いぞ」
「お兄ちゃん、お帰りなさい。うん、あのね、さっきね」
お兄ちゃんにアンジェさんを紹介しようと振り向くと、いつの間にか、アンジェさんはいなくなっていました。
「あれ?帰っちゃったのかな?」
「誰かと話してたのか?」
「うん、とってもきれいなお姉さん。この石をくれたの」
手の中の石を見せると、お兄ちゃんはちょっとだけびっくりした顔をしました。
でも、すぐに笑って、花束を持っていない方の手を私に向けます。
「へぇ、俺も会ってみたかったな。それじゃあ、帰ろうか。家でみんなが待ってる」
「うんっ」
お兄ちゃんと手を繋いで、来た道を帰ります。
アンジェさんのことは気になったけど、それもすぐにきれいな花束に消されてしまいました。
それは、いいのか悪いのか、アンジェさんが最後につぶやいた言葉は、私の記憶に残りませんでした。
「その代わり、私が困った時、助けてね?」
私の名前はクリス。
ええと、どこにでもいる普通の女の子、七歳です。
好きな食べ物は、甘酸っぱいジャムたっぷりのチェリーパイ。最近はママレードケーキもお気に入りです。
嫌いなのは、お魚料理です。特に焼き魚。でも、好きになれるように頑張って食べています!
家族は、私を入れて五人です。
魔法がとっても強くて村の自警団団長のお父さん。
笑顔が素敵で裁縫が得意なお母さん。
背が高くて剣が上手な十歳違いのお兄ちゃん。
物静かで頭のいい六歳違いのお兄ちゃん。
お父さんとお母さんはとても仲良しで、年の離れたお兄ちゃん達も、私の自慢です。
……。
………。
えーと、自己紹介をしている場合じゃないんでした。
「だーかーら!これは俺の!」
「ちがうよっ、あたしのだよ!」
今、私の目の前でケンカが起きています。
どうしてこうなったのか、それはちょっと前に時間を戻します。
私は今日、上のお兄ちゃんと一緒に街へ、お母さんの誕生日のためのお花を買いに来ていました。
お花を選んで花束にしてもらっている間、お店の外のベンチに座って、道を通る人達を眺めていました。
そこで、男の子と女の子の喧嘩が目の前で起きてしまったのです。
ぼんやりその様子を見ていたら、男の子と目が合いました。
「そこのおまえ、見てただろ!?」
「…っへ!?」
急に声をかけられてびっくりです。
そんな私の様子に気づかない男の子は、私にきれいな石を見せてくれました。
淡い水色の石。でもよく見ると、見る角度によって色が七色に見えます。
「この石、ここに落ちてたんだ。きれいだから持って帰ろうとしたら、こいつが邪魔してきたんだ!」
「この石は、あたしが最初に見つけたの!だから、あたしのだよ!」
「何言ってんだ!俺が最初に見つけたんだ!」
うーん?ずっとここに座ってたけど、そんな石、落ちてたっけ?
……。
という流れがあって、今に至ります。
二人は、わーわーと大きな声で言い合っていて、お互いに引きません。
この石をどっちが先に見つけたのかでケンカしているみたいです。
どうしよう。
私よりもちょっと年上に見える男の子と女の子の前では、小さくなるしかありません。
助けをもらおうと、お店の中のお兄ちゃんを見つめますが、花束を作っている店員さんの横で、店長のおじさんと話をしています。
まだ花束は完成していないみたいです。
わあああんっ、お兄ちゃん、早く帰ってきてっ。
「おまえ、さっきからぼーっと見てただろ!?どっちが先に見つけたかわかるだろ!」
「え、ええっ?」
急にそんなことを言われても、わからないよ!
確かにずっと道を歩く人達を眺めてたけど、そんな細かいところまで見てないです。
石だって、ここに落ちていたことすら気づかなかったんです。
だって、本当にぼーっとしてたんだから。
「あたしが先よね!?」
「俺が先だ!」
迫ってくる2人に、思わず体が引いてしまいました。
男の子も女の子も、相手に石をあげたくないみたいです。
「わ、わかんないけど…えと…」
視線をそらしながら、一生懸命考えます。
だって、ケンカはよくないです。
でも二人はこの石でケンカをしています。
男の子が持つ石を見つめながら、頑張って考えて、ひらめきました!
「それじゃあ、半分こはどうかな?」
「えっ!?」
「ええっ!?」
きれいな石は、手のひらサイズで、大きめです。
二人ともほしいなら半分こにすればいい。
おいしいケーキも半分こにすれば、自分も相手も幸せ!それとおんなじです。
これはいい考えです!
「やだ!こいつにあげたくねぇ!」
「あたしもこんな奴にあげたくない!」
えええ。困りました。
どうしよう、とオロオロしていると、
「じゃあ、私がもらうわ」
いきなり違う声が割り込んできました。
びっくりして声の方に向くと、長い黒髪のきれいなお姉さんが。
ケンカしていた二人も、私と同じようにお姉さんを見つめます。
急に現れた知らない人に、私たちは声を出せませんでした。
はっと、一番に気が付いた男の子は、持っていた石を後ろに隠しました。
「な、なんで知らない姉ちゃんにあげなきゃいけないんだよ!関係ないだろ!?」
「そ、そうよ!あたしたちの問題よ!」
「んー、そうだけど」
お姉さんは、男の子と女の子の顔を見ながら言いました。
「だって、さっきから喧嘩を見ていたけど、あなたたちは相手にその石をあげたくないんでしょう?だから、全然関係ない私がもらえば問題解決じゃないの。あなたたちが本当に欲しいなら、そこのお嬢さんが言うように半分こでも納得できると思うんだけど?それとも、そのままの石、まるごと欲しいのかしら?」
「……」
「……」
にっこりと笑うお姉さん。
ケンカをしていた二人は、また黙ってしまいました。
私はお姉さんの言葉に、とてもとてもびっくりしました。
だって、その言葉が本当だと思ったから。
二人のケンカを思い出せば、二人とも石のことなんかどうでもよかったことに気が付いたからです。
最初は偶然見つけた石がきれいだったから欲しかった。
でも、ケンカをしているうちに、「ただ、これを相手にあげたくない」という気持ちになっていたんですね。
そこまで欲しくないものでも、他人に「取られる」と思ってしまうと、あげたくなくなる。
あげるくらいなら、自分のものにする。
でも相手だって、あげたくないと思っているから取り合いになる。
そうやって、どんどん意地になってしまう。
そういえば、下のお兄ちゃんが…
「人は誰しも、大なり小なり利得と優位になりたいという欲があります。それが意地になってしまうと、なかなか止めるのは難しいです。クリスはそんな意地悪になってはいけませんよ」
…と言っていました。
むむむ。あの時は意味がわからなくて軽く返事をしたけど、今でも難しいです。
一気に熱が冷めた二人は、きれいな石を見て、お互いを見つめ合いました。
「俺、欲しくなくなった。おまえが欲しいなら、やるよ」
「あたしも。もういいよ。石一つでケンカなんて、小さい子どもみたいだね」
二人はちょっと気まずそうにしてたけど、すぐに笑いあって、お姉さんにきれいな石を差し出しました。
「姉ちゃんにやる」
「そう。じゃあ、遠慮なくもらうわね」
男の子の手からお姉さんの手へきれいな石が移ると、男の子と女の子は、それぞれ帰っていきました。
ほっとしながらそれを見送る私にお姉さんは微笑んでくれました。
さっきから思っていたけど、お姉さんは本当にきれいな人です。
長いサラサラの黒髪もそうですが、色違いの赤と紫の目も宝石みたいできれいです。
じーっとお姉さんを見つめていると、くすくすと笑われてしまいました。
「この目が珍しい?」
「ううんっ、とってもきれいで、びっくりしたの」
「ふふ、ありがとう。そんな風に言われたのは初めてよ。私はアンジェ。あなたのお名前は?」
「クリスです」
「そう、クリス…いい名前ね。さっきの喧嘩も、よく頑張ったわね」
褒められてしまいました。
私は何もできませんでしたが、そう言われるとうれしいです。
照れ隠しに下を向けば、アンジェさんの顔が見えません。
だから、この後降ってきた言葉に固まってしまいました。
「…あなた○▽◆◎□●なのね」
「え?」
今、よくわからない言葉が聞こえました。
本当によくわからなくて、聞き取れませんでした。
アンジェさんは、私の顔を上げさせると、きれいな石を私の手に乗せました。
「これ、クリスにあげる」
「えっ!?これはお姉さんがもらった石だよ」
「ふふ、いいのよ。私があなたにあげたいの。受け取って?」
「あ、ありがとうございます」
きれいな微笑みにドキドキしながら、もらった石を両手で転がします。
光にかざしてみれば、キラキラと七色の光が降ってきて、本当にきれいです!
アンジェさんがそんな私の様子を見ながら何かをつぶやいたその時、お店から花束を持ったお兄ちゃんが出てきました。
「クリス、ごめんな。遅くなったよ。一人で待てて偉いぞ」
「お兄ちゃん、お帰りなさい。うん、あのね、さっきね」
お兄ちゃんにアンジェさんを紹介しようと振り向くと、いつの間にか、アンジェさんはいなくなっていました。
「あれ?帰っちゃったのかな?」
「誰かと話してたのか?」
「うん、とってもきれいなお姉さん。この石をくれたの」
手の中の石を見せると、お兄ちゃんはちょっとだけびっくりした顔をしました。
でも、すぐに笑って、花束を持っていない方の手を私に向けます。
「へぇ、俺も会ってみたかったな。それじゃあ、帰ろうか。家でみんなが待ってる」
「うんっ」
お兄ちゃんと手を繋いで、来た道を帰ります。
アンジェさんのことは気になったけど、それもすぐにきれいな花束に消されてしまいました。
それは、いいのか悪いのか、アンジェさんが最後につぶやいた言葉は、私の記憶に残りませんでした。
「その代わり、私が困った時、助けてね?」
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