非オタな僕が勇者に転生したら、オタな彼女が賢者に転生してサポート万全だった。

ケイオチャ

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第二章 異世界の価値観を知る。

プライド高い魔道具師と噛み合わない勇者〜初めての砂漠と牢屋そしてアジトへ〜

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「こんな砂漠があるんだ。町挟んでこんなに景色
 が違うのはすごいなぁ。」
 不思議に思いながら、景色を見渡すユウ。
「ここはデザルトって言うんだ。
 聞き込みで名前を聞いた。
 で、後やっと知ったんだが、あの町の名前は
 アッティッモ町だそうだ。」
 情報を言うレン。
「へぇー、そうなの。
 砂漠にはダークエルフたちが住むオアシスが
 あるそうよ。その先にアジトがあるって。」
 プラスでより良い情報を提供してドヤ顔する
 ルカ。
「ダークエルフって種族?」
 聞いたことない名称に戸惑うユウ。
「そう、種族よ。見た目の肌が全体的に茶黒くて
 耳がとんがっているのが特徴よ。
 エルフっていう肌が薄い橙色の種族もいるの。」
 久しぶりに解説できて嬉しいルカ。
「ほぉー、見たことないな。
 地球じゃ、耳がとんがってる人間は会ったこと
 ないな。」
 ワクワクしてるユウ。
「そうなのですね、わたくしも知りませんでした。
 会ってみたいです。」
 興味が湧いているマユミ。
 しばらく進むと、オアシスが見えてきた。
「おお~、見えてきたよ。蜃気楼でなければ。」
 ちょっと蜃気楼であることを疑いつつも
 喜ぶユウ。
 近づいても消えなかったので、本物のオアシス
 だった。
 しかし、問題は起きた。
 なぜかダークエルフたちに囲まれてしまった
 のだ。
「ここからは先に通すわけには行かない。
 人間ども!」
 ダークエルフのリーダーらしき者が言う。
「はわわ、なんでこーなるんだよー。」
 もうやだーといった感じで両手を挙げて、
 降参する意思を示すユウ。
「参ったなー。」
 半分諦めているレン。
「あー素敵な方たち!」
 危機的な状況なのにも関わらず尊くなっている
 ルカ。
「そんなルカが素敵です。」
 ルカに尊くなっているマユミ。
「なんだ、女性陣の精神おかしいんじゃないか。」
 引いているダークエルフたち。
「牢屋に連れていけ、そこで話を聞く。」
 リーダー格のダークエルフが言う。
 ドンと、牢屋に投げられる四人。
「いてて、牢屋は初めてだ。
 何もしてないから、冤罪で捕まってることに
 なるのかな。」
 冷静に状況判断をするユウ。
「妙に冷静だな、ユウ。
 いつもなら慌てるのにな。
 まぁ、冤罪だな。」
 ユウの冷静さに珍しさを覚えつつ、
 共感するレン。
「牢屋にしては広いわね。集団用?
 様々な大きさがあるみたいね。
 はじめから人を閉じ込めるために?
 ダークエルフたちは人間が嫌いなの?」
 考えるルカ。
「人間が嫌いですか。
 その可能性はありますね。
 領域に入った途端、わたくしたちを捕まえた
 のですから。」
 ルカに共感するマユミ。
「その通りだ!人間ども。人間は一番信用
 できない…私たちを迫害し続けた人間。
 人間は全て敵である。
 私はこのオアシスのリーダー
 ラッビアだ。」
 圧をかけながら言うラッビア。
「あ……クラスメイトの商品を取り返しに
 行きたいんです!」
 (これは正直言うしかない、敵意ないって。
 他に目的があるって。)
 少し圧に押されたものの、しっかりとした
 意思と真剣な口調でうったえるユウ。
 (こいつ、嘘がなさすぎる。真っ直ぐに生きてる)
「分かった、まだ信用してるわけではない。
 他のものよ、なぜ、このオアシスに入った。」
 ユウに聞くものではないと思ったラッビア。
「アッティッモという町で友達の商品が
 無理やり奪われてな、他の商人に聞き込みを
 した結果が、このオアシスを超えた先にアジト
 があるらしいということで来た。」
 冷静に説明するレン。
「それは黒ずくめの人間どものことか?」
 心当たりがあるラッビア。
「そうよ、友達の商人はその人間たちに襲われた
 の。」
 聞いたことを思い出して言うルカ。
「嘘はついてないみたいだな。
 なら協力して欲しい。我らの仲間もその黒ずくめ
 の人間どもに連れ去られたのだ。」
 (多少は信用できそうだが、いつ裏切るか
 分からない、監視は必要だ。)
 少し信用して、監視として仲間をつけつつ、
 アジトに行くことにしたラッビア。
「ありがとうございます、仲間が増えることは
 とても心強いです。」
 笑顔で言うマユミ。
「よーし、商品もダークエルフさんの仲間たちも
 全部取り返すぞー。」
 みんなを景気づけるユウ。
 ラッビアとダークエルフ四人、ユウ、レン、
 ルカ、マユミはアジトに向かった。

     ~黒ずくめのアジト~

「ストラーノ様、怪しい奴らがここに近づいて
 います。どうしますか。」
 黒ずくめの人が報告する。
「全員殺せ!戻って他のものに知られても
 困るからな。」
 (模倣品の方が便利だから、買うだろう。
 あやつのつくった商品は分かりにくいからな。
 それを今から来る奴らに知られては面倒だ。
 なら消してしまった方がはやい。)
 企み顔で言うストラーノ。
「はっ!」
 そう言うと他の黒ずくめに指示を出して、
 アジトの至る所に設置した。
「着いたぞ!行くよみんな!」
 先導に立って言うユウ。
「おぅ!」
 ユウ以外が言う。
 入っていくと、黒ずくめの人たちが待っていた。
「行けー、全員殺せー!」
 指示とともに襲っていく黒ずくめたち。
「命は取らないで、気絶や動けなくして!」
 必死に指示するユウ。
「聞こえただろう、今回は私たちも捕まえて
 話を聞きだす!命は取るな!」
 ラッビアもダークエルフたちに指示を出す。
 近衛のものが多く、短剣や剣で襲ってくるもの
 が多かった。
「手の部分を狙って、ミネウチすれば。」
 ユウは器用に手の部分をつかを使って、攻撃
 をした。
 (こいつ、やるな、痛みを最低限にしつつ、
 戦意喪失させている)
 ラッビアはユウの戦い方をみて感心していた。
「わあー強すぎるー無理だー!」
 と一人がストラーノの方に向かって行った。
「どうした!?」
 驚くストラーノ。
「敵が強すぎて歯が立ちません。」
 参ったという顔で言う黒ずくめ。
「いた!やっぱりストラーノさんだね。
 それ!エイチの商品だよ!返して!
 ダークエルフはどこ?」
 質問攻めするユウ。
「もうここまで来たか、ほぉーあやつの仲間か。
 返さんぞ、私のものだからな。
 先鋭たちよ行くのだ!」
 慌てた様子もなく、大声で指示するストラーノ。
「それはエイチが作ったエイチの商品だ!
 絶対返してもらうぞ!」
 負けじと大声を出して立ち向かうユウ。
 先鋭の黒ずくめは四人だった。
「うん?剣が光ってる?」
 4対1で、苦戦していると、クオーレスパーダが
 光っていることに気づいた。
 つかから出すとより光が強くなり、
 先鋭の黒ずくめたちはこの光に戦意喪失した
 のだ。
「戦うなど、そんな愚かなことしていたなんて…」
「みんなと仲良くしよう…」
「光が美しい…」
「平和が一番…」
 戦うことが無駄だと思う先鋭たち。
「何をしている!戦うのだ!」
 慌て始めるストラーノ。
「うーん?よく分からないけど、もう戦う気が
 ないみたいだよ。ストラーノだけだよ!
 僕に勝てるかな?」
 構えるユウ。
「ひぃ…命だけは勘弁してくれ!」
 降参するストラーノ。
 その後、ストラーノはラッビアたちダークエルフ
 に捕らえられ、ストラーノの奥に捕まった
 ダークエルフたちがいたので、ユウたちが鉄格子
 を壊して、助け出した。
 マユミとルカが縄で黒ずくめを縛った。
 レンとユウはオアシスまで運んだ。
「感謝する!始めは信用できなかったが、
 ここまで戦いを共にして信用に値すると
 判断した。ユウよ、いつでもくるといい。
 歓迎する。」
 ユウたちはラッビアに認められて、
 ダークエルフの印である紋章のついたバッチを
 もらった。これでダークエルフたちの仲間として
 歓迎してくれるそうだ。
 ユウたちはエイチのいるアッティッモ町に
 戻って行った…





















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