非オタな僕が勇者に転生したら、オタな彼女が賢者に転生してサポート万全だった。

ケイオチャ

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第二章 異世界の価値観を知る。

ほんわか精霊使いと刺々しい回復士〜精霊使いは意外にするどいと花畑で楽しくアフタヌーンティー?〜

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 次の日の朝…食堂で朝食をみんなで
 食べていると、ユウが昨日見た女性が
 やって来た。
「おはよう、真忠さん。やっと思い出した…。
 私は茶呑 風花です。
 精霊使いのフウカ・グリーンティーとして
 今は活動中…です。」
 ゆったりとふんわりした口調で自己紹介する
 フウカ。
「おはよう、久しぶり。
 なんで、顔近いの?僕は真忠悠太であってるよ。
 僕は勇者のユウ・ブレイブとして活動中だよ。」
 顔の近さに動揺しつつ、自己紹介するユウ。
「離れなさい!私は在原瑠花よ。
 賢者のルカ・ピースとして活動中よ!」
 なぜか怒ってるルカ。
「ふーん、好きなの?…ユウのこと?
 顔近づけただけですよ…。」
 するどいことを言うフウカ。
「ふぇ…友達としてなんだから!
 ユウも困ってたし。」
 (時々、言い当てるんだから。油断ならない。)
 明らかに動揺が隠せていないルカ。
「ありがとう、ルカ。僕も友達って思ってるよ。
 レンとマユミも自己紹介しよう。」
 特に意識していないユウ。
「おぅ、俺は玉理錬だ。
 薬師のレン・アポテカとして活動中だ。」
 キメ顔で言うレン。
「わたくしは的山雅弓と申します。
 弓使いのマユミ・アローとして活動中です。」
 丁寧なマユミ。
「マユミさん、柔らかい雰囲気になった…
 家族ぐるみで付き合ってた…けど、
 今まで見たことない…感じ。」
 今度はマユミに顔を近づけるフウカ。
「そうですね、自由になったので柔らかくも
 なりますよ。フウカさん、顔近いです。」
 動揺はしないが、顔を離すマユミ。
「ほぉ…興味があると近づいてしまう…
 しょうがないです~。」
 開き直ってるフウカ。
「そうだ、フウカさんなら緑茶や抹茶を飲める場所
 知らないかな。日本のお茶まで行かなくても
 近いものとかで?」
 質問するユウ。
「緑茶…抹茶…ふぅぅ…ない…です。
 ないんです~ふえーん。」
 泣きそうになりながら真実を言い、
 号泣し崩れるフウカ。
「フウカさん?!ごめん…そんなに泣かないで。」
 慌てるユウ。
「無理もないわね…本当に愛してるもの。
 茶道を…」
 同情するルカ。
「そうですね、作法から道具…茶葉…着物…部屋
 すべてを茶道文化というもの自体を
 愛してました。」
 共感するマユミ。
 周りからはフウカを泣かせたという厳しい目線を
 感じる。
「とりあえず、俺たちの部屋に行かないか。
 事情はそこで聞くぜ。」
 提案するレン。
「はい…ありがとう。」
 少し落ち着いて、部屋に行くフウカ。
「落ち着いたかな…フウカさん。」
 ずっとなだめていたユウ。
「はい…ちょっとだけ。
 異世界転生した時…緑茶、抹茶の存在を
 聞き回った…だけど、なかった…。
 ショック…そして歩き回って、死にそうに
 なってたら…おばあちゃんに拾われた。
 命の恩人だから…家事手伝って、クエスト受け
 ながら…お茶情報集め中…です。」
 事情を話すフウカ。
「そうか、ないんだな。異世界では意外と
 あったりするのが、よくある展開なんだが。
 見つかってないだけかも知れないな。」
 考えながらも希望を見いだすレン。
「精霊使いって言ってたけど、精霊がいるの?」
 テンション高めなルカ。
「精霊はいるよ…みえるから…風の精霊さんと
 仲良しなんだ。町の近くに花畑があって、
 そこにいるんだ。会いにいく…?」
 ゆっくり元気な感じで言うフウカ。
「気分転換にちょうど良いですね。
 行きましょう、フウカさん。」
 機転を効かせるマユミ。
「はい、行こう!」
 気分が一気に明るくなったフウカ。
「精霊に会えるのね!行きましょう。」
 ルンルンなルカ。
「僕は、レンと一緒に災いの情報を冒険者ギルド
 に聞きにいくよ。女子会楽しんで。」
 ユウは気を利かせてレンを連れていく。
「えっ…じゃあ行ってくる。」
 なんでと思いながらもついていくレン。

         ~花畑~

「なんで…アフタヌーンティーなの?
 精霊はどこ?」
 周りを見渡すルカ。
 なぜか花畑の中心には土の地面の上に
 白の丸テーブル一つと白の椅子が四つが
 置かれていた。
 そして、フウカがハーブティーの入ったポット、
 四つのカップとソーサー、クッキーが
 バスケットの中に入れてあり、せっせと並べて
 いる。
「精霊はまだいない…です。
 そのうち来ます。気ままに待つの大事。」
 ルカとマユミは座り、フウカはハーブティーを
 注いで、丁寧に置いていく。
「ありがとうございます、懐かしいですね。
 よく開催していましたね。招待されて数回
 参加したことがあるんですよ。」
 楽しそうにいうマユミ。
「そ、そう。なんか緊張するの。
 慣れてないから…どうすればいいかも
 分かんない。」
 マナーを気にするルカ。
「お気になさらず、ゆっくりすれば良い…。」
 優雅にティーを飲むフウカ。
 しばらくすると、精霊が現れた。
「こんにちは、今日もお茶会ですか?フウカ。
 あれ、みえるようですね。この方達は。」
 不思議そうに二人を見る精霊。
「本当にいるのね、精霊って。
 初めまして、ルカ・ピースです。賢者です。」
 勢いのまま自己紹介するルカ。
「小さいのですね。可愛らしいです。
 初めまして、弓使いのマユミ・アローと
 申します。」
 感想の後に自己紹介するマユミ。
「なるほど、転生者の方々ですか。
 私は風の精霊のヴェント・スタジョーレ
 といいます。」
 くるんと一回りして自己紹介する精霊。
「ヴェントって、風の災いの?いやでも、
 スタジョーレ?」
 混乱するルカ。
「失礼な、スタジョーレまでが名前です。
 ヴェントは風を意味するイタリア語だそうです。
 フウカ様がそう教えてくれました。」
 怒りつつ、冷静に反論する精霊。
「そう、でね。スタジョーレまでつくと季節風
 って意味に…なるんだよ。」
 微笑むフウカ。
「そうなの…それは失礼な発言をしました。
 申し訳ありません。」
 (やってしまった、これは完全に私が悪い。)
 丁寧に謝るルカ。
「分かれば良いのです。フウカ様、クッキー
 とハーブティーください。」
 それが目当てな精霊。
「はーい、良いですよ、どうぞ。
 ささやか幸せがありますように。」
 笑顔で言うフウカ。
「ありがとうございます、うーん美味しい。」
 幸せそうに言う精霊。
「あら、フウカじゃない。
 またお茶会をしてるようね。つまらないものを。
 それよりも花を愛でていた方が楽しくてよ。」
 お嬢様口調でありながら、刺々しく言う女性。
 精霊はフウカの後ろに隠れた。
「ハナ、お茶会にまた来てくれたの?嬉しい…。
 どうぞ、お座りください。」
 動じてないフウカ。
「へ、へぇ良いわ。しょうがないから付き合って
 あげる。」
 一言多いハナ。
「まさか、池道 華いけどう はな!」
 びっくりするルカ。
「うるさいわね、在原瑠花!
 私がここにいて悪い!
 それと私はハナ・フラワーアレジメントよ。
 回復士ヒーラーよ。」
 口が悪くも、自己紹介するハナ。
「お久しぶりです、ハナ。
 あいも変わらず口が悪いですね。
 わたくしは知ってると思いますが、的山雅弓。
 マユミ・アローで、弓使いです。」
 うふふとあえて指摘しながら自己紹介する
 マユミ。
「マユミは性格悪いところは変わってないのね。
 ほんとあきれた。うーん。」
 (美味しい…クッキー。それにこのハーブティー
 も…はぁ最高)
 顔に美味しいが溢れるハナ。
「私はルカ・ピースよ。賢者なの。
 美味しそうに味わってるのね。」
 自己紹介してから、不思議な顔をするルカ。
「はっ…違うわ、美味しいわけじゃないわ。」
 言ってはいけないことを言うハナ。
「美味しくなかった…ごめんね。」
 落ち込むフウカ。
「美味しいわよ!」
 慌てて言うハナ。
「そっかぁ…よかったー。」
 パァッと明るくなるフウカ。
 (フウカのクッキーとハーブティーは最高よ。)
 心の中で褒めるハナ。
「フウカさんには嫌われたくないんですね。」
 楽しそうに言うマユミ。
「少し黙りなさい、マユミ。」
 顔を赤くしながら言うハナ。
「はい、分かりました。」
 面白そうに言うマユミ。
 四人は微妙な空気の中、アフタヌーンティーは
 続いた。
 終わった後、ユウとレンに合流した…

























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