unseen hero 〜魔法が使えない異能者と魔術師の戦いに目の見えない魔術師が戦いに終止符を打つ話。

雷出午吉

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第一章 運命

第二話 出会い

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そういえば・・・自己紹介がまだだったかな。
私の名前は希望。
読み方はのぞみ。
特筆することのないウォーロックの1人。
魔力量に関しては人一倍ある。
戦闘で魔力の持久戦になった時、負けたことはない。
というより、戦闘で魔力が尽きたことが今まで一度もない。
そして、さっきの微塵切りになった奴が言ったように、目は・・・見えていない。
これが、少々不自由で仕方ない。
普通の人間は目を開けれるのだが・・・私にそんな常識通用しない。
けど、私は周りをしっかりと認識できる。
・・・魔法のおかげだ。
私は、空間把握魔法を使用している。
上級魔法に分類される魔法だが、その中でもかなり消費量が少ない為常時稼働出来る。
この魔法の効果は、視野角に入ってるであろう物体を脳内に直接流し込む。
そして、脳がそれらを処理して私は空間を把握できるようになっている。
文字も建物も人間も水も何でも、通常の人間のように認識できる。
私にとってはこの魔法が生命線のようなものだ。
語れる部分はざっとこんなものだろう。
・・・能力値が徐々に高まっている。
先ほどの下っ端とは比べ物にならないだろう。
「さぁ・・・」
私はその言葉を吐いた瞬間首を鳴らす。
「私より強い人かな?」

       ※※※

「絶対に許さないからな・・・お前ら・・・」
「痩せ我慢してるの?もうヘロヘロなのに、どうにか出来ると本気で思っているの?その程度の魔法と魔力量で?」
「うるせぇ!どうしてお前らは何時もそうなんだ!!勝手に人を殺しておいて!」
「だから何?敵を殺さずして、どうしろっていうの?」
「俺たちは何時も言ってるじゃないか!殺すのをやめて、平和的にやりましょうって!!」
「平和的??笑わせるなよ。お前らソーサーズが僕たち異能力者を虐げたんじゃないか。魔法が使えない落ちこぼれってね。」
「そんなの過去の話じゃないか!!」
「じゃあ、自分達の非は認めないってこと?都合が悪くなった時だけ平和とか巫山戯るのも大概にしなよ!!」
その瞬間奴は俺に対して強烈な蹴りを放つ。
「ガハッ!!」
俺は蹴られたところを押さえながら、奴を睨みつける。
「まだその威勢が持つのか。凄いね、君。どこまで持つか楽しみだなあ。」
「クッ・・・!ぜってぇ負けねぇ。」
「ヒューヒュー。格好いいねぇ。みんなのヒーローになれて・・・嬉しいかい?」
奴は異能を放とうと、力を込める。
かなり強力な異能だ。
俺も防御するために素早く魔法を展開する。
「アバローナ!!」
中級クラスの防御魔法を詠唱して展開した。
そのため、無詠唱より強力な魔法になるはずだ。
それを見た奴は、ニヤリと不敵な笑みを浮かべながら俺に向かって言ってくる。
「弱いな」
俺の防御魔法を貫通して、異能による攻撃が俺の身に降りかかる。
「・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
「おっとっと、ヒーローさんはこんなところで威勢が無くなるのかな?」
挑発をしながらこちらに近づいてくる。
「それにしても・・・君、才能あるよ。君の使用していた魔法は、君の齢的にかなりの上ものだ。どうだ、僕たちのスパイにならないかい?勿論。ただでとは言わないさ。君には今、自分なりの正義感がまだ残っているはずだ。君がスパイになってくれたら、ここで僕たちは手を引く。それに、君に色んな事を施してあげよう。一応僕はスパイ育成課のお偉いさんと知り合いでね。そこで色んな事を学び、強くなれる。どうだ、これなら穏便且つ君にもメリットはある。スパイにならないか?」
「お前も巫山戯るんじゃねぇぞ!!」
俺は憤りを抑えきれなかった。
その言葉を聞いたそいつはため息をつく。
そのまま、流れるように俺の腹部に向かって異能を放つ。
強烈な爆破が腹部に直撃する。
「ゴハッ・・・!」
奴の異能は『爆破』
かなりの威力。
恐らく中級以上はあるだろう。
奴はそんな俺の悶絶に気にも留めない様子で、俺の至る所に先ほどよりも小規模の爆破を続け様に放つ。
体の痛感覚神経が麻痺しているのか、痛みを感じなくなってくる。
「君がこの条件さえ呑んでくれれば全員助かるのになぁ。バッカみたい。でも、僕は優しいからね。少しくらいなら待ってあげるよ。」
「ふん。いくら待っても結果は同じだ。」
「そうかい。じゃあ、その生意気な口に躾をしてあげるよ。」
ああ、また爆破が来る。
さっきよりも強い。

       ※※※

少し遠くで、かなり大きな爆破音が連続して聴こえてくる。
加えて、煙まで発生している。
恐らくだが、相手の異能は『爆破』辺りだろう。
間違えてたとしても、急がないといけない事実には変わりない。
ケイパブルの相手をしているのは、恐らくソーサーズだろうか。
同じ方向から魔力を感じる。
しかし、ソーサーズが放っているであろう魔力の気配が能力値よりもかなり低い。
ソーサーズがやや劣勢なのだろうか。
兎にも角にも、私が行く方が戦況的にもかなり良さそうだ。
私は急ぎ目でその場へと向かう。

       ※※※

「はぁ、はぁ。」
「凄いね、君のその体力。身体強化の魔法なしでそれなのだろう?あったらひとたまりもないね。」
少し嘲笑するような言い方で奴はこちらに言い放つ。
そのまま言葉を紡ぎ続ける。
「相当なダメージを負っているはずなのに、血反吐すら吐いていない。ねぇ、本当に入らないの?ケイパブルに。」
「はぁ、はぁ、お前も折れないな。何度言っても同じだぞっ!」
「そうかそうか。やっぱり君は正真正銘のヒーローのようだね。でも、ごめんね。僕も時間が押していてね。君に構っている暇はもうないんだ。じゃあね、ヒーロー気取りの魔術師さん。」
その言葉の直後、奴の気迫に俺は気圧された。
硬直している俺を尻目に、奴は俺の頭部に向かってかなりの威力の異能を放とうとする。
(こんな、ところで、死んで、たまるか。)
そんな思いを拒絶するかのように俺の体はピクリとも動こうとしない。
もうダメージがかなり蓄積しているようだ。
俺は内心、死を悟った。
その時だった。
「!?」
突然、目の前が光ったように感じた。
そして、もう一度眼前の光景を確認してみると。
奴の左手が、切り落とされていた。
俺は突然の出来事に理解が追いつかない。
更に、切り落とされた手の先には、知らない人間がいた。
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