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第一章 運命
第四話 仲間 壱
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私の小さい頃は、ここまで大量の魔力を所有していなかった。
否、気づいていなかっただけかもしれない。
私は小さい頃に家族を失った。
ケイパブルが家に大群で押し寄せてきたのだ。
油断していた私の家族は殺され、その惨たらしい光景を直視したのだ。
私は、辛かった。
少し才があったとはいえ、自分だけが生かされて他は死ぬ。
私は全てどうでもいいと思えた。
弟も父も母も、私に全てを託した。
プレッシャーのおまけ付き。
しかし、私は挫けなかった。
毎日魔力を磨き上げて、経験も積んで、もう何も失わないように、努力をした。
その甲斐あってか、私は瞬く間にウォーロックのレベルまで到達した。
私がウォーロックになってから、ただひたすらにケイパブルを殺し続けた。
そんな事をしていたある日。
同じ環境下に置かれている少年と出会うとは思ってもみなかった。
※※※
俺は重い瞼を開き、目の前の光景を理解しようとする。
それと同時に、「ここは、一体?」という台詞が口から零れる。
体を起き上がらせようとすると、痛みが全身に襲いかかってくる。
俺は体の意志に逆らおうとしたが、それより先に「あ、目覚めたかな?」という女性の声が聞こえる。
聞き覚えのある声のする方向を向くと、そこには性別の判断に迷いを生じらせる中性的な顔立ちをしていて、身長はかなり高め。
短髪で、目を瞑っている。
或いは見えないのかもしれない。
そんな人がこちらに顔を向けている。
俺は、声が少々高めだったため女性だと思ったが、顔立ちのせいでちょっと迷いを生じらせてしまった。
「ここは病院だよ。はぁ、君は無茶しすぎだよ。どうしてソーサーズに加入してないような少年が、隊を引き連れたケイパブルに立ち向かおうとするのかねぇ。」
俺はその台詞に腹が立った。
「だって、俺以外に戦えるようなランク帯の人が居なかったんだぞ!その人たちを見捨てろって言うのかよ!」
「君の行動を否定している訳じゃ無いんだよ。実際、人を見捨てないというその考えは人間的に理にかなっている。でも、私が来てなかったらどうするつもりだったの?」
俺は、その言葉を聞いて下を向いてしまう。
確かにそうだ。
基本的に魔術者よりも異能力者の方がポテンシャルが高い。
あそこで助けに来てくれていなかったら、俺が無駄な犠牲になっただけだ。
俺が自分を責めていると、それを感じ取ったのだろうか。
目の前の人は、「そ、そんなに責めないでくれよ。実際のところ君は助かったんだ。ね?だから、そう気を落とさないで。」
あからさまに俺の機嫌を取るような事を言ってきたので、ここで機嫌を損ねたままだといけないと思い、「はい。」と辛うじて返事をする。
「そ、そうだ。君!傷は治った?痛みはまだ引かないと思うけど。」
そう言われて体を見渡す。
確かに、全身に負っていたであろう火傷も、何もかもなくなっていた。
「傷は治ったみたいです。」
その人は安堵のため息をつく。
「そっか、それはよかったよ。ところでさ、気になっている事を質問してもいい?」
唐突に聞かれた俺は、「え?まぁ、はい。どうぞ?」と答える。
「じゃあ聞くけどさ、君のランクは今いくつ?」
ランク。
ソーサーズではそのように呼ばれている。
基本的に魔術者としての基礎能力で決まる。
魔力量、魔法習得能力、魔法効果影響力など。
このランクは基本的に、実戦での強さは影響されない。
あくまで、能力。
ポテンシャルを決めるランクだからだ。
Fランク
このランク帯は魔術が使えないのとほぼ同義。よく差別されるような、所謂落ちこぼれ。
Eランク
ここからはFランクと違い。-や+の表記が追加される。-が下。+が上。無印はその間といった感じだ。
このランク帯は一般的に魔法が使えるレベル。しかし、使える魔法はまだまだ初級魔法。1番人口が多い。
Dランク
このランク帯は中級魔法の使い手が増えてくる。しかし、上級はまだまだ。中級もDランク内で上位者でないと威力は低い。
Cランク
このランク帯は中級の扱い方が手に馴染んできているレベル。かなりの上位者だと上級が使えるものも出てくるらしい。しかし、使用は非推奨であるらしい。
Bランク
このランク帯は上級魔法が使えて当たり前。上級の威力の高さで-や+、無印が決まる。そして、このランク帯に入った時点でソーサーズの加入が決定する。つまり、エリート街道が確定する。因みにソーサーズに加入してない人物は一般人と呼ばれる。このランク帯は全人口の0.1%にも満たない。
Aランク
このランク帯からはウォーロックと呼ばれる。ソーサーズの中でもかなり重要且つ希少な戦力となるらしい。上級魔法もかなりの威力があり、無詠唱でも中々の威力となっている。無詠唱をすると威力が落ちるため、Bランク以下はしないことが推奨されている。因みに、無詠唱のメリットは意表をつけることと、発動までに時間を掛けずに済むということだ。もうこのランク帯は全人口の0.03%程と言われているが、正直もっと少ないと思う。
Sランク
このランク帯はもう異次元級の力を持っている。正直なところ、空想上のランク帯と言われるほどそのランク帯に達した人というのは少ない。そして、このランク帯は特別な技を使えるランク帯でもあるらしい。しかし、そのような情報はいくら調べても出てこない。因みに、Sに-は存在しない。
これがランク帯。
そして、目の前の人に自分のランク帯を使える。
「C-。」
その人は納得したように頷く。
「そうか。まぁそうだよね。でも、君の齢は見た感じ十代。その若さでそのランク帯はいい方じゃないかな?」
俺は自分を救ってくれた人に、ウォーロックにそう言われて嬉しくなった為に、このような質問をしてしまう。
「アンタが質問したからこっちも質問するけど、アンタ男なのか?」
あの時は気を失う瀬戸際だったから、声の高さで女性だと思っていたのだが、身長は平均的な女性の身長より高く、中性的な顔立ちであったが為に、このような質問をした。
その質問をした瞬間、その人の表情がビクッと動いたのがわかった。
そして、こちらに笑みを向けながらこう尋ねてくる。
「君は、地雷って知ってるかい?」
察した。
この人にとって、この質問はNGだったのだろう。
その証拠に口は笑っているが、目は笑っていない。
逆に恐怖を覚えてしまいそうだった。
「・・・女だ・・・女だよ!!!君は、身長が高くて女性らしい顔つきじゃないと女性じゃないと云うのか!?」
捲し立てるように俺に言葉を言い放つ。
俺はそんなつもりがなかったから、謝罪の言葉を述べようとした。
しかし、それより先に彼女は口を開く。
「じゃあ私も言わせてもらうけど、君はそんなに童顔で私よりもかなり背が低いから君は女性なのかい?」
俺は怒りが爆発した。
その言葉は俺にとって禁句だ。
俺はその女に向かって怒号を放つ。
「はぁ!?見てわかるだろ!!男だよ、男!!!分かんないのか?」
「ええ、分からない。嫌、分かるはずもない!!そんなに女々しい顔と体してたら誰でも勘違いする。それに、私より弱いし!!」
「巫山戯るのも大概にしろよ!!アンタは強すぎるだけだ。一般的に見て俺は強い!それに、アンタもそんな高身長で顔も中性的じゃあ女って分かるはずもない。あ、じゃあ彼氏いたことないのかなぁ?」
「何だとぉ!!彼女いたことないくせに!!!」
「勝手に決めつけんなよ!俺はなぁ・・・」
その時だった。
いがみ合いが最終局面に達する寸前で、一人の看護師が個室の病棟の扉を開けた。
「あの!外まで聞こえてるので、もう少し静かにしてください!他にも患者さんはいるんですよ!」
それだけ言って看護師は扉を閉めて出ていった。
その瞬間、俺たちのいがみ合いに終了のゴングが鳴った。
否、気づいていなかっただけかもしれない。
私は小さい頃に家族を失った。
ケイパブルが家に大群で押し寄せてきたのだ。
油断していた私の家族は殺され、その惨たらしい光景を直視したのだ。
私は、辛かった。
少し才があったとはいえ、自分だけが生かされて他は死ぬ。
私は全てどうでもいいと思えた。
弟も父も母も、私に全てを託した。
プレッシャーのおまけ付き。
しかし、私は挫けなかった。
毎日魔力を磨き上げて、経験も積んで、もう何も失わないように、努力をした。
その甲斐あってか、私は瞬く間にウォーロックのレベルまで到達した。
私がウォーロックになってから、ただひたすらにケイパブルを殺し続けた。
そんな事をしていたある日。
同じ環境下に置かれている少年と出会うとは思ってもみなかった。
※※※
俺は重い瞼を開き、目の前の光景を理解しようとする。
それと同時に、「ここは、一体?」という台詞が口から零れる。
体を起き上がらせようとすると、痛みが全身に襲いかかってくる。
俺は体の意志に逆らおうとしたが、それより先に「あ、目覚めたかな?」という女性の声が聞こえる。
聞き覚えのある声のする方向を向くと、そこには性別の判断に迷いを生じらせる中性的な顔立ちをしていて、身長はかなり高め。
短髪で、目を瞑っている。
或いは見えないのかもしれない。
そんな人がこちらに顔を向けている。
俺は、声が少々高めだったため女性だと思ったが、顔立ちのせいでちょっと迷いを生じらせてしまった。
「ここは病院だよ。はぁ、君は無茶しすぎだよ。どうしてソーサーズに加入してないような少年が、隊を引き連れたケイパブルに立ち向かおうとするのかねぇ。」
俺はその台詞に腹が立った。
「だって、俺以外に戦えるようなランク帯の人が居なかったんだぞ!その人たちを見捨てろって言うのかよ!」
「君の行動を否定している訳じゃ無いんだよ。実際、人を見捨てないというその考えは人間的に理にかなっている。でも、私が来てなかったらどうするつもりだったの?」
俺は、その言葉を聞いて下を向いてしまう。
確かにそうだ。
基本的に魔術者よりも異能力者の方がポテンシャルが高い。
あそこで助けに来てくれていなかったら、俺が無駄な犠牲になっただけだ。
俺が自分を責めていると、それを感じ取ったのだろうか。
目の前の人は、「そ、そんなに責めないでくれよ。実際のところ君は助かったんだ。ね?だから、そう気を落とさないで。」
あからさまに俺の機嫌を取るような事を言ってきたので、ここで機嫌を損ねたままだといけないと思い、「はい。」と辛うじて返事をする。
「そ、そうだ。君!傷は治った?痛みはまだ引かないと思うけど。」
そう言われて体を見渡す。
確かに、全身に負っていたであろう火傷も、何もかもなくなっていた。
「傷は治ったみたいです。」
その人は安堵のため息をつく。
「そっか、それはよかったよ。ところでさ、気になっている事を質問してもいい?」
唐突に聞かれた俺は、「え?まぁ、はい。どうぞ?」と答える。
「じゃあ聞くけどさ、君のランクは今いくつ?」
ランク。
ソーサーズではそのように呼ばれている。
基本的に魔術者としての基礎能力で決まる。
魔力量、魔法習得能力、魔法効果影響力など。
このランクは基本的に、実戦での強さは影響されない。
あくまで、能力。
ポテンシャルを決めるランクだからだ。
Fランク
このランク帯は魔術が使えないのとほぼ同義。よく差別されるような、所謂落ちこぼれ。
Eランク
ここからはFランクと違い。-や+の表記が追加される。-が下。+が上。無印はその間といった感じだ。
このランク帯は一般的に魔法が使えるレベル。しかし、使える魔法はまだまだ初級魔法。1番人口が多い。
Dランク
このランク帯は中級魔法の使い手が増えてくる。しかし、上級はまだまだ。中級もDランク内で上位者でないと威力は低い。
Cランク
このランク帯は中級の扱い方が手に馴染んできているレベル。かなりの上位者だと上級が使えるものも出てくるらしい。しかし、使用は非推奨であるらしい。
Bランク
このランク帯は上級魔法が使えて当たり前。上級の威力の高さで-や+、無印が決まる。そして、このランク帯に入った時点でソーサーズの加入が決定する。つまり、エリート街道が確定する。因みにソーサーズに加入してない人物は一般人と呼ばれる。このランク帯は全人口の0.1%にも満たない。
Aランク
このランク帯からはウォーロックと呼ばれる。ソーサーズの中でもかなり重要且つ希少な戦力となるらしい。上級魔法もかなりの威力があり、無詠唱でも中々の威力となっている。無詠唱をすると威力が落ちるため、Bランク以下はしないことが推奨されている。因みに、無詠唱のメリットは意表をつけることと、発動までに時間を掛けずに済むということだ。もうこのランク帯は全人口の0.03%程と言われているが、正直もっと少ないと思う。
Sランク
このランク帯はもう異次元級の力を持っている。正直なところ、空想上のランク帯と言われるほどそのランク帯に達した人というのは少ない。そして、このランク帯は特別な技を使えるランク帯でもあるらしい。しかし、そのような情報はいくら調べても出てこない。因みに、Sに-は存在しない。
これがランク帯。
そして、目の前の人に自分のランク帯を使える。
「C-。」
その人は納得したように頷く。
「そうか。まぁそうだよね。でも、君の齢は見た感じ十代。その若さでそのランク帯はいい方じゃないかな?」
俺は自分を救ってくれた人に、ウォーロックにそう言われて嬉しくなった為に、このような質問をしてしまう。
「アンタが質問したからこっちも質問するけど、アンタ男なのか?」
あの時は気を失う瀬戸際だったから、声の高さで女性だと思っていたのだが、身長は平均的な女性の身長より高く、中性的な顔立ちであったが為に、このような質問をした。
その質問をした瞬間、その人の表情がビクッと動いたのがわかった。
そして、こちらに笑みを向けながらこう尋ねてくる。
「君は、地雷って知ってるかい?」
察した。
この人にとって、この質問はNGだったのだろう。
その証拠に口は笑っているが、目は笑っていない。
逆に恐怖を覚えてしまいそうだった。
「・・・女だ・・・女だよ!!!君は、身長が高くて女性らしい顔つきじゃないと女性じゃないと云うのか!?」
捲し立てるように俺に言葉を言い放つ。
俺はそんなつもりがなかったから、謝罪の言葉を述べようとした。
しかし、それより先に彼女は口を開く。
「じゃあ私も言わせてもらうけど、君はそんなに童顔で私よりもかなり背が低いから君は女性なのかい?」
俺は怒りが爆発した。
その言葉は俺にとって禁句だ。
俺はその女に向かって怒号を放つ。
「はぁ!?見てわかるだろ!!男だよ、男!!!分かんないのか?」
「ええ、分からない。嫌、分かるはずもない!!そんなに女々しい顔と体してたら誰でも勘違いする。それに、私より弱いし!!」
「巫山戯るのも大概にしろよ!!アンタは強すぎるだけだ。一般的に見て俺は強い!それに、アンタもそんな高身長で顔も中性的じゃあ女って分かるはずもない。あ、じゃあ彼氏いたことないのかなぁ?」
「何だとぉ!!彼女いたことないくせに!!!」
「勝手に決めつけんなよ!俺はなぁ・・・」
その時だった。
いがみ合いが最終局面に達する寸前で、一人の看護師が個室の病棟の扉を開けた。
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